念願の78Mに搭乗
2021年9月の話です。コロナ禍で国際線機材が余りまくって一部の国際線機材が国内線に投入されています。その代表格が787-8。近距離国際線、例えばソウル、上海、香港線などに使用されていた787が今、羽田を中心に那覇、新千歳、福岡、伊丹線などに使われています。ダイヤ上は78Mと表されるので一目でわかります。特徴はビジネスクラスがたくさんついていること。そしてそのビジネスクラスはプレミアムクラスとして扱われているということです。
羽田空港59番ゲートにいるのは787-8。ぱっと見わかりませんが、JA834Aは2-2-2の配置で前方にCradleタイプのビジネスクラスが並ぶ国際線機材です。
羽田は1、2、3という順ではなく、一部1・4の次は2・5、その次は3・6という順で何だか変わったやり方でした。中部ベースの人間からすると超新鮮ですね。(検証と書いてあるので実験でしょうか?)
前方通路の僕の搭乗順序は3・6に相当する3番目でした。プレミアムクラスなのに一番最後というのが面白いですね。昔だったらあり得ないです。
ボーディングブリッジは2本で搭乗します。Aコンパートメントのプレミアムクラスは前方から入るのが流儀かも知れませんが、僕はAコンパートメントの最後列なのでNo.2ドアから入る方が近いです。
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国際線機材の広々キャビン
国際線機材に搭乗するときの楽しみはキャビンに入った瞬間に感じる開放感。すごくテンションが上がる瞬間です。僕の座席は4D。真ん中の席です。既に乗り込んでいるお客さんがいたので、後ろからキャビンを撮るのは上空までお預けです。
こう見ると2-2-2のビジネスクラスって本当に広いですね。スタッガードだと壁だらけで狭く見えることもありますが、このシートコンフィギュレーションだと広さが際立ちます。
この開放感がたまらないんですよ。
贅沢なことに前のモニターが遠いです…。
フルリクライニング状態。このビジネスクラスはCradle(ゆりかご)といって斜めフラットにすらならないタイプです。近距離ならフラットになる必要はないとい考えた結果がCradleなのでしょう。
出発直前のまったりとした機内。CAさんにご挨拶にも来てもらえて、どこを見てよいのか「目が泳ぐ」ヤツが久々に体験できました。
そう言えばプレミアムクラスはスリッパがありましたね。これ、機内でリラックスできるアイテムとして必須です。
国際線ビジネスクラスとほぼ同じサービスが嬉しいです。ちなみにエコノミークラスではコロナ対策として提供しなくなったブランケットはプレミアムクラスではちゃんともらえます。コロナ対策って一体何なんでしょう?
USBポートだけではなくコンセントもちゃんとあって助かります。タブレットやノートPCだとUSBポートだけじゃ心許ないですから。
座席横にノートPCとタブレットもしまっておけるのもよいです。
今回は窓側を取れなかったので、景色の写真が一切ないのが残念。機体はRWY05から離陸しました。窓側の人はタキシー中から離陸までずっと動画を撮っていました。
この広々とした空間が国際線機材の証です。ワンコンパートメント(+後ろも少し)全てプレミアムクラスというのは贅沢ですねぇ。
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国際線機材ビジネスクラスを満喫
プレミアムクラスのお楽しみは豪華機内食。国際線機材に乗るなら、やはり機内食が出てくれると気分が上がりますよね。ベルトサインが消灯するとすぐに食事が運ばれてきました。
なんと豪華なご飯だこと!
