ANAプレエコ搭乗記の珍事
先回お送りしたANAの成田=シアトルのプレエコ搭乗記ですが、フライト中、とても微笑ましくて温かい気持ちになる出来事がありましたので別記事として立てました。僕自身、このシチュエーションは初めてで、「楽しい」と言ったらとても失礼になってしまうんですが、今振り返ってみてもなかなか面白い体験だったなぁと思ったので書かせて頂きます。
思わず応援、新人CAさん
食事の時間になり、ドリンクのサービスが始まりました。僕のところに来たのは後ろにイントラ(教官役)に付き添われた新人CAさん。ものすごく素敵な笑顔なんですが、緊張している感が全く隠せない様子でした。「お飲み物はいかがいたしましょうか?」と言われたので僕はいつものように、
スプライト下さい!
と言ったんですが、すかさずイントラから小声で突っ込みが…。
「氷が必要か聞いて下さい」と。あと「缶ごと提供するかも」と。なるほどなぁ、確かに色々と聞くことがあるよなぁと思っていたら、「申し訳ありません、(飲み物を)もう一度おっしゃっていただけますか?」と
緊張しすぎ!!!
10秒前にオーダーしたものを忘れちゃったようです。それだけ緊張してるってことなんですよね。
それで出てきたものが7UP。自信満々に、
セブンアップでございます!
と。
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「スプライト」と」「セブンアップ」はスラッシュで区切られているだけで、商品としては同じ扱いなんですが、「スプライト」と言って「セブンアップ」が出されるときには、普通「セブンアップですがよろしいですか?」と聞いてくれます。外資系に乗ったりして7UPしかない場合は、「セブンナップオーケー?」みたいな感じで聞かれます。逆の場合でも「スプライトオーケー?」みたいに…。
しかしそのそんな断りの言葉を言う余裕もなく、しかも2回も「スプライト」と言ったのにも関わらず、元気イッパイで
セブンアップでございます!
にはちょっとだけ笑ってしまいました。
新人さん、素敵です。
そして怖かったのが、後ろのイントラの笑顔。本当は鬼のように怖いんでしょうけど、自然な笑顔過ぎるのがまた怖い。サービス業って裏を見せないのが凄いなー、これは大変だろうなぁ。という状況だったので、新人CAさんの気持ちにかなり同情してしまいました。
そして、何とかこの場を和ませないと!という義務感が生れてしまい、「初めての乗務なんですか?」と聞いたところ「国際線は初めてなんです」とのこと。確かに国内線と国際線ではサービスのやり方が全然違いますので、ある程度慣れていないと、氷を入れるとか、缶ごと渡すとか聞き忘れちゃうよなと思いました。
でも一生懸命な姿がとても初々しくて、少しでも緊張がほぐれるように「頑張って下さいね」と最後に伝えました。僕も結構いい歳のオジサンですから若いCAさんには優しいです。
というか、あのシチュエーションならば、何か緊張がほぐれる会話が必要で、最後に「頑張って下さい」と言わざるを得ませんでした。ホントに見るからにガチガチでしたから。
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ベテランV.S. 新人さん
ここで議論なんですが、ミスがなく動作も早いベテランと、ちょっと動作が遅くて失敗もする新人さんとどちらがいいかって、僕は後者の方もいいなぁと思いました。ミスがなく動作も早くて、かつ愛想も抜群によい完璧なベテランさんなら前者がいいんですけど、でも大体そういう人、特に中間層(20代後半から30代、40代前半)の人ってやたら態度が冷たいことってありません?ミスがなくて動作も早くて、まではいいんですが、全然愛想がないというパターンが多い気がしています。
40代後半、50代のCAさんになるとまた味が出てきて、ブラックジョークの一発も普通にかましてきますので、それはそれで面白くて僕は好きなんですが、曲者は中間層のだいぶ慣れてきたけど、サービス精神がイマイチな人達。まぁ忙しい機内ですので、そりゃ愛想も忘れてしまいがちなんですが、その辺りのCAさんに当たると「あ、ハズレだな」と思ってしまいます。
むしろ今回当たったような、超が付くほど新人さんの方が、動作は遅くてちょっとおぼつかないけど、笑顔だけは絶やさないようにしようという人の方が好感が持てます。何でも一生懸命やろうとしている姿って素敵なんですよね。だから遅くてもミスをしても許せちゃう。
人間って、いや、僕だけかも知れませんが、片方で早くてミスのないサービスを求めつつも一方では、人間らしさみたいなものも求めてしまいます。超ベテランのいわゆるオバスチ(←僕は大好きです)は両方を兼ね備えていて、僕らオタク達のマニアックな会話にも嫌な顔一つせず付き合ってくれて、それは完璧なんですが、オバスチまで行かない中間層CAさんは中途半端感が否めません。ロボットみたいな冷たい印象な人も多くてかなり残念な気持ちになることもあります。
まぁ機上の空気の薄い中、時間帯に関係なく時差ボケの中、過重労働をさせられている彼女からしたら、そこまで求めるなというところなんでしょうが、中にはそうではない人もいるので、その辺りは個人の持つ天性のホスピタリティなのかなぁとも思ってしまいます。
今回当たった新人CAさんが数年だったらどうなるのか、僕はとても楽しみであり心配です。同じ色に染まっていくのか、いつまでもあんな笑顔でサービスしてくれるのか。何だかソワソワしてしまうのでした。
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