今回は武漢天河国際空港にある中国南方航空の国内線ラウンジの紹介&出来事について。(武漢-広州の搭乗記が先行してますので、まだ武漢にいることになっています。)
国内線ラウンジは2つある
僕の乗る飛行機はAゲートから出発するらしいんですが、チェックインカウンターのお姉さんに「ラウンジに行くためにはBゲートから入れって下さい。」と言われたので無理やりBから入ります。保安検査場のお姉さんに「アナタAよ」と言われても気にしません。すると目の前に行きなりラウンジが…。おぉ、ここか。立っているお姉さんにチケットを見せると、「ここじゃなくてこの裏です」と指を差されました。名前からするにこちらのラウンジはは言わゆるゴールドメンバーやシルバーメンバーが使えるラウンジ。これから行くラウンジはビジネスクラスやファーストクラスの乗客のためのラウンジのようです。
するとエスカレーターを発見。ここから下に降ります。
中国人になりきり騙しちゃえ
おぉ、あったあった。さっきのラウンジよりも立派なラウンジじゃないか。さぁ「ニィハオ」と中国語で話し掛けて中に入りましょう。
僕、中国語はしゃべれないんですけど、発音だけは一応得意です。大学時代の教養で中国語を履修していたので、発音のコツとかは把握しているつもりです。中国語の発音で超重要なのは声調。声調とは声の調子のことで高い音から低い音とに下がるとか、低い音から高い音に上がるとか、そういう音のパターンのことですね。声調をしっかりすれば結構上手に聞こえるのが中国語ってもんです。そんなわけで僕は発音だけはそれなりに出来るんです。これはモノマネ能力と言った方がいいかも知れません。外国語の発音はモノマネ、僕はそう思ってます。
「ニィハオ」という簡単な発音ならば、誰もが疑わない完全ネイティブ中国人レベルを実現できます。ポイントは「ハオ」の部分。一旦下に下がって上に上がるような感覚で少しタメながら発音するのがコツです。
係員のお兄さんは疑う余地もなく僕を中国語で案内してきました。確実に中国人だと思われてます。そこで次に完全ネイティブレベルの英語で”Sorry, I don’t understand Chinese”と言うと、顔が「えっ!」という驚きに満ちた表情に変わりました。
実はこの瞬間が楽しいんですよね。「うそっ!中国人じゃねぇのかよコイツ!」みたいな反応。中国に着いてからというもの、どこに行っても必ず中国語で話し掛けられるので、ちょっと遊んでみてるんです。「ニィハオ」で完全に中国人と思わせて、実は日本人というギャップ。それを少し楽しんでます。
やべぇ、搭乗券を持って行かれた
中国人じゃないとわかり、いきなりオドオドし始める係員のお兄さん。まくしたてるような早口だったのが、急に無口に変わってしまいました。“Boarding Pass”と言うので搭乗券を渡します。そのまま持って行かれたので「預かってくれるんですか?」と僕が言うと、オドオドしながら苦笑いを浮かべています。怪しいコイツ!人の搭乗券を持って行くなんて!ラウンジで搭乗券を取られるのは初めての経験です。さすがに搭乗券を持って行かれるとちょっと身構えてしまいますよね。「なんでですか?自分で持っておきたいんですけど。いつ返してくれるですか?」と詰め寄るとお兄さんはまた苦笑い。「これは会話にならないな」と思い、「僕を飛行機まで連れて行ってくれるってことですか?」と聞くと、「その通り!」と言わんばかりに「イエス」と答えてくれました。
実は、ラウンジから飛行機まで連れて行ってくれるパターンは、一つ前のレグである上海―武漢で経験済みなんですよね。だから持って行かれる理由がすぐに分かりました。上海では搭乗券を預けることはありませんでしたが、この武漢のラウンジでは、ラウンジにいる乗客がどこ行きの乗客かががわかるように搭乗券を預かるわけです。確かに、その方が乗り遅れることがなくていいですよね。ただ、初めての経験だと何となく疑ってしまいます。
ノスタルジックなラウンジ
それではラウンジ内の様子を紹介しましょう。ラウンジの中はこの通り。そこそこ綺麗です。しかしその中にもどこかノスタルジックな香りがしますねぇ。
ご飯コーナーも充実していそうです。
こちらがくつろぎのエリア。やはりノスタルジックな香りがします。はっきり言ってしまうとダサいというか…。
