8月に成都で泊まったホテルを紹介したいと思います。成都までは中国初の国産ジェット旅客機であるARJ21に乗りました。
ARJってのはこんな飛行機ですね。ミニMD-90です。
このARJの搭乗記はイカロス出版の月刊エアライン(2016年11月号)の記事としても世の中に出ています。という宣伝は置いておいて…。
成都空港で一番のトランジットホテル
成都では街に出るのはやめました。何故なら時間がないからです。夕方に成都に着いて翌朝の便で上海に戻らないといけないのに、成都の中心部のホテルなんかには泊まっていられないんですよ。それは時間を節約したいからなんです。コスト的にも市内に泊まると余計にタクシー代が掛かりますので、空港に泊まった方が有利です。そんなわけで泊まったのが成都空港大酒店という空港至近のホテル。成都空港の周りには、いくつかトランジットホテルがありますが、最もグレードの高いホテルが成都空港大酒店です。
ターミナルビルを出ると遠くに見えます。画面中央付近の建物です。
ここに行くには、道路の高架下を通って行かないといけません。
この高架下を通れるのかという不安がありましたが、どの方向へも横断歩道がありますので問題ありませんでした。空港関係者も制服のまま歩いていました。
横断歩道を渡るとホテルは目の前。結構大きなホテルですね。成都空港のトランジットホテルの中では一番大きくてグレードの高いホテルです。
豪華絢爛なホテルのロビー
さっそく中に入ってみましょう。ロビーは豪華な感じ。入った瞬間、テンションが上がります。
ロビーにはこんな風に小鳥さんもいます。ちょっとしたところに工夫がされており、目を楽しませてくれるホテルです。あくまでも見た目はですよ…。
続いてフロントの対応についてですが、第一印象として「英語は非常に弱い」と感じました。まず、スタッフの全員が英語を話せません。あと今回ばかりはミスが多過ぎました。チェックイン時にエアポートビューの部屋をリクエストし「OK」と言われたにも関わらず、空港とは反対側の部屋をアサインされました。「飛行機が好きだから、飛行機が見たい」って理由まで言ってるんですよ。それなのに空港とは反対向きの部屋でした。
また、フロントのお姉さんから「2台のクイーンベッドがいいか1台のキングベッドがいいか」と聞かれ「キングベッドがいい」と言ったにも関わらず、アサインされたのは2台のクイーンベッドの部屋でした。言葉が通じていないのか勘違いしているのか分かりませんが、ことごとくリクエストと反対の部屋をアサインされてしまい、非常にムカつきました。
部屋に着いて、「おいおいっ全然違うやないか!」って思ったので、クレームしようと思いましたが、何か言ったしたところでどうせ英語は通じないだろうし、きっと気分の悪い対応をされるんだろうなぁと思ったのでやめました。
基本、滞在は夜のみですのでエアポートビューじゃなくても我慢できますし、クイーン2台でもキング1台でも大差はありません。ここは心を広く持って「元々そんな部屋は空いていなかったんだ」と思うことにしました。
見た目はいいけど欠陥の多いお部屋
フロントの対応はハズレくじを引いてしまいましたが、ハード的にはとてもきれいなホテルです。お部屋のある階のエレベータホールもお洒落にまとまってます。
こちらがクイーンサイズ2台のお部屋。広さは十分です。デスクは壁に向いておらず、壁から出ていてドアの方向を向いているタイプです。このタイプ落ち着くんですよね。壁を向いているデスクには何となく圧迫感を感じちゃいます。デスクの向きは非常にポイントが高いです。
窓側から見るとこんな感じです。お風呂が透明のガラスになってますね。もちろんブラインドがありますので、見られたくない方はブラインドを降ろして下さい。
バスタブの横幅が狭い点が若干のマイナスポイントです。
もちろんシャワーブースもあります。しかーし、このシャワーブース。パッキンの締めが甘くて、シャワーを浴び終わったときには床が大洪水でした。あちゃー!って感じで慌ててバスタオルで拭きました。
たまにありますよね、ドアを閉めても漏れるシャワーブースって。困ったもんです。おかげでスリッパがご臨終になりました。もう一つあったので助かりましたけど…。
シャンプー類は緑茶の石鹸シリーズってのがイケてます。
アメニティキットも充実。いわゆる西洋のホテルでは部屋に歯ブラシがないことが多いですが、中国、台湾には基本的に置いてある場合が多いです。僕はどこに行くにもマイ歯ブラシは持って行きますので、置いてあると逆に「なんだよ、置いてあるのかよ、早く言ってくれ」と思ってしまうんですけど…。
ペットボトルのお水も置いてあって安心。しかしこのペットボトル、350mlくらいの小さなヤツなんですよ。1人ならば十分なんですが、2人で泊まるとちょっと足りない気がします。
続いて重要なのがコンセント。アダプタが必要なものだとアウトです。しかしユニバーサルに何でもつながるものが装備されていました。中国は色んな形状のプラグがあるので、どんなヤツも差せるようになっていると聞いたことがあります。コンセントはPC、スマホ、カメラ用と最低でも3つあるのが理想です。
机の下にもコンセントがありました。これだけあれば安心です。
続いてこんなものが…、
なんじゃこれはー!
