イケてる航空総合研究所

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【速報】ライオンエア737-MAX8がジャカルタ沖に墜落。事故原因は不明だが離陸直後から自動操縦が切れていた。

最新型737、初めての事故

今日(10/29)、インドネシアはジャカルタ、スカルノハッタ国際空港を離陸したライオンエアJT610便、ボーイング737-MAX8(PK-LQP)が離陸した後、ジャカルタ沖に墜落しました。


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これを書いている時点で、事故原因に関する言及はありませんが、どうやら「トラブルが発生したため空港に戻る」という交信の後に墜落したものと見られています。

墜落した機体はボーイング737というベストセラー機の最新バーションで、ライオンエアとしても導入したての新しい機体です。ライオンエアの子会社であるマリンドエアが最初に受領したのを皮切りに、世界でどんどん増えている機体で、全損事故としては初めてのケースです。機体の不良なのか、パイロットのミスなのか、気象が原因なのか、事故原因の解明が待たれますね。

Flight Radarからわかること

この事故後すぐ、Flight Radar24で高度・速度の履歴を見てみたところ、「えっ!」と思いました。この機体には滑走路を離陸後1分程度で問題が発生しているように見えたからです。

フライトレーダーのグラフを見てみましょう。


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上の図が事故機の高度と速度です。グラフ中の青い線が高度です。離陸直後、2,000ftに到達した後に一時的に降下しています。そしてその後急上昇。5,000ft付近で水平飛行するような航跡をたどりながら最後は真っ逆さまに堕ちています。

下の図が前日の同じ便の高度と速度(対地速度)を表したものです。(事故機とは時間軸が異なることに注意して下さい。)

前日便の高度変化は非常に綺麗な直線状になっています。これは自動操縦(オートパイロット)が作動しているためです。通常は離陸後すぐに自動操縦を入れて一定の上昇率で上昇を続けるため、高度の履歴は滑らかになります(途中、上昇率は変化する)。

しかし墜落機の高度、速度の変化はどうか。とてもいびつですよね。この軌跡からは離陸直後に自動操縦が切れた、または意図的に切った、と考えることができます(或いは初めから入らなかったか)。

そして墜落直前までは5,000ft付近をフラついています。少なくともこの機体は、高度方向に関してはマニュアル(手動)操縦しているように見えます。

事故後、まだまだ不明確なことが多い中で、自動操縦が不作動であったという点は間違いなさそうです。離陸直後に何があったのか気になるところですね。

トラブルが発生した時、自動操縦を作動させないと操縦操作に手を取られて、トラブル対処に集中できません。なので、自動操縦が作動する場合は必ずONで飛ぶのですが(普通は常にONですが)、事故機では自動操縦が何らかの理由でONにならかったんじゃないか?なんてことを想像してしまいます。

「なぜ自動操縦が作動しなかったか」については、あらゆる原因が考えられるため、情報のない現時点での下手な推測はやめておきます。自動操縦が入らないのは真っ先に操縦系統のトラブルが考えられますが、操縦系統と関係する別系統のトラブルの可能性も考えられるため、現時点で確実なことは何も言えません。

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LCCはアブナイと考えるのは早い

事故原因の考察はその辺りにしておいて、ライオンエアとはどんな航空会社かというと、近年インドネシアで急成長しているLCCです。


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(Lion Air HPより)

旅客数では既に同国のナショナルフラッグキャリアであるガルーダ・インドネシア航空を凌いでいます。今やインドネシアと言えばライオングループと言っても過言ではありません。それくらい大きく成長している航空会社です。

僕はマレーシアでライオンエア子会社のマリンドエア(フルサービスキャリア)に乗ったことがありますが、それはそれはいいエアラインでした。


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急成長中のLCCとなると、「LCC=アブナイ」という色眼鏡で見る人がいますが、まだそう見るのは早いと思います。初期の機体にはトラブルがつきものだからです。墜落した737MAXは従来機の派生型なので、完全新型の787が出てきたときのようにトラブルは少ないはずですが、何らかのトラブルがあってもおかしくはありません。

というようにまずは中立的に見るべきでしょう。過去にバリ島で事故を起こした印象が強く残っていて「またライオンか」という風に見てしまっても仕方がない面はあるかと思いますが、僕は「LCCだから」という眼では見ていません。

事故原因が判明するまでには時間が掛かります。どうか「LCCはアブナイ」と思わないで欲しいと思います。例えパイロットのミスだったとしても、ミスを招くような設計に問題があった可能性もあります。航空機事故が「単一の原因」で起きるということは有り得ません。航空機は複合的な問題の末、それがどうしても解消できないときに初めて事故に至るものだからです。


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ちなみに、ライオンエアのHPはいつも赤色のところが、事故後は白黒になっています。)

いち早い事故原因の究明が待たれます。


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