多種多様な客層の屋久島線
鹿児島=屋久島間の空路は40分の所要時間。1日4~5便が運航していて非常に便利な路線だ。生活路線であるので、多くの地元の人が乗っているかと思いきや、スーツ姿のビジネスマンや作業着姿の人、もちろん観光客も乗っているので、鹿児島より手前の各地から乗り継ぐ乗客もそれなりに多いのだろうと想像がついた。客層は多種多様で観察していて面白かった。運賃は前日に購入すると片道16,000円程度と結構高い。隣の鹿児島=種子島間は片道1万円のため、「その差はどこにあるのか?」と疑問も感じる。種子島には宇宙センターがあり、屋久島よりビジネス客が多いと思われるため、割引率を高くして海路ではなく、空路のメリットを感じてもらおうとする作戦なのかも知れない。
その点、屋久島は運賃を高くしても乗ってくれるということだろうか?
ATRへの初搭乗
さて、鹿児島=屋久島路線の機材はATR72だ。
(屋久島空港到着時に撮影)
ここ10年くらいで日本の空はボンバルディアのダッシュエイト(DHC-8)からATRへと一気に勢力が入れ替わった。今回、そのATRに初めて乗る機会になったので、「ダッシュエイトと何が違うのか?」ということには非常に興味があった。とは言え、「そんなに変わらないだろう」と高をくくっていた部分もある。
しかし、乗って感じたのは「全然違うではないか!」ということ。
なんと後ろから乗る
まず乗り方が全然違った。(復路の屋久島空港出発時に撮影)
なんとATRでは後ろのドアから乗降するのだ。前日に座席指定すると、なんと前方窓側に空席があるではないか。帰りの便も同じであった。僕は前日にも関わらず、往路は2D、復路は1Dに座ることとなった。前日は「たまたまだろう」で済んでいたが、乗る段になってようやく合点が行ったのである。
そう、前方窓側は最も乗りにくく降りにくい席だったのだ。「そりゃ前日まで空いている」と納得ができた。前方席は最初に乗らないと途中で詰まって進めないし、降りるときも最後になるという罰ゲームのような席だったのである。また、トイレは前方になく後方のみ。前方は貨物室になっておりギャレイもない。これを知っていたら僕は後方席を選んでいたと思う。
ボーディングブリッジ不可
さらにこの後方からしか乗降ができない仕組みは、屋久島のような超ローカル空港では問題ないが、それなりの大きな地方空港ではデメリットにもなると感じた。そう、ボーディングブリッジが着けられないのである。
「対抗馬のダッシュエイトはボーディングブリッジが付くぞ!」と言ってやりたい。新千歳や仙台空港などではダッシュエイトにもボーディングブリッジが付いたと記憶している(セントレアはどうだったか?)。
僕はエプロンに降りたい派なのでどちらでもよいが、早く乗りたいビジネスマンたちはきっとボーディングブリッジが良いはずだ。しかしATRの場合は後ろのドアしか開かないので、ボーディングブリッジを付けようがないのである。
本当に、絶対に、ボーディングブリッジが付けられないのかというと、やっぱり付けられない。
この通り、前方の左側ドアは非常口だから。
そして貨物室は前方にある。これでは絶対に前のドアは開かないのである。
ちょっともったいない気がした。
以上、ターボプロップ機でもダッシュエイトとは全然違う。やはり乗ってみないと分からないのだ。
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