ベッドサイドのテーブルに凄いものが入っていました。なんと酸素マスク。火事になったらこれを被って逃げろってことでしょうか。
かつてこんな用具が部屋に常備されているのを見たことがありません。さすが中国ですねぇ。しかし、よくよく考えてみるとハンカチで口を押えて非難するよりはうんと安全です。お客様の安心を一番に考えている素晴らしいホテルです。
ここで1つ大きな問題点を発見してしまいました。冷蔵庫が壊れてるんです。最初コンセントが抜かれており、「おいおいこれじゃ冷えないよな」って思いました。しかしコンセントを入れてもうんともすんとも言いません。「あ、壊れてるからコンセント抜いてあるんか」と気付きました。
色々書きましたが、このホテル、見た目はいいですが、ところどころに欠陥があります。フロントのお姉さんがことごとくリクエストと違う部屋をアサインしたり、シャワーブースを使うとびしょびしょになったり、冷蔵庫が壊れていたり、1泊2日、たかだか15時間くらいの滞在だったんですが、結構重大な欠陥が相次ぎ、やっぱ中国だよなぁ…と凹んでしまいました。
成都のような内陸まで行くと、やはりサービスの洗練度が落ちますね。上海のような都会に見られるきびきびしたホテルスタッフの動作はなく、ハードも「ま、不具合あるけどいっか」的なものが散見されます。
ちなみにこのホテルのお値段は一泊628元(9420円)。ところどころに欠陥はあるものの、ホテルのグレードの割には比較的安いと思います。どこの都市に行っても空港至近のトランジットホテルは1.5万~2万円くらいしますから。
レストランで揚州炒飯
お腹が減ったので、ご飯を食べにレストランに行きました。せっかく四川省まで来たんですから、本場の四川料理でも食べたいところなんですが、ホテルで一休みしてしまったらもう足が重くて動きません。「あー、ご飯食べるのもめんどくさいなぁ…。ま、ホテルの中で適当に済ますか…。」ってな気持ちになります。ま、外に食べに行くとしても空港しか行くところないんですけど…。「美園」と呼ばれるレストラン。1階のフロントの奥にあります。フラッと近寄って「何が食べられますか?」って聞いたら、180元だったか108元だったか、とにかく一律料金の「バイキングしかない」と言われてガックリきました。別にたくさん食べたいわけじゃないんですよね。
「え~っ!チャーハンとかないの?」と聞いたら、すぐに「アラカルトメニュー」を出してくれました。「メニューがあるなら初めから言えよ」って感じですが、こんなときは、すぐに引き下がらずに何が食べたいのか言ってみた方がいいです。基本的にホテルは何でも作れるわけですから。
渡されたメニューの中からすかさず揚州炒飯を見つけて、「これにします」と言ったらすぐに座席に通してくれました
こんな広い席に自分ひとり。さすがに寂しかったです。でも周りにお客さんはいませんでしたし、店員さんの監視がなかったため非常にリラックスできました。
出てきました。揚州炒飯。僕、中華料理を食べに行って困ったら揚州炒飯をオーダーするようにしています。大体どこの料理屋さんにもあるのが揚州炒飯。中国以外の国の中華料理店に行ってもたいてい揚州炒飯はありますので、迷わずそれをオーダーします。とにかく困ったら揚州炒飯、海外で僕はバカの一つ覚えのようにオーダーしてます。なんてたって味は保証付きですから。
日本の炒飯はこれが原点なんじゃないかと思っています。それくらい日本で食べる炒飯の味に似ていて、食べると何だかホッとします。
値段は48元(720円)。ホテルのレストランにしては安いですよね。中国も内陸まで行くと随分物価が下がります。上海のホテルなら1500円くらいしてもおかしくありません。
ひどすぎる売店
