イケてる航空総合研究所

ビジネスクラス搭乗記、弾丸旅行のノウハウ、マイルの使い方、貯め方、航空事故の真相などなど。

MCTって一体何だろう?【乗り継ぎに失敗した。どうすれば救済してもらえるのか。】

MCTとは何か

MCTとはMinimum Connecting Timeの略で、「最低乗り継ぎ時間」を意味します。例えば羽田空港の場合、国内線から国際線に乗り継ぐ場合、MCTは70分以上となっており、70分の乗り継ぎ時間を確保すれば、問題なく乗り継ぎができるということになっています。

MCTを満たしていれば乗り継げなかった場合でも、航空会社の補償が受けられます。簡単に言うと代替便を手配してくれるということです。乗り継ぐ便が国際線の場合は1日に1便しかないことも多いですので、翌日便に振替となり、宿泊を用意してくれる場合も多いです。しかしMCTを満たしていも何の補償も得られない場合もあります。

ここで、

問題なく乗り継ぎができる。

MCTを満たす。

って一体どういうことなんでしょうか?今回は僕の経験した実例を交え、MCTについて考えてみましょう。

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ピーチのパンク事故、90度横を向いた前輪が大事故を防いだ?

ピーチの前輪がパンクした

2018/3/24(土)に福岡空港で発生したピーチA320のパンク事故。そんなに話題にはなっていませんが、ピーチとバニラの統合報道の直後だったので、何となく目に留まった人もいるのではないでしょうか?

あの事故、ただのパンク事故ではないという認識を僕は持っています。「前輪が90度横を向いていた!何事だ!あり得ない!」と叫びたくなるような事故です。

ただ、前輪の向きの異常性を大きく取り上げている報道はほとんどなく、前輪の向きに関しては「なお書き」程度、むしろ「福岡空港は過密だ」とか「前輪のパンクは珍しい」とか若干的外れな方向に報道が行っています。ピーチが無意味に叩かれていないのは救われていますが、問題の本質と航空機の設計の上手さについて言及されていないのは残念ですね。

これを見て下さい。


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(The Aviation Heraldより)

真っ直ぐ前を向いているはずの前輪が真横を向いています。(写真左が機首方向)

今回はこの「A320の前輪が90度横を向く事象」について解説をしたいと思います。ただし、まだ原因やメカニズムが不明なため、今回は一部に推測が入る内容となることをご了承下さい。

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第2回航空ファンミーティングinセントレアに行ってきた

実質3回目の開催

2016年3月に始まったセントレア航空ファンミーティング、今回は2回目。2016年は実験的な開催のため0回目と数えるそうで、今回は第2回と言いつつ実質3回目の開催となります。

セントレアオフィシャルカメラマンのチャーリィ古庄氏が監修する、航空ファンによる航空ファンのためのイベントですね。早速イベントのスケジュールを見てみましょう。


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3回の歴史をご存知の方は「おッ」と驚くかも知れませんが、今年のステージは4階のイベントプラザです。0回目は特別待合室でこじんまり、1回目はセンターピアでひっそりと、しかし今年から最も人目に触れるイベントプラザでの開催になります。


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ほら、こんなに遠くからも見える。4階でやるってすごいですね。いやー、3回目の開催で随分と大きくなりましたね。

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座席は必ず富士山の見える側を指定せよ【誰でもできる座席指定のコツ】

1回の旅行で4回富士山を横切る

空から富士山を見るとなんだか嬉しい気持ちになりますよね。そして見るならば冬。雪をかぶった富士山は夏の雪のない富士山よりも100倍美しいです。しかも冬は空気が澄んでいるため、より美しく見えます。

大韓航空にボンバルディアのCシリーズが導入されたということでソウルまで乗りに行った弾丸旅行。その際、何と1回の旅行で富士山を4回横切り、そのうちの3回で富士山を見るという快挙を成し遂げました。

この時の感動をお伝えすべく、どうやったら空から富士山を見ることができるのかをお伝えしたいと思います。

全然難しくないです。

まずは旅程を書きます。

1.名古屋(中部)=東京(羽田) 富士山が見える
2.東京(羽田)=ソウル(金浦) 富士山が見える
3.ソウル(金浦)=東京(羽田) 富士山が見える(通路側のため見えず)
4.東京(羽田)=福岡 富士山が見える
5.福岡=名古屋(中部) 富士山は見えない

こんな旅程です。富士山を見ることができたのは、1と2と4の3回です。

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雪の空港ではデアイシングカー(除雪車)が大活躍【よくわかる防除氷の話】

ポトマック川の悲劇

飛行機の翼やセンサー類に付着した雪(氷)が原因で墜落した事故は結構たくさんあります。有名なのはワシントンD.C.のロナルドレーガン空港(DCA)を離陸した直後、ポトマック川に墜ちたエアフロリダ90便737の事故でしょう。

エア・フロリダ90便墜落事故 - Wikipedia

エアフロリダの737は除雪をして離陸しようとしたのですが、離陸の順番待ちに時間を要し、再び翼に雪が積もってしまいました。それに加え、トーイングカーの故障により逆噴射でバックした際に巻き上げた雪や、前にいた飛行機の排気を浴びて溶けた雪が再度氷結したこと、さらに防氷装置をOFFにしてしまったことなどの要因が重なり、737の翼は複雑に氷結して翼としての性能を発揮できなくなっていました。翼は表面が滑らかでないと揚力が出ません。事故機は離陸直後に失速してそのまま川に墜落してしまったのです。

他にも計器類の不具合(原因は雪)があるのですが、最も大きな要因は翼に付着した雪や氷でした(氷結に対するクルーの不理解も原因)。翼にとって雪や氷は大敵であると言うことを知らしめてくれた悲劇でした。

そんなわけで飛行機に雪が積もったらどうなるかというと、

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