イケてる航空総合研究所

ビジネスクラス搭乗記、弾丸旅行のノウハウ、マイルの使い方、貯め方、航空事故の真相などなど。

この後、航空業界はどんな風に息を吹き返していくのか【国内線が強い国が絶対に有利】

元通りの成長軌道に戻るのか

先回記事では、かなり悲観的にコロナの行く末を占ってみたわけですけど、やはりどう考えてもこの騒動が落ち着くには1~2年は掛かりそうだと思うわけです。

ここで航空ファンとして一番気になるのは、やはり急激に減便に陥った航空便がどう復活するのかいうこと。国際線は9割以上の減少で、渡航制限があるため実質ゼロと言ってもいい状態です。日本の国内線も計画からほぼ半分の便で運航されています。


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(JADCが発表している航空旅客の需要予測。旅客輸送量は年間4.4%で増加すると言われています。)

これらがどのように復活してくるかは非常に興味のあるところです。もしかしたら元通りの成長軌道には戻らないかも知れませんし、最初の数年だけ落ち込み、その後はかつてない高成長を遂げるかも知れません。行く末は誰にもわかりません。

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国際線再開はかなり慎重になる

各国で感染者数がピークアウトして、経済活動を再開させるという報道が目立つようになってきました。中国はいち早く最悪期を脱して徐々に経済が復活しつつあるようですし、台湾や韓国も復活の兆しが見えます。アメリカでは慎重論はあるものの経済活動再開の検討がされ始めました。

もしかしたら国レベルではウィルスの抑え込みが上手くいっているのかも知れません。特定の国では国内の活動は盛んになるでしょう。

しかし問題は航空便の再開です。今はほとんどの国で入国時に14日間の待機が求められ、実質的に国をまたいだ移動が非常に困難な状態になっています。国際線の再開は待機指示がなくなることとほぼ同義ですので、国際線を再開させるには、待機指示をなくすことが先決になります。

ここで例えば日本とアメリカの国際線を元通りに復活させるためには、日本もOK、アメリカもOKという状態を作らねばなりません。すなわち日本→アメリカの入国時、アメリカ→日本の入国時の両方の待機解除をしないといけません。一方がダメと言っている状態では人の往来は成り立ちません。


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(上海浦東空港に並ぶ各国の翼)

仮定の話、日米が待機解除をしたのに続いて中国と日本の待機解除が実現したとしましょう。中国→日本、日本→中国で待機指示がなくなったと考えて下さい。しかしアメリカも中国もお互いに待機を解除しないと主張したとします。そうすると中国と日本の往来はOK、しかし中国とアメリカの往来はNGという状態が発生します。

これって非常に危うい状態だと思いませんか?アメリカは中国人の入国を拒否しているのに、日本人は中国人と接触をしているので、アメリカには間接的に中国人が入ってくるのと同じ状態になってしまうんですよ。

理論上はこの状態は有り得ません。

つまり複数国で待機解除を行う時は一斉にやらないといけないんです。それがどれだけ難しいことか…。(あくまでも理想論ですので、各国は上手く方策を考えてやると思いますが)

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まずは国内線から需要回復

前述の理由から、国際線の復活は当面無理でしょう。世界的にコロナが収束しない限り、上手く復活させることができない気がします。

一方で各国は全力で国内の終息取り組んでいるので、国内での感染が終息したら、まずは国内線から息を吹き返していくでしょう。日本で例えれば、国内出張が解禁され、旅行も自由に行けるようになるといったように。そうすれば国内線だけは元気になります。

最近の日本国内の観光需要を引っ張っていたインバウンドがいないのが心許ないですが、15~20年くらい前は日本を訪れる外国人は少なかったので、その頃、日本人だけで回っていた頃のようにやればいいだけです。若干力不足だとは思いますが、何とか国内の旅行需要は復活させることができるでしょう。


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(中国の国内線)

他国も同様、国内線が強いアメリカや中国は有利でしょう。これらの国では国内線需要だけである程度の復活を遂げられると思います。逆に国際線しかないシンガポールや香港、中東(UAE、カタール)などはかなり苦戦を強いられると思います。欧州は欧州内で協調すれば欧州域内の航空需要は復活させることができるはずです。

感染が落ち着いた地域に限り、国内線から回復するというのがほぼ確定的なシナリオではないでしょうか。

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せめて国内だけでもと願う

僕が心配しているのはやはり経済の低迷。こんな状態が1年続いたらホントに死んじゃいますよ。これは経済が死ぬって意味で、人が死ぬって意味じゃないですけど、経済が死ねば確実に自殺者が増えるので、人が死ぬと言っても間違いではないかも知れません。

先回記事で書いた通り、この戦いはワクチンや治療薬が開発されるまで絶対に続きますので、複数回の感染の波を経験することは確実です。自粛、解禁、自粛、解禁の繰り返しです。

しかし何度かの自粛を余儀なくされても、自粛と自粛の間、つまり解禁期間をなるべく長くできれば経済は死なずに済むんですよ。だから波が来たら早く収めると言うことが重要になります。

まずは第一の波を終息させてせめて国内旅行だけでも解禁させることを目標にやるしかありません。必要なことは接触機会を減らすことです。先回記事でも触れた基本再生産数と接触機会の減少で値を1以下にすることが必須です。

それを肝に命じて行動したいものです。

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