ご飯を食べて売店を物色しに行きました。朝5時から24地までの超ロング営業の便利な売店です。ペットボトルのドリンクやヨーグルトやアイスクリームなど、ちょっと飲みたい、食べたいものが色々と売っています。こんなお店がホテルにあると便利ですよね。もちろん四川省特産品も売っています。四川省は牛肉が特産品なんですかね?やたらと牛肉の商品が目立ちました。
しかしこの売店むちゃくちゃ店員の態度が悪いんすよ。入っても「いらっしゃいませ」の一つもなく、店員はスマホで見るテレビにかじりつき僕が入ってきたのも気づかないくらい。
レジに品物を持って行っても目はテレビを向いていて、僕の顔なんぞ一度も見てくれませんでした。言うならば、お金の処理だけしてくれるロボットみたいな感じ。いやー、ホントに酷い態度でしたよ。空港の売店ならまだしもホテルの中にこんな酷いスタッフがいるとは思いませんでした。中国のホテル、マジで侮れません。
そんで部屋に帰って一休み。
エアポートビューじゃない部屋の夜景。ちょっと面白くないですね。ということでおやすみなさい。
(~就寝中~)
朝は6時に起きました。
部屋からは朝陽が昇るシーンを見ることができました。スモッグが掛かった空気、まだ動き始めていないクレーン、まだまだ発展を続ける中国を象徴するような光景でした。
豪華な朝食バイキング
さぁ、朝食を食べに行きましょう。夜に炒飯を食べた美園というレストランで朝食です。ハッキリ言ってすごい品数です。先日紹介したマリオットアソシア名古屋の朝食バイキングよりもうんと多いです。マリオット推しの僕ですが、品数の多さではこちらが圧倒的な勝利です。
なんだかすごく雰囲気があります。高級感もあります。
サラダも美味しそう。怪しい野菜は並んでいません。日本で食べるサラダと同等のクオリティです。
何となく日本食にも見える中華小品たち。
フルーツはスイカやドラゴンフルーツがあると南国感が増しますよね。成都は別に南国ってほどのところじゃないですけれど…。
ハム類。
ベーコン、卵焼き、餃子にワッフルです。ぜーんぶ食べたいですけど、満腹になると機内食が食べられなくなるので注意しましょう。
飲み物も美味しかったです。朝は何だかんだ言ってオレンジジュースを選んじゃいますね。
ドーナツと言うか、お菓子パン類も充実。何だか目移りしちゃいますねぇ。
こちらは普通のパンたち。充実の品揃えです。
これだけの品があるのでさぞかしたくさん食べただろうと思われそうですが、そんな僕が取ったものはと言うと、
実は少食です。朝食付きプランだと欲が出ません。自分で積極的にお金を払う朝食だと、貧乏根性から「食べなきゃ損」って心理が働くんですが、朝食込みのプランだと心理的にかなり楽で、食べなくてもいいくらいに思えてきます。
先日のマリオットでは死ぬほど食べて帰ってきたわけですが、元々僕は朝食バイキングやラウンジではほとんど食べない人です。朝からたくさん食べると調子が悪くなりますもん。基本的に空腹の方が頭はよく働きますし、これから飛行機に乗るというのに、満腹じゃ機内食が美味しく食べられませんからね。
というわけで、大満足の成都空港大酒店の朝ご飯でした。
まとめ
総合的なこのホテルの評価ですが、先述したスタッフの対応と部屋の不具合以外はとても良いと思います。設備自体はきれいですし、部屋も広いですし、ご飯も美味しいです。愛想の悪い売店の店員は無視できる範囲内、全体的には1万円でこのグレードのトランジットホテルなら非常に優秀です。不満をタラタラ書いていますが、どうしても受け入れられない欠陥は実はありません。単に小言がうるさいだけです。僕の記事を参考にされる方は非常に稀かと思いますが、成都の中心部に行く必要がない人は、別に空港のトランジットホテルに宿泊してもいいわけですから、そうすると成都空港大酒店が第一の選択肢として挙がります。成田-成都線はANAも就航していることですし、地元の四川航空だって成田や関空から飛んでます。日本人にとって成都は身近な都市になりました。
成都での宿泊に困ったら、是非とも成都空港大酒店への宿泊をご検討下さい。