ANAで行くシアトル
今回のシアトル行きはANAを選びました。いつもデルタじゃつまらないですからね。ANAのシアトル行きは一体どんな感じなのか、787のプレミアムエコノミーはどんな感じなのか、その快適さを検証することにしましょう。ANAのシアトル行きは第5サテライト52番ゲート。ANAのフライトはラウンジ下に固められているので便利です。
こちらが僕の乗る787と行きたいところですが、一本前に同じ52番から出るサンノゼ行きの787です。どちらも787-8なので一緒と言えば一緒です。
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たった2列のプレエコ
この便のコンフィギュレーションを紹介しましょう。一概にANAの787-8と言っても、コンフィギュレーションは様々でして、シアトル行きは各クラスのバランスがよい184人仕様を使用しています。787-8のコンフィギュレーションは3種類あり、ビジネスクラスが多い169席仕様、単距離型でビジネスクラスがフラットではない(クレイドル)の240席仕様があります。
ちょうど翼の上あたりがプレエコ。184席仕様の787-8ではプレエコが2列のみ設定されています。2-3-2の7アブレストですので、14席ということになります。デルタのA330-900は4列付いているため、それと比べるとやや貧相な印象が否めません。デルタはANAの2倍の席数がありますから。
プレエコの窓側席。空いていれば絶対に最前列の窓側を指定すべきでしょう。前のスペースも十分あり(広角レンズの効果で実際よりも広く見えていますが)、窓側からでも通路側へのアクセスが抜群です。
自席から見るとこんな感じ。シートピッチは38インチ(97㎝)ですので普通のエコノミークラスの34インチよりは4インチ(10㎝)広いですが、まぁこんなもんかという感じです。(ちなみにANA国内線は31インチ)
ただシートの機能性は抜群。本を入れるサイズのポケット、スマホを入れるサイズのポケットが備え付けられており、よく使うものを入れておくことができます。ビジネスクラスのようにテーブルがない分こういったポケットは非常に助かります。
プレエコではビジネスクラスと同じスリッパを用意。靴を脱いでリラックスできます。
アメニティキットはポーチ等に入ったものはなく、搭乗時にCAさんが「必要な物をお取り下さい」とバスケットで持て来てくれるだけ。そこでチョイスする形になります。
デルタにあってANAにないものがこのアメニティキット。とは言え、必要なものと言えば、アイマスクと歯ブラシくらいですので、全種類もらう必要はないんですが、ANAとデルタを比べるとデルタの方がいいなぁと思ってしまいます。
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食事をアップグレード
今回トライしてみたのは食事のアップグレード。実はA380でホノルルに行ったとき、オリジナルの機内食がBillsとのコラボメニューということを知らず、食事のアップグレードをしたはいいものの、コラボメニューの存在を知ったところで結局アップグレードをキャンセルしたんです。食事のアップグレードはキャンセルはできても払い戻しができないため、1年以内に権利を使わないといけないんですよ。でもなかなか使う機会がなく、やっと今回使える機会が巡ってきました。
特別機内食の人はシールで区別する仕組みらしく、搭乗時に「機内食をご注文でございますか?シールを貼ってもよいでしょうか?」と言われてビックリしちゃいました。一瞬「おれの体に貼るんかい!」と思ってしまい。「どこに貼るんですか?」と真顔で聞いてしまう僕。席を移動してもわかるよう体に貼るというシステムもあり得なくもないですし…。
こちらが有料のメニュー。プラス2,500円でちょっと豪華な短距離国内線と同等クラスの機内食が食べられます。搭乗24時間前までにWEBで申し込みを行い、和食か洋食かを選びます。
出てきました。これがプラス2,500円の有料機内食です。どうでしょう?2,500円余分に払う価値はありますかね?その辺りは個人の判断かと思いますが、まぁこんなもんでしょうか?
CAさんが食事後に、「いかがでしたか?」と聞いてきたので答えに窮してしまい。「えぇ、まぁ美味しかったです」としか言えず非常に不甲斐ない気持ちになりました。「そうだった、僕はいつも何故かフィードバックを求められるんだ」と反省。答えを用意しておかないといけないんですよね。
こんな事件も過去にありましたし。
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ビジネスクラスのデザートが出る
僕は食事をアップグレードしたから良かったんですが、何もしなければプレエコはエコと同じ食事。じゃあプレエコは何がお得なの?ってことになりますよね。そうなんです、そこが重要なポイントです。プレエコに座るとなんとビジネスクラスのデザートが食べられます。別にビジネスクラスの残りというわけではなく、プレエコ分もプラスして搭載しているっぽいです。
そんなデザートは抹茶ムースとケーキ。
斬新な発想と予想外の刺激
このデザートはピエールエルメが監修しているんですが、いつも普通に食べてしまうところが、今回ばかりはタダでは済みませんでした。この抹茶ムースのすごいところは抹茶の上にグリーンピースが載っていること。
えー!グリーンピース?
