北京で空港移動が必要になったら
2019年9月25日に開港を宣言した北京大興国際空港(PKX)、これまで北京首都国際空港(PEK)だけだった北京の国際空港が2つになりました。それぞれの空港がどのように使い分けをされるのかまだまだ未知数なところがありますが、現在のところ(取材した2019年10月末現在)、日本から北京へのほとんどの便が北京首都国際空港に到着しますので、北京に到着後、乗り継ぎ先によっては大興空港へ移動しなければならない人がいるかと思います。また、ザハハディド氏の超絶すごい大興空港のデザインを是非とも見てみたいという人もいるかも知れませんね。
ということで、今回は首都空港から大興空港までのアクセス方法を画像付きで解説したいと思います。各鉄道の所要時間も計測してきましたので目安にして頂ければ幸いです。
2回の乗り換えが必要
とりあえず全体からお伝えします。地下鉄マップを見て一発で理解できた方は以降読む必要がありません(笑)。
首都空港からは地下鉄首都機場線で三元橋(Sanyuanqiao/サンユェンチャオ)まで行きます。終点の東直門(Dongzhimen/ドンジーメン)まで乗ってはいけません。途中で降ります。
三元橋からは地下鉄10号線に乗り換えて草橋(Caoqiao/カオチャオ)まで。草橋からは地下鉄大興機場線に乗り換えて終点までです。はい、これでお終いです。
ちなみに、初めに所要時間と運賃を書いておきますと。所要時間は3つ合わせて1時間半から2時間程度、運賃は65元(合計)です。
ちなみに乗り換えの組み合わせはたくさんありまして、どの経路で行っても構いませんが、荷物があることを考えると、乗り換え回数が最小となる三元橋、草橋乗り換えがベストです。
以下、写真付きで詳しく解説します。
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地下鉄首都機場線で三元橋へ
今回は乗ってきた中国東方航空の便が第2ターミナルに到着したため、第2ターミナルから地下鉄首都機場線に乗ることとしましょう。第2ターミナルから乗れば一駅分得をします。この列車は東直門→第3ターミナル→第2ターミナル→東直門という三角運行をしますので、第2ターミナルから乗る場合第3ターミナルから乗る場合に比べて所要時間が数分短いんです。(逆に首都空港に行くときは第3ターミナルが得をします。)
三元橋に到着しました。所要時間は16分でした。第3ターミナルから乗る場合はプラス5分程度を見ておきましょう。運賃は25元です。
三元橋で地下鉄10号線に乗り換えます。表示がわかり易いですし、連絡通路も短いですので非常にスムーズです。大きなスーツケースを持っていたとしてもそこまで負担にはならないでしょう。
ちなみに首都機場線と他の地下鉄線は改札を介さない乗り換えはできません。一旦改札を出て、再度地下鉄の切符を買って改札機を通ります。大興機場線も同じで、「通し」の切符はありません。従って2回乗り換える場合3回の切符購入が必要です。
地下鉄10号線で草橋へ
引き続き。こちら地下鉄10号線の三元橋駅です。10号線は環状線になっていますので、最悪乗る方向を間違えても目的の駅にたどり着けますが、下一站(次の駅)が「亮馬橋」となっている方に乗って下さい。三元橋から草橋までは5元です。
地下鉄の中の表示で次の駅がわかるため頼もしいです。また別の液晶画面でも次の駅が表示されるので安心です。我々日本人は漢字文化圏に生きていますので、中国旅行に対してはかなりアドバンテージを持っているはずです。
草橋駅に到着。所要時間は39分でした。この区間が最も長くて退屈です。
途中の混雑具合ですが、三元橋からは混雑していましたが、途中で一旦空いてまた混雑するという感じでした。僕が座れたのは潘家園という駅の前の「なんとか松」という駅でした。
草橋駅にはこんな風に乗り換え案内があるので安心です。
普通に階段を上って改札階に行きましょう。
草橋駅での乗り換え
改札を出たら今度は大興機場線に乗り換えます。矢印に従って歩きます。
駅の地図からすると大興機場線の草橋駅はかなり大きいことが見て取れます。
地下通路を通って行きます。草橋駅では大興機場線しか乗り換える線がありませんし、道は1つですので間違うことがありません。
通路は結構長め。
監視カメラが常に僕らを監視しています。犯罪を防ぐことには役立ちますが、常に監視されているのは気分がいいものじゃありませんね。中国は国家的に監視社会を推し進めており、どこにでもおびただしい数のカメラがあります。
終盤に差し掛かると広いところに出ます。
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地下鉄大興機場線で空港へ
若干注意が必要なのが大興機場線での切符の買い方。切符売り場は二手に分かれています。理由は、この地下鉄大興機場線には普通席とビジネスクラスがあるためです。
ビジネスクラスの切符売り場は何故か別。
シティエアターミナルがあり、ここでチェックイン、そして荷物を預けることもできます。対応しているエアラインは未確認ですが、空港でスーツケースをゴロゴロしなくてもいいメリットは大きいですね。
始電終電案内がありました。始発は6時と比較的遅めです。大興機場線の終電は22時半と早めです。これから便が増えて早朝便や深夜便が出てくると変わってくるかと思います。今はこの時間で十分なんでしょう。
地下鉄の切符はデザインが大興空港というだけの普通のICカード。
改札口を通ります。ビジネスクラスと普通席の乗客は改札の場所が違います。
乗車する箇所も仕切られています。先頭車が荷物のための車。そして2号車がビジネスクラス。後ろ全てが普通席になっています。基本的に8両編成です。
ホームに降りると、申し訳程度の待合椅子が。ささやかなビジネスクラスのアドバンテージですね。あと、トイレも近くて非常に良かったです。