羽田発の食事って特に豪華じゃないですか?(いつも中部発なので重箱みたいなのに入った冷たいご飯しか食べたことない。)
このレベルだと金浦=羽田線に乗っているような感覚。十分国際線気分に浸れますね。
こちらがお品書き。
以前にもこの話題だけ特出ししてお送りしましたが、緊急事態宣言中でも機内ではアルコールOKなんですね。
食後はコーヒーで締めます。これがコーヒーカップだったらもっと国際線の感覚でした。そこまで求めたらダメか…。
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機内を散歩してみよう
お食事が終わったので機内散歩に出掛けましょう。最後列の座席は機内が撮りやすいので良いですね。座席を立ってすぐ撮れます。
ビジネスクラスはやっぱりいいです。キャビンを眺めるだけでテンション上がります。
中央部分にはバーカウンターありまして、プレミアムクラスでは使用しないので殺風景ですが、国際線ではお酒を置いたりスナック置いたりと色々と用途があります。
このNo.2ドアの部分は天井が高くて広々していて、787の本領発揮という感じの部分ですよね。
続いてエコノミークラスに行ってみましょう。食事の提供があるのはプレミアムクラスのみ。国際線の場合はエコノミークラスでも食事が出るので、通路が塞がっていることが多く、すぐにエコノミークラスには行けませんが、すぐに行けるのが国内線の特徴です。
それでは機内最後方から行きましょう。国際線機材はシートモニタがあります。窓側の席数が3席から2席に減っている部分。窓側の部分のみテーブルもモニターもないのが特徴的ですね。少しでもコストダウンしようとする努力が見て取れます。モニター1台でもバカになりませんから。
こちらNo.3ドアの辺りから。緊急事態宣言中だからか空いている機内でした。
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意外と短かった羽田=那覇線
あと国際線機材で必要なことって何かわかりますか?それは映画。でもさすがに国際線のエンタメプログラムは入っていません。というわけで、Kindle Fireを持ち込んでみました。C-130がホワイトハウスを攻撃するという水戸黄門みたいなアクション映画です。これ、すごく快適ですね。何故なら、アナウンスが入っても中断しないから。エンタメプログラムの映画はアナウンスが入ると中断して非常にストレスが溜まるので、「これはいい!」と思いました。
もちろん機内エンタメはタブレット等を持ち込まなくていい、つまり荷物を軽くできるいい点もあるんですが、本当に観たい映画があるならタブレット持ち込んだ方が快適ですね。初めて持ち込んでみてそう思いました。
長距離国際線だと放送が入って中断しても時間に余裕があるのでよいですが、映画を1回観られるかどうかの2~3時間のフライトの場合、アナウンスによる中断はクリティカルな問題になります。その点、タブレットはそのヤキモキから解放されます。(今さら何をという感じですが。)
気が付くとこんなところです。
あと1時間切っちゃいまして、沖縄行きなのに(西向きなのに)早いなぁと思いきや、実は本当に早かったみたいです。20分くらい早着しました。
窓側ではないのでかなり遠いアングルになっちゃったんですが、着陸寸前にはターミナルとANAの機体が見えました。787は窓が大きいので通路側からもそれなりに外が見えます。
滑走路からタキシーウェイに入り、何故かタキシーウェイ上で停止。どうやら早着したためスポットが空いていないらしく、ここでしばらく待機するとのこと。最初放送も入らず、何故止まったのかもわからず、まさか油圧故障でステアリング切れなくなったのか?と初めての経験にドキドキしちゃいました。
10分は停止していたと思います。停止中、とあるお客さんがトイレに行って戻って来ず、機体が動き出しても戻って来ず、CAさんたちは「何かマズいことでもあったか?」と心配していましたが、トイレから出てきたお客さんは「(機体が)動いたから出るのをやめた」と言っていました。地上滑走なので、すんなり座席に戻ってくれた方周りがヤキモキせずに済むんですけどね…。(タービュランス時はトイレ内で待機した方が安全)
10分間の待機は結構長かったですが、プレミアムクラスだから「もっと乗っていたい」と思ってしまいました。そうじゃなかったら早く降りたいなぁと思ったところでしょう。
何故国際線機材なのか
42席あるプレミアムクラスは8割程度が埋まっていました。隣がいない座席がチラホラあるくらいで、混雑しているなぁという印象でした。一方エコノミ―クラスは空席が目立ちました。プレミアムクラスの収益が半分以上を占めるんじゃないかと思うほど。(アップグレードで乗っている人が多かったらダメですけど。)何でこの路線に国際線機材を入れるかって、そりゃ収益改善のためですよね。国際線では客単価が高いビジネスクラスが収益を支えているというのはエアライン業界の常識ですが、その考え方を国内線に持ってきたのがコロナ禍の戦略です。
普通席がガラガラになるくらいなら、普通席の席数を減らしてプレミアムクラスを売ろう。それがこの国際線機材の活用というやつです。こまめに色んな路線の空席状況をチェックしていましたが、プレミアムクラスの売れ行きは常に好調でした。特にこの78Mも42席あるにも関わらず、空席数が一桁とかもザラにあったりして、その人気ぶりが見て取れました。
その戦略にまんまと乗って、787Mに乗ってみたわけですが、やはり国際線機材はテンションが上がる。それは間違いなかったです。また、食事も羽田発は特に豪華でいいですね。想像以上の満足感が得られました。
JALでも国際線機材の777-200ERを使って同じようなことをやっています。
が、こちらはクラスJ(プラス1,000円で乗れる座席だけ国際線)なので、機内食は出ませんし、サービスはほぼ普通席なので、ANAよりはだいぶサービスが落ちる印象です。(シートがいいだけでも十分ですけどね。)
こんな素晴らしいオペレーション、コロナが終わってもやって欲しいものです。いや、国際線で稼ぐ機会を失ってもいいという意味ではなく、今みたいに787を内際共用化してしまうということ。A320でやっていますが、確か787ではやっていなかったような…。今後はそんなオペレーションもアリかと思います。中国のエアラインでは普通にやっていますしね。
いずれにせよ、国内線で国際線気分が味わえるのはとてもいいもんだと思います。国内線ではなかなか体験できない快適なフライトでした。
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