イケてる航空総合研究所

飛行機の乗り方、航空旅行の楽しみ方、マイルの使い方、貯め方、航空事故の真相などなど。

中国南方航空B787ビジネスクラス搭乗記【武漢-広州】

デルタのマイルで「お得に」乗りたくて武漢まで来た

デルタ航空のマイルを使って乗る中国国内線。さっそく中国南方航空B787搭乗記を始めましょう。全体の旅程のおさらいは以下の記事をご覧下さい。

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さぁ武漢に到着しました。武漢までは中部から上海経由で飛行機に乗ってきたわけですが、そこまでの物語はまた別の機会に記事にします。まずはメインの中国南方航空の搭乗記からスタート!!!

武漢と言うとちょっとだけ中国の奥地に来た気がして何だかワクワクしますが、僕はこれから武漢の街に繰り出すわけでもなく、武漢に滞在するわけでもなく、まるで日本にいるかのように中国国内線に乗り継ぐだけです。「テメーの旅行はつまんねーなぁ」と思う方は、気が合いませんね。読むのをやめて下さい。

行き先は広州です。広州や深圳、そして香港は、隣り合う中国南部の大都市圏です。死ぬほど人が住んでます。ちなみに広州は広東省の省都、人口1300万人の巨大都市です。

あえて中国国内線でB787に乗る理由

乗るのは中国南方航空のB787。そのB787に乗りたくて武漢まで来たわけです。B787は中国南方航空の今最も新しい機材でもあります。実を言うとわざわざ武漢まで来なくても、関空-広州でも中国南方航空のB787には乗れるんですが、ビジネスクラスに必要なマイル数が往復60,000マイルと高いんですよ。一方で中国の国内線で乗れば往復35,000マイルで済みます。所要時間に差はあるものの、必要マイル数がほぼ半額ならば中国国内線で乗った方がお得ですよね。さらに往復では乗っていませんのでマイルは半額の17,500マイルで済んでいます。ビジネスクラスに乗るという目的を果たすだけであれば路線なんてどこでもいい。僕が武漢まで来たのはそういう理由です。

中国国内線は実は国際線機材の宝庫。中国-北米、中国-欧州で使われている機材が、長距離路線の合間を縫って国内線にも投入されています。それを狙って中国奥地まで乗り込んできたというわけです。

愛想悪すぎ!中国南方航空の優先チェックイン

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武漢は人口1,300万人の大都市ですが、空港はそんなに広いわけでもなく、狭いわけでもないです。とてもシンプルな作りで綺麗な印象の空港でした。

さぁスカイプライオリティのチェックインカウンターを見つけてチェックインをしましょう。

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このカウンター、色のセンス悪すぎじぇねぇ?しかも係員もめちゃくちゃ愛想悪くて焦りました。既に指定してある座席に対して、「隣って誰も来ませんよね?」と聞いたら、いきなり鼻で笑うんです。そして無言で「コレを見ろ」と言わんばかりに端末の画面を回転させてくるんですよ。「アンタ、こんな短距離路線でビジネス乗るなんて人いないわよ。空いてるに決まってるじゃない。」と言わんばかりに…。「その対応はねーだろ」と内心思いましたが、「ここは中国、日本の常識を当てはめてはいけない」とこらえました。

それ以前に僕がカウンターに近づいて行っても一切僕のことを見ません。下を向いてスマホをやっていました。2人いる女性は2人とも終始うつむいたままで、僕がカウンターの前に立ってやっと「あ、いたの?」と気付いた感じです。上海のときには感じなかった伝統的な共産主義の空気を感じました。上海が都会的で洗練されており、武漢はまだ田舎臭いからなのか。その真相は分かりませんが、国際都市と呼ばれるレベルの都市から遠ざかると、とたんにサービスが悪くなるというのが中国という国であるような気がしました。

保安検査場を抜けてラウンジに行きましょう。中国の国内線は身分証明書を見せないと通してくれません。面倒くさい話なのですが、パスポートを見せることによって中国人ではないことがわかるので、最初から英語で話し掛けてくれるのが非常にありがたいです。中国に来てまだ半日しか経っていませんが、とにかく話し掛けられる第一声が中国語なので、結構しんどいんです。「ごめん、わからない」と言ってからやっと怪しい英語での会話が始まります。その点、保安検査場では中国語で話されることはなく、「ごめん、わからない。」と言わずに済んだのは助かりました。中国語で話かけられるとホント面倒なんですよ。

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「アンタの便はBゲートじゃなくてAゲートから入らないとダメよ」と言われたのですが、チェックイン時に「飛行機はAゲートですが、ラウンジに行くならBゲートから入って下さい」と言われていたので話は早く済みました。「いや、僕はラウンジに行きたいのでBから入ります。」と言うと、「あっそう」と変な顔をされてそのまま通してくれました。

えっ?飛行機まで連れて行ってくれるの?