って感じがしますよね。さらに食べ進めて行くと、ここであずきが出てきてほんわか和むところになんとグレープフルーツが出てくるんですよ。しかもちょっとスパイシーな風味(何か不明)も。
この意外感がたまりません
片付けに来たCAさんに思わず、「真ん中ってグレープフルーツですよね。予想しないもの出てきてビックリしました。」と告げると、「いかがです?お口に合いました?実は残されるお客様もいらっしゃいまして」とポロっと本音が出てきて面白かったです。
確かにあずきだと思っていたらグレープフルーツですから、「うっ」とくる人もいるかも知れませんね。グレープフルーツの次の層にはちゃんとあずきが出てくるんですが、あずきを期待しているときに外されると、「なんじゃこりゃキモイ」となる可能性はあります。しかしそこは意外感を楽しみましょう。さすがピエールエルメだと思いました。
なかなか面白い演出で「いやーこれは全然アリです。すごく良かったです。」と褒めちぎってしまいました。
こんなデザートが出るのはデルタよりもいいですね。
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眠らないのがコツか
この便は18時15分発、そして日本時間の午前3時くらいにシアトルに着きます。3時頃までなら余裕で夜更かしができてしまうように、ある程度緊張しながら乗っているとこの便は眠るタイミングを逃してしまいます。着いたら現地時刻の朝10時ですので完全に徹夜です。そのまま起き続けて現地時間の夜早い時間(日本時間の昼頃)にパタンと行く結構気持ちいい感じが得られます。経路も真ん中に差し掛かった頃。往路は追い風、偏西風の強い冬とあって、飛行時間は夏よりも1時間程度短い8時間です。それでもやはり8時間は長いです。
どうも自分好みの映画がなくて「アルキメデス海戦」を見てからは、なんとなくグズグズと過ごしていました。そんな中、音楽が充実していたのがよかったです。さすが日本のキャリアとあって邦楽が充実。スピッツなんかは懐かしくてすごくいいですねぇ。
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到着前、2度目の食事が出ます。
和食と洋食がありましたが、パンケーキ(洋食)をチョイス。日本時間は未明なので夜食的な感じで結構食べられます。深夜とは言えまだまだ体は元気なんですよね。北米線の往路は基本的に人間の活動時間帯を飛ぶため体調は非常に良好です。時差ボケが残っていると、復路はかなり不調になりますけども。
やっぱり窓側がいい
長距離国際線では通路側がセオリ―で、特にこの路線はほぼ夜間帯を飛ぶので通路側でも全然いいんですが、着陸が近づくとどうしても窓側が恋しくなります。機内はまだ暗い状態ですがすぐに綺麗な朝焼けが見えることでしょう。
航路を見る限り、オリンピック山脈やマウントレーニアを見るには右側でしょう。シアトルのタコマ空港は南北に滑走路が設置されているので、右側に素晴らしい景色が見られるはずです。マウントレーニアは写真の右端、やや白くなっている部分です。南から進入する場合はレーニアの手前を左旋回しますので、すごく近い距離で見られると思いますよ。北から進入する場合もやや遠くに見えるはずです。
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デルタの方が上かも知れない
今回初めてANAのシアトル線に乗り、デルタとの比較をすることができました。デルタはビジネスクラスに座れないまでも、なるべく快適に出張に行きたいというビジネスマンの期待に上手く応えている気がします。何せデルタは、「プレミアムセレクト」ことプレエコが充実しまくっているからです。ANAのプレエコはシートがプレミアムなだけ。サービスはエコノミーとさほど変わりません。違いと言ったら食事の後にビジネスクラスのデザートが振る舞われるくらい。機内食は特別機内食を注文しない限りエコノミークラスと同じです。
ANAの方は2,500円を支払えばデルタのプレエコレベルのご飯が出てきます。言い方を変えれば、デルタのプレエコはANAの有料レベルの機内食が無料で付いてくるわけです。差は歴然ですね。
実は別のCAさんにも有料機内食の感想を聞かれ、「いや、実はデルタのプレエコと同じくらいで…。あちらのプレエコはこのレベルのご飯が普通に(追加料金なしで)出るんですよ。」なんて少し嫌味を言ってしまいました。
しかもプレエコ運賃はデルタの方がANAより安いんです。つまりANAに勝ち目はないと言うことになります。ANA便はマイレージへの忠誠心の強い客に支えられていると言っても過言ではありません。
あと勝負するところは機内エンタメなんですが、映画のラインナップはほぼ同等。デルタは米系エアラインとは言え、日本語で見られる映画をかなり豊富に取り揃えています。日系エアラインのANAが圧倒的に優れているということは全くありません。
むしろデルタの方が好みの映画がたくさんあるかも知れません。ただし、音楽になるとANAの勝ちです。さすがに邦楽は充実しています。しかも中年層が好むようなプログラムが多いのがANAの特徴です。まぁ邦楽しか観ない/聴かない人に限った話かも知れませんけれども。
というわけで、ANAとデルタのプレエコを比べると、やっぱりデルタに軍配が上がります。ANAさん、あと一歩です!
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