僕がホームに着いたときにはちょうど電車が出たばかり。しかし10分おきに来るので非常に便利です。
電車が到着。これ自動運転の電車で運転手はいません。
地下鉄ビジネスクラスの全て
地下鉄でビジネスクラスに乗ったのは初めてでした。地下鉄と言いつつ、ここまで来ると高速鉄道の一種だと思うんですが、それでもカテゴリーとしては地下鉄です。中に入って焦りました。なんとビジネスクラスは1-2の3アブレスト配置。
完全に空間を持て余しているような車内です。
後ろから見るとなるほど、と。1-2、2-1とゾーンごとに互い違いになっています。
自席からの眺め。
一応テーブルもあります。
USBも完備。しかし、機能するかどうか確認するのを忘れてしましました。中国ではポートはあっても通電していないというのはよくある話ですからね。
こちらはライトと空調だと思うんですけど、全く機能しませんでした。
一応ブラインドもあります。
途中停車駅は一つ。大興新城駅という駅です。
ここから一旦外に出ます。地下鉄と言えども、やはり外を走って欲しいですね。最高時速は160km。明らかに普通の電車よりも早い気がしました。無人運転で160kmってこれまたすごいですねぇ。
ビジネスクラスに乗ったのは僕とあと2名のみ。ビジネスクラスでも自由席なので2席の方に座ったり1席の方に座ったり、落ち着かない僕なのでした。
しかもキャビンアテンダントのお姉さんが乗っているのですが、エレベータガールよりもヒマそうで。到着まで一切することなし。客がいなかったら座っているんでしょうかね?到着時に中国語で何やら「到着しました。お忘れ物ないようにお降り下さい」というような一言を言ってもらっただけです。
というわけでピッタリ20分で到着しました。快適な自動運転でした。空港の中の無人交通システムのような急加速、急減速がなく、人間が運転するよりも快適なんじゃないかと思ったほど。実に安定した走りでした。
ホームは広いです。このガランとした感じがいかにも中国ですよね。どこでも無駄に広いのが特徴です。
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大興空港のアクセス事情全般
ここで大興空港へのアクセスをまとめたいと思います。電車に限らずバスでのアクセスもありますのでそちらも紹介します。地下鉄を降りたところで明らかになったのは、鉄道アクセスは2つあるということです(2019年10月末現在)。地鉄站(地下鉄の駅)と火車站(電車の駅)があります。
大興空港の公式HPにもこの2つの紹介がありますが、実は半信半疑でした。「3つあるかも」とかそんなことも思っていましたので、HPの案内が正しいことがわかったわけです。
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空港の到着階にある空港アクセス駅の案内板。大興空港からのアクセスを表すものですが、空港からどこへ行けるのかが一目瞭然ですね。
2つある鉄道アクセスのうち、僕が乗ってきたのが地鉄大興機場線。そしてもう一つは京雄城際鉄路(いずれも案内板では簡体字で表現)です。尚、京雄はれっきとした高速鉄道です。
地下鉄は35元(普通席)で、次の電車の時刻も表示されており非常に便利ですね。なお、高速鉄道は30元と地下鉄よりも安いです。
地下鉄ではない方の京雄城際鉄路に乗ると30分程度で北京西駅に着くようです。将来的には北京の南に位置する雄安まで繋がり、今はターミナルとなっている大興空港駅は途中の駅になります。
どちらに乗るかは北京のどこにいるかによって変わりますが、北京首都国際空港からアクセスする場合は京雄城際鉄路の北京西駅よりも、地鉄大興空港線の草橋の方が近くて便利でしょう。地下鉄は10分に1本の間隔で出ていますし所要時間も20分ですし。(京雄城際鉄路の運航頻度は後述)
続いてバスは北京駅、北京西駅、北京南駅など。主要な鉄道駅にはバスで行くことが出来ます。30分おきに出ているようですね。どこも40元。例えば北京南駅は上海行きの高速鉄道が出発する駅です。その他CityBusは近郊、Long Distance Coachは長距離バスです。
というところが北京大興国際空港へのアクセスの概要です。
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高速鉄道でのアクセスについて
最後に地下鉄ではない方の京雄城際鉄路について解説しておきます。こちらが高速列車の大興空港駅。地下鉄と同じフロア(地下2階)にあります。中国語で「火車」は「電車」を意味します。ただ、なんとなくガランとした雰囲気。本当に走っているのか不安になるくらいのゴースト感でした。
何故か到着側の改札口は閉まっていました。「やはり走っていない?」とも思いましたが、上の案内を見る限りちゃんと走っている感じがします。よく見ると1時間に1本程度しかないですね。「なるほど、本数が少ないだけか」と理解しました。
こちら火車の待合室です。異常に広いのがわかります。ただ、きっとここが人で埋め尽くされる日がきっと来ます。
まとめ
長々と説明しましたが、首都空港から大興空港までのアクセスをまとめると、首都機場線、10号線、大興機場線の3つを乗り継ぎ、最短で1時間半程度といったところです。運賃は25元+5元+35元で65元(約1,000円程度)とかなり安めの設定です。あくまでも空港から空港までのアクセスですので北京の色々な場所からだと結構変動しますが、北京の中心部からならば1時間でアクセス可能と言ってよいでしょう。距離は離れていますが、そこは地下鉄または高速鉄道の速度でカバーされています。
経路上、特にわかりにくい箇所はありませんでしたので、きっと簡単に乗り継げるかと思います。お役に立てれば是幸いです。
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