中国線なのに長距離用機材
今回は2019年1月に乗った北京=羽田線NH962便の搭乗レポートをお送りしたいと思います。NH962便は北京を15時15分に出発し、羽田に19時35分に到着する便です。東京羽田行きの表示。東京の「東」は簡体字になっているので、簡体字を知らないと「どこ?」ってなってしまいますね。「羽田」で何とかわかりますか…。ちなみに下の旧金山は「サンフランシスコ」です。
機材は777-300ER。堂々の300ERということは普段は欧米線で活躍している長距離国際線機材です。787がTrent1000のエンジン問題で減っているせいでしょうか?
いや、でも数年前にこの路線に乗ったときも777-200ERが飛んでいました。北京線は中国路線でも堅いビジネス路線なので、777を入れているんでしょうか?その辺りの事情がよくわかりません。
圧巻のビジネスクラスキャビン
ゲート前にスタンバイしてほぼ一番に機内に入ります。この機材にはNo.2ドアの後ろから主翼の後ろぐらいまでビジネスクラスとなっています。エコノミークラスはほんの少し。ものすごく豪華な機内仕様なんですよ。
Bコンパートメントの後ろから。圧巻のスタッガードですね。
そしてさらに後ろにもビジネスクラスがあります。
このゾーンにも3列のビジネスクラスが配置されやっとここで終わりです。
僕の席は21K。ビジネスクラスの一番後ろの座席を取りました。一番後ろがやっぱり一番落ち着きますよね。
ビジネスクラスの後ろにはプレミアムエコノミークラスが付いています。そしてやっとその後ろがエコノミークラスです。
たかだか3時間程度のフライトなのに豪華すぎます。
僕の席からの窓の眺めです。一番後ろのビジネスクラスが主翼の後端ということは、いかにビジネスクラスのゾーンが多いかがわかりますよね。この後ろからNo.4ドアまでプレエコが続きますので、エコノミークラスはNo.4ドアとNo.5ドアの間にしかありません。
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すごい中国人クルー率
時代は変わったなーと思うのは、この便のクルーでした。半分くらいが中国人クルーなんじゃないかと思うくらいの中国人クルーの多さ。乗客も8割以上が中国人じゃないかと思うくらいでした。L2ドアで出迎えてくれたのも中国人クルー。僕の担当も中国人の女性クルー、反対側の列も中国人の男性クルーでした。乗ってから降りるまでほとんど日本人クルーと話をしていません。
せっかくANAに乗ったんだからきめ細かい日本人のサービスが受けたいと思ったんですが、あれはあれで何となく「重たい」んですよね。結果的に中国人クルーのサービスくらいがちょうどいいんじゃないかと思ってしまいました。
ANA国内線のプレミアムクラスに乗ると受けられる挨拶に象徴されるように、搭乗の挨拶とか何だか肩肘が張っちゃいませんか?日本人クルーだと丁寧過ぎて緊張しちゃうんですよね。フレンドリーなCAさんならいいんですが、過度に腰が低い人とか、マニュアル通りにしか話せないCAさんとかだと、何となく話しづらい感じがあります。
日本人CAさんって、国内LCCや国内フルサービスキャリアの普通席の場合だと対応がとても冷くて、反対に国際線のビジネスクラスになると途端に丁寧になって、ちょうどいい感じのところがない気がしているんですよ。
そこで来るちょうどいい感じなのが中国人クルーなわけです。なんとなく言葉遣いも日本人より丁寧じゃなくて、ぶっきらぼうに「はい、わかりました」みたいな感じに返事をされちゃうと逆にホッとしたりします。
日本人に厳しく外国人に甘い
日本人は日本人クルーに対して過剰な期待をしているんですよ。少々抽象的になりますが、「日本人だからそれくらいの気遣いができて当たり前だろう」みたいなね。でも外国人クルーに対しては、「まぁ外国人だから日本的なサービスができなくても当たり前だろう」と甘くなってしまうんですよ。同じサービスを受けたとしても、日本人の場合は「残念」な印象が残り、外国人クルーの場合は「上出来」な印象が残ることがよくあります。要するに自分の中の期待値が日本人相手だとかなり上にあり、外国人クルー相手だとかなり下にあるということなんですよ。この無意識な感覚、恐らく僕だけじゃないはずです。
以前、「日系エアラインって緊張するんだよねー。外資系エアラインの方が気楽に乗れる気がする。」と言っている人がいました。クルーとの関わり合い方について言っているんですが、日本人クルーには何となく監視されてる気がするし、客をマウンティングして接客している気がする。一方で外国人クルーは適度に放任主義で、あんまり客に対する差別感もなくて、気軽に接することができる。という意味のようです。(女性から聞いた話です。)
これ、すごい、わかります!
何なんでしょうね、この感覚って。特に国際線のビジネスクラスでその感覚を強くします。日本人クルーのサービスって重たいんですよ。一方で外国人クルーのサービスって軽くていいです。
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この便では僕を接客してくれたのは常に中国人クルーだったので、何となくいつもの緊張感はなく、むしろ外資系(中国系)エアラインに乗って、日本語ができるクルーに当たったような感覚でした。
こんなANA便もあるのか。とすごく斬新でした。
新しいセーフティビデオ
ANAが満を持してリリースさせたセーフティビデオの歌舞伎バージョン。ちょうどリリース直後ということもあり興味深く拝見しました。第一印象はとても硬派な感じ。最近コメディ調のセーフティビデオが流行りですが、やや面白い場面はあるものの至って真面目な内容でした。
こんなシーンは外国人にはウケがいいかも知れませんね。総じてよくできているとは言うものの、日本人にとっては若干面白味に欠けると感じてしまいました。
だからと言って日本のエアラインでセーフティデモをコメディ調にしてしまうと、ANAを神格化している一部乗客から叱責が飛ぶ可能性があるので、なかなかそちら方面へシフトチェンジできない事情もあるのでしょう。
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中国線でも牛肉が出た
北京空港混雑のため、時間が大幅に遅れるか?と思いましたが、意外とスムーズに離陸。北京空港の混雑は時間帯によります。離陸右旋回をして上昇。氷点下に凍てつく大地ですが雪が全く降っていません。乾燥した大陸性の気候なんだなぁというのを実感させられます。
ご飯までお茶とあられで時間稼ぎをします。
メインは洋食をチョイス。洋食は牛ほほ肉のプレゼでした。僕、ほほ肉のプレゼが好きなんですよね。ステーキとは行きませんが、牛メニューに大満足でした。中国路線で出る機内食はせいぜいチキンか魚だと思っていたので、ちょっと驚きでした。ビーフもあるんですね。
デザートはハーゲンダッツ。スゴクカタイアイスで食べ始めるまでに非常に時間が掛りました。
おススメ路線です
日が暮れ、それはそれは綺麗な紫色に染まります。夕暮れ時の空って本当に綺麗です。
はや到着。TYOKO INTERNATIONAL AIRPORTの文字がくっきり浮かび上がります。
総じて平均的なフライトでしたが、中国人クルーのサービスが心地よいと感じたフライトでした。もう1つ良かった点を言えば長距離国際線機材だったこと。これがスタッガードではないの787だったら乗っていなかったでしょう。
短距離国際線なのに長距離路線の感覚を味わえるこの路線、密かにおススメです。記事執筆時点でも羽田=北京線に飛んでいますので是非ともスタッガード・ビジネスクラスのご利用をお待ちしております(笑)。
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