イケてる航空総合研究所

ビジネスクラス搭乗記、弾丸旅行のノウハウ、マイルの使い方、貯め方、航空事故の真相などなど。

中国南方航空B787ビジネスクラスのシート大解剖

中国南方航空のビジネスクラスを細かく紹介しましょう。特に座席については色々な角度から写真を撮って紹介します。

究極の2‐2‐2配列

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僕が座ったエリアにはビジネスクラス席は2列しかありません。非常に贅沢な作りだと言えます。普通の2-2-2の前向き配列であれば、前の座席の下に足が入るようにベッドを作るわけです。その方式をとる場合、このエリアの長さからいくと、あと1列は座席を作れるでしょう。しかしあえて足元の前の席の中に入れずに2列で収めるところに、中国南方航空の戦略を感じます。座席数を犠牲にしても快適性にこだわるということですよね。


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座った位置から前を見るとかなりモニターが遠くに見えます。これだけの広さがあります。

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前の座席の後ろにはオットマンが付いており、その下に大きな荷物スペースがあります。機内持ち込みサイズであれば十分に入る広さです。またすぐ横には少し小さな荷物スペースもあり、機内持ち込み用のスーツケースは大きいスペースへ、小さいな鞄は小さなスペースへと区別して入れることができます。ちなみに搭乗時には大きな荷物スペースにスリッパが用意されていました。これは日本人にとってはとてもありがたいサービスです。

フルフラットにしてみる

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何はともあれ、まずはリクライニング角度から。完全に倒してベッドにした状態がこちらです。フルフラットとは言え、何となく傾斜がついているように感じますが、寝てみるるとほとんど傾斜しているようには感じませんでした。ライフラット(斜め180度)のシートですとかなりの傾斜を感じますが、これはほとんど感じない。最近は2席並びの座席でもこのようにフルフラットになる座席が増えています。また、スタッガードタイプやヘリンボーンタイプに見られるように、足元が狭いという心配もこちらの座席では全く不要です。足を好きなように動かせる点で優れたシートだと言えるでしょう。しかもオットマン部分まで全部シートですので背が高くてもゆったり足を伸ばせます。

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後ろから見るとこんな感じです。問題は「隣が知らないオジサンだった場合どうするのか」ということでしょう。2席並びの窓側に座るとトイレに立つのが億劫になります。これはエコノミークラスだけの問題ではなく、ビジネスクラスでも発生する問題です。ビジネスクラスでは「普通の座席状態」では、ある程度シートピッチがありますので比較的楽に通路に出ることができます。しかしベッドにされてしまった場合はオジサンをまたがないといけません。幅の狭いシートであればよいのですが、快適なシートほど横幅が広いですので厄介です。こんな広いシートどうやってまたげというのでしょう。それなりに技術がいると思います。前の座席のふちを手でつかんで、「エイ」っとやって下さい。足を踏み外してオジサンの体に抱き付いてしまわぬよう、どうか気を付けて下さい。

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前から見ると夜の静寂に包まれた極上の寝室みたいに見えませんか。隣がいなければ本当に極楽です。前の座席下の収納スペースに入らないものは全部隣の席に置いてしまいましょう。快適なベッドで眠りに落ちる。これぞビジネスクラス症候群の人間が最も悦楽を感じる瞬間ですね。

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リクライニングにはどうやらメモリー機能があるようです。希望の位置にしてM+を押し、MRを押すと記憶させた位置を呼び出せるのでしょうか?乗っている時には気が付かず、やってみれば良かったと後悔しています。

その他あれこれ

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エンターテインメントプログラムのコントローラは、ひじ掛け下のスペースに入っていました。

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コンセントは肘掛け下の最も背中よりのところに付いています。

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テーブルは肘掛け横から出てくるタイプです。実はこのタイプ、一旦テーブルを出して上に機内食などを置かれてしまうと、席を立てなくなるので嫌いなのですが、2席並びのシートでその他の展開方式は無理だと思いますので、仕方なく諦めます。

お洒落過ぎるセーフティーデモビデオ

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ビデオモニタにも注目です。これがお洒落なんですよ。絵が水墨画なんです。最初なんかえらくモノトーンで地味だなと思って見ていたら気が付きました「これ水墨画だ!」と、そこから見る目が変わりました。「なんて洒落たセイフティーデモなんだ!」と。パロディ調の海外航空会社のセーフティデモはよく見かけますが、さすが中国とあって正統派。伝統を重んじる国は水墨画で勝負を仕掛けてきました。しばらく腕組みをしながら見入ってしまいました。

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特に見たい映画はなかったです。元々映画には疎いので仕方がありません。

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ということで僕はマップ画面を見ていました。これが一番落ち着きますし、不思議と飽きませんよね。

中国南方航空B787まとめ

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最後にもう一度B787の広いキャビン(再掲)。真ん中の席の上にオーバーヘッドストウェッジがないのが開放感に大きく影響しています。これだけ天井が高いと本当に開放的です。

先回の搭乗記でも言いましたし、何度も言いますが、天井の広いキャビンに2‐2‐2の配置は本当に広く見えます。スタッガードタイプやヘリンボーンタイプのビジネスクラスに乗り慣れると、その差がよく分かります。冷静に考えるとどちらも快適なのですが、開放的なビジネスクラスが減っている中で、あえてこの配置のビジネスクラスは新鮮な驚きを与えてくれました。

開放的過ぎてプライベート感はありませんが、複数人で旅をする場合はこちらのビジネスクラスの方が断然いいです。中国人はビジネスであろうと2人掛けを好むのでしょうか?何だかその辺りの事情が裏にある気もしますが真相はわかりません。とにかくB787のビジネスクラスは非常に快適です。ベッドは横幅も広いし足元も狭くない。眠るにはやはりこのタイプが最強でしょう。

そんなわけで僕の中で広州経由という選択肢が結構大きく現実味を帯びているわけです。関西-広州でもB787に乗れるわけですし、実は中国南方航空は欧米へのディスティネーションはそれほど多くないですが、アジア圏には比較的広い路線網を持っていますので、広州で乗り継いでもいいわけです。広州経由などあまり聞いたことがありませんが、僕の中では既に一つの選択肢です。

乗ったことのない航空会社に乗ると、「このエアラインいいぞ!」と選択の幅が広がります。これからも色んな航空会社に乗って旅のフレキシビリティ(柔軟性)を上げていきまたいと思います。

(全体のレポートは前回記事をどうぞ。)

flyfromrjgg.hatenablog.com

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