中国南方航空のラウンジは上海と同じく、出発ロビーよりも1つ下の階にありました。

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ラウンジはこちらの記事で紹介しています。

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出発時刻が近づくと広州行きの乗客が呼ばれてラウンジ前に整列、点呼が取られました。どうやらお姉さんが機体まで僕たちを連れて行ってくれるようです。えっ、そんなサービスがあるの?と思われる方、嘘じゃないです。本当です。

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こんな風にぞろぞろついて行きます。どこに行くのかよく分かりません。ゲート番号は分かっているので自分で行けます。なのになぜ???

日本やアメリカでは考えられない手厚い?サービスに驚くばかりでした。実は武漢の前に立ち寄った上海の浦東空港でも同じだったのですが、どうやら中国ではラウンジから飛行機が遠い場合、係員が機体まで連れて行ってくれるのが流儀のようなのです。

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秘密の扉を鍵で開け、エレベータを降りるとバスが待っていました。これで機体まで連れて行ってくれます。

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僕の乗るB787にはてっきり沖止めでタラップが付いていると思いきや、ボーディングブリッジが付いていました。「中国ではこういうパターンもあるのか!」と新鮮な驚きでした。バスで飛行機まで連れて行ってくれるパターンの99%は沖止めでしょう。沖止めとは、文字通り、ボーディングブリッジが付かず、空港の何もないところに停められていて、タラップ車をドアに付けて乗り降りする方法を指します。沖止めではないのにバスで連れて行ってくれた経験はこれが初めてです。

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ボーディングブリッジ付け根付近の階段から上へ登ります。

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階段を登った後は普通にボーディングブリッジから搭乗です。僕はリュックサック1つの身なのであまり関係ないのですが、大荷物を抱える人達は、階段を降りてバスに乗り、再びボーディングブリッジ横の階段を上がらないといけません。結構大変だと思います。特別扱いしてくれるのはいいのですが、やや面倒くささを感じます。そんな辺りに中国の抱える大きな矛盾を象徴しているようでした。

いよいよ憧れの中国南方航空B787機内へ

B787のウリであるNo.2(前から2つ目のドア)ドアから搭乗します。

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No.2ドアは天井が高く天井がLEDの間接照明で照らされ、まさに最新鋭機を思わせるエリアです。各航空会社はB787をアピールしたいとき、必ずNo.2ドアにタラップを付けます。No.2ドアはB787の第一印象を最もよくするドアだからです。

もう一つ、No.2ドアから乗り込むメリットはビジネスクラスとエコノミークラスの乗客を分けることができる点でしょう。ビジネスクラス客は左側、エコノミークラス客は右側に流れて行きます。

ただ、B787の場合、特に長距離路線用のB787であれば、No.2ドアの右側のゾーンにもビジネスクラスを設置しますので、No.2ドアの右側に座席を取ってしまうと、ドアが閉まるまでエコノミークラスのお客さんがゾロゾロと横を通り過ぎていくことになります。もっともB787に限らずどんな飛行機でも必ずしもNo.2ドアにボーディングブリッジを付けるわけでなく、No.1ドアに付けることも多いですので、このゾロゾロ問題は必ず発生します。まぁ、あまり気にしても仕方がない問題かも知れませんね。

えっ?!ビジネスクラスこんなに広いの?

これがNo.2ドアの右側のビジネスクラスです。

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シート配列は2-2-2の普通の2席並びの前向きビジネスクラスです。一見普通に見えますが、これが予想外に広いんです。

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僕の座席14A。2列並びのビジネスクラスというと、ライフラット(斜め180度)と勝手に想像し、リクライニングをすると足元の部分が前の座席の下に入り込んで行くようなイメージを持ってしまいそうになりますが、このシートを見る限り、そんな構造ではなさそうです。シートピッチは非常に広く、足元には何やらオットマン的な部分も見えます。前の座席の下に足が潜り込まない時点で、既にライフラットとは違う一世代進んだビジネスクラスシートなのです。

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自席からキャビン全体を眺めると本当に広く感じます。その要因は何でしょうか。写真を見て気付きますか?