マッサージチェアのコーナーもあります。
こちらはオフィススペース。
こちらからはドリンク&ご飯のコーナーです。
とりあえず置いてあったものを全撮りしました。
実はどれも食べていません。何だかグロい系なので何だか食べる気がしないんです。ホントは1つ1つ食べてレポートしなければいけないのに…。それは今後の課題とします。前のレグで一応機内食が出たのでお腹が空いていなかったというのもあります。次のレグでも機内食出ますしね。
これ、名前的になんか凄そうな飲み物だったので飲んでみました。まさか台湾の「黒松沙士」のような湿布の味じゃないよね?と。
名前は「王老吉」。中国語の発音は得意ですが、すぐには読めません。とりあえず日本人には「おうろうきち」としか読めませんが、中国語発音は「ワンラオジー」ですかね?声調は分かりません。声調が分かればちゃんと読めます。
飲んでみた結果、お茶でした。しかも砂糖入り。中国では砂糖入りのお茶って普通にあるんですよ。サントリーのウーロン茶にも「無糖」と「加糖」があり、僕はいつも中国に来ると「加糖」を飲んでたんです。「お茶に砂糖?気持ちわりー」と思う方、紅茶に砂糖入れますよね。あれと同じです。ウーロン茶に砂糖を入れたら結局紅茶みたいな味になります。結構おいしいんです。皆様も中国に行かれた時には是非砂糖入りの普通のお茶をどうぞ。
ブラインド越しだが飛行機も見える
ラウンジからは一応飛行機も見えます。ただし、「王老吉」の写真にあるようにブラインドが掛かってますので、間から見る必要がありますが…。厦門航空のB737-800です。厦門は「Xiamen」ですが日本語では「アモイ」と言います。英語の放送では「シアメン」と言わなければいけません。「アモーイ」なんて言ってはいけません。
こちらは首都航空のA321。中国に来ると尾翼が赤くて黄色い流れるような帯が入っているようなマーキングの飛行機をたくさん見かけます。どこのエアラインも同じようなマーキングなので、正直よく分かりません。
中国語オンリーの放送に耳を澄ます
航空券を預かってもらった以上、自己責任という厳しい現実から解放されます。仮に居眠りをしてしまっても僕が乗り遅れたらそれはラウンジのスタッフのせいになるわけです。そういう意味で航空券を預かってもらうのは気が楽ですね。最初、非常に抵抗がありましたが、一旦そのメリットを理解するとこれ以上楽なものはありません。しかし、搭乗時刻に近づいてもなかなか呼ばれないので、必要がないのに時々入る放送に耳を傾けてしまいます。
ラウンジ内にだけ放送される、行き先と便名を告げるアナウンス。「~行きのみなさーん、行きますよー」と言っていると思われますが、僕に聞き取れるのは行き先のみです。早口の中国語の中から「グゥァンゾォウ(Guangzhou)」という発音だけを抜き出すような作業をやっていました。時間になればスタッフが呼びに来てくれるので、別に放送を聞いていなくても大丈夫なんですが、聞き始めると何だか面白くなってくるから不思議ですね。本場の中国語サウンドに耳を震わせながら、「グゥァンゾォウ(Guangzhou)」という音だけを追いかけていました。
搭乗時刻がさらに近づきますます不安になってきます。「まさか置いていかれてないよね?航空券預かってないとか言わないよね?」。中国では何が起こるか分からないので、僕はしびれを切らしてカウンターまで聞きに行ってしまいました。「広州行きってまだですよね?」と。「まだです。呼びますから待っていて下さい」。安心しました。
やっと「グゥァンゾォウ(Guangzhou)」が聞こえてきました。慌ててラウンジの入り口に行くと、他の乗客たちが集まってきます。ここでやっと搭乗券を返してくれました。ここからラウンジのお姉さんが機体まで連れて行ってくれるわけです。全員揃ったところで点呼、「イー、アー、サン、スー、ウゥ」とテンポよく数字をインクリメントしていきます。そんなわけはなくて、中国語オンリーで全ての会話が行われるので何が何だかさっぱりわかりませんでした。ま、僕はこの集団について行けばいいだけだなと思い、黙ってついていくことにしました。
そんな感じで、前に書いた搭乗記へ繋がっていくわけです。