真ん中のオーバーヘッド・ストウェッジがない!

というわけです。ビジネスクラスであれば座席数が少ないため、真ん中席の人が両脇のオーバーヘッド・ストウェッジに荷物を入れたとしても充分に荷物スペースがあります。真ん中のオーバーヘッド・ストウェッジは無駄なスペースとなってしまうだけなのです。その無駄に気付き、じゃあキャビンを広く見せましょうと考えたわけですね。

天井高を高くするとキャビンがとても広く感じ、ビジネスクラスの格調が一段も二段も上がります。いやー本当に広いキャビンはいいですよ。スタッガードやヘリンボーンのビジネスクラスだとせっかくの広いキャビンが閉鎖的に見えてしまうので、このキャビンはある意味、最近のトレンドに反するキャビンと言えます。スタッガードやヘリンボーンよりこちらの方がいいかも。正直そう思ってしまいました。

ちなみにこちらがB787のシートマップ。

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前方にファーストクラスがあり、その後ろに2列のビジネスクラス、そしてドアを挟んでまた2列のビジネスクラスです。ビジネスクラスは4列×6=24席装備されています。長距離仕様の機材なのに意外と少ないです。

シートの詳細はこちらの記事をご覧下さい。

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乗客が少ないからサービスが過剰

さて、僕が乗り込むと、さっそくクルーが近づいてきて、「ジャケットお預かりします」とか「ウェルカムドリンク何にしますか?」とか「スリッパ使ってくださいね」とか色々話し掛けてきます。僕が写真を撮っていたので、「写真を撮りましょうか?」とも言われて正直困りました。僕はこの出発前の時間に賭けてるんです。この時間にいろんな角度から写真を撮りたいんです。なので実は一人にして欲しいんですよ。

いちいち話し掛けんじぇね~よ。

しかしそのことを別の角度からとらえると、とてもサービスがいい証拠でもあります。乗客数が少ない(僕のコンパートメントには2人のみ)場合はサービスが手厚くなるのは当然ですが、日本のエアラインに劣らない水準のサービスだったように思います。

夜間フライトはつらかった

定刻の出発時刻は20時35分。その約20分前にはプッシュバックを開始し、予定よりも早く離陸しました。夜間はどうしてもシャッタスピードが落ちてしまうため、タキシー中の他の飛行機の撮影は困難を極めます。

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結局、地上滑走で振動する機内からでは満足に被写体を止めることができず、上手く撮れたのは離陸前に一旦停止したこの瞬間だけでした。

また、中国南方航空のB787の全景を撮れなかったのも非常に残念です。バスで連れてこられたこともあり、ターミナルの窓越しに取るチャンスを失いました。やはり乗った飛行機の全景は撮りたいものです。バスが機体に近づくときにも撮ろうと思えば撮れるのですが、夜だとやはり厳しいですね。手ブレは避けられません。

中国人クルーのフレンドリーなサービス

離陸してベルトサインが消えるとすぐに座席のリクライニングを倒して写真を撮りました。飛行時間が短いため、やるべきことは早いうちにやっておかないといけません。しかしすぐに「お食事のご用意をさせて頂きます」とクルーが話し掛けてきました。僕が「ごめんなさい、後にしてもらえますか?」と言うと、「しかし、飛行時間が短いですので、今お出ししないと…」。「じゃあ3分だけ待ってもらえませんか?」と僕が言うと、「OK」と笑顔で答えてくれました。

クルーとしては「テメー何やってんだよ。早くサービスさせろよ。メシ食えなくなっちまうぞ」という気持ちなんだろうと思います。「後にして欲しい」と言われてもいつになるか分からりませんから、クルーとしても不安になりますよね。そこで僕は「3分」という具体的な数字を出しました。そしたらすんなりと受け入れてもらえました。「コイツ、困ったヤツだなー」としかめっ面だったクルーの顔が「あと3分」と言った瞬間、明るくなったのがわかりました。人間待つとき、待ち時間が分かるとストレスが減りますよね。まさにそれでした。客側としてもなるべくクルーの仕事のペースを考えてリクエストすべきだと感じました。

3分後。さっきのクルーがキャビンの前のカーテンを少し開け、僕に向かって首をかしげながら親指を立てるサインを出してきました(Facebookのいいねマークと同じ)。「食事出してもOK?」という意味です。僕も同じように親指を立てるポーズを取って「準備完了」という合図を送りました。日本人クルーにはないフレンドリーな立ち振る舞いに、非常に好感が持てました。そのクルーは終始僕にとても愛想よく接してくれ、「明日は南方のA380に乗るんだ」と言うと、降りる時に「明日のフライトも楽しんで!」と言ってくれました。

乗る前には、「中国国内線のサービス、特にクルーの態度や愛想はビジネスクラスでも実は悪いんじゃないか?」と疑っていた僕ですが、その心配は取り越し苦労でした。ビジネスクラスでは世界標準の、いやそれ以上のサービスが受けられたと感じます。

食事はあくまでも軽食レベル

そして出てきた食事がこちら。

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がっつり夕食とまでは行かない「軽食」のレベルです。焼き餃子に肉まん、揚げたお餅のようなものが載っています。それにナッツとフルーツ、月餅のようなお菓子がついてます。

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フルーツは何だか豪華です。結構夜が遅いのでこのようなフルーツはありがたいです。ガッツリ食べられない時間ですから。

ご飯を食べ終わり座席をフラットにして寛いでいると、すぐにベルトサインがオンになりました。すぐにさっきのクルーが現れ、「間もなく着陸ですので座席を戻して下さい。」と。

「(飛行時間が)短すぎるよ!」と僕が言うと、「もっと長い路線で乗って下さいね」とこれまた満面の笑み。フレンドリーな中国南方航空のクルーにちょっと惚れちゃいました。

定刻より早く到着

ディセンドが始まり、機内の照明を暗くされてしましました。

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日本時間でもうすぐ23時。いつもなら寝る体制に入っている時間。朝は7時15分発の飛行機に乗ってきていますので、一日が非常に長く感じました。

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定刻の22時15分より少し早い22時3分。広州白雲国際空港に到着しました。

中国南方航空B787搭乗まとめ

初めて乗った中国南方航空のB787、機内の快適性は抜群でした。スタッガードやヘリンボーンなどの個室タイプの座席の場合、どうしても壁に囲まれた窮屈さを感じてしまうのですが、2-2-2の伝統的な配置では、その壁(パーティション)がないため、広さが際立ちます。真ん中列のオーバーヘッド・ストウェッジをなくしてより天井を広くしたのも相乗効果として加わっていました。

前の座席の下に足が入らないタイプのシートのためシートピッチも広いです。中国南方航空のB787は2-2-2配置を極めた最終形と言えます。

また、先にも書きましたが、クルーのサービスについても中国南方航空のレベルは総じて高いと感じました。もちろんビジネスクラスだからというのはあるかも知れませんが、その分を割り引いてもコミュニケーションレベルはかなり高いです。正直なところエコノミークラスでどんなサービスが行われているか不明ですが、ビジネスクラスだけを見れば最もレベルが高いとされる日本のエアラインに匹敵するものがありました。クルーの一人が、僕の行動を常に気に掛けてくれ、短いフライト時間の中でもタイミングを図ってくれるのがとても嬉しく感じました。

中国南方航空で「広州経由世界へ」という選択肢

中国で最も大きなエアラインが中国南方航空です。実は世界でも3番目に大きなエアラインなんですよ。1位はデルタ航空、2位はサウスウェスト航空、3位が中国南方航空です(旅客数ベース)。世界三大キャリアの1つが中国のエアラインと言うと、一昔前までは驚き以外の何物でもありませんでしたが、人口の多さと発展のスピードを考えると、いまや当然の流れと言えるでしょう。中国南方航空は、その名の通り中国南部を中心とする路線網を持っていますが、最近では南部だけではなく中国北部からも路線拡大を行っています。

例えば日本から香港を経由してどこか他の都市へ飛ぶというのは、昔からよく行われてきた乗り継ぎ方法ですが、最近では中国南方航空が広州経由という選択肢をもたらしています。新型機B787は広州からロンドンに飛んでいます。これからもっと路線を拡大していくに違いありません。今回、中国南方航空のB787に搭乗してみて、香港経由ではなく広州経由という選択肢もありだと確信をしました。もちろんB787に乗らずとも、広州を経由すれば世界の色々なところに行くことができます。香港のキャセイもいいですが、お隣広州の中国南方航空もありますよ。今回はその選択肢に気付いた旅と言えるでしょう。是非一度、世界で3番目に旅客数の多い中国南方航空のネットワークで旅をしてみて下さい。

(この後の出来事はこちら)

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