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イケてる航空総合研究所

飛行機の乗り方、航空旅行の楽しみ方、マイルの使い方、貯め方、航空事故などなど、全部教えます。

広州のタクシー運ちゃん、道知らず逆ギレ! ~恐怖のドキュメント&学んだこと~

旅行記 中国

これから書くのは、この搭乗記↓の後の出来事です。

flyfromrjgg.hatenablog.com

前回の記事に書いた旅行とは全く無関係です。それよりも前の話です。その旅行では中国南方航空のB787に乗るため、武漢から広州へ飛んだのでした。

これから、広州に到着後に起きたトラブルの一部始終をドキュメント形式で書きたいと思います。怖かったです。本当に怖かったです。

トランジットホテルという罠

僕は広州到着後のトランジットホテルとして、ホリディイン広州エアポートゾーンというホテルを取りました(Holiday Inn Guangzhou Airport Zone:広州富力空港暇日酒店)。ポイントを貯めているIHG系で、空港の近くで、安くて、と言う条件で探したら自動的にそこになったというわけです。空港からホテルまで無料シャトルバスがあるとHPに書かれていたことも決め手でした。今となっては、もう少しまともなホテルを取れば良かったと後悔しています。

正確に言うとホテルが問題だったんじゃないんです。ホテルの知名度の低さが問題だったんです。誰もが知っているホテルを取る。それが今回の教訓の1つだったと思います。と言うか、冷静に考えれば、僕の無防備さの方がよっぽどの問題だったんですけれど…。

誰もホテルの名前を知らないという悲劇

到着ロビーを出てとりあえず無料シャトルバス乗り場を探しました。「色んなホテルへのシャトルバスが出てるところに行けば見つかるでしょ」。僕は成田空港のように日本の空港のバス乗り場と同じ感覚でいました。それが間違いでした。色んなホテルのシャトルバスが出ているバス乗り場に行っても、「広州富力空港暇日酒店」と書いたバス停は見つかりませんでした。

バス停で案内をしているお姉さんにも聞きました。「広州富力空港暇日酒店行きのバスってどこから出てますか?」と。しかし誰に聞いてもホテルの名前すら知りませんでした

ただ一人、案内所のお兄さんがとても親切にしてくれました。なんとそのお兄さんはホテルに電話をしてくれました。そしたら「ここじゃない。16番ってバス停。次のバスは23時ちょうどに出るから」と、そして「上に上がってこっち」と指で教えてくれました。その時は「助かった~」と思いました。

しかし指差しだけでは分かりませんでした。指を差した方向が隣のターミナルだったので、僕は「あっちの建物なのか」と一瞬で勘違いをしてしまったんです。長い距離を歩いて隣のターミナルに行きましたが、バス停を見つけることはできませんでした。人に聞くたびに違う場所を指示されるんです。「16番はこっち」。別の人に聞くと「16番はあっち」。皆知らないくせに知っているかのような案内をするんです。中国人とはそう言う国民なのだと、このとき初めて気が付きました。

既に飛行機の到着から1時間が経っていました。空港内をウロウロしたため汗だくでした。

もう無理!タクシーに乗ろう

僕はそう心に決めました。しかし、それが更なる悲劇の始まりでした。シャトルバス乗り場を探してさまよった挙句、さらにトラブルに巻き込まれる。踏んだり蹴ったりとはこういうことを言うんです。

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タクシー乗り場では15分くらい待ちました。とにかく人が多いんです。中国は半端ない。タクシーの数と乗客の数が釣り合ってないんです。

やっと僕の番が来たので、タクシーの運転手にホテルの予約の紙を見せました。

するといきないり乗車拒否。

どうやらホテルの名前を知らないらしいんです。もちろん場所も分からないみたいです。直後、タクシーはスーっと逃げようとしました。しかしすぐにタクシーはガラの悪いオジサン(空港職員)5人くらいに囲まれました。そこで押し問答になりました。

「テメー逃げんなよ。ちゃんと客乗せろ。さもないと空港入場証明出さねーぞ。」

中国語は全く理解できませんが、そんなようなことを話していたんだと思います。絶対そう。理解できなくても雰囲気でわかります。ハッキリ言ってケンカでした。見ているだけで怖かったです。

ちなみに僕の後ろの人達は、僕が取り残されてるのを尻目に、次々にタクシーに乗り込んでいきます。結局、僕だけが浮いてしまいました。

ガラの悪いオジサンたちは僕を指差して、「テメー乗れや!」と怒鳴ります。もう乗らないとらちが明かない雰囲気です。日本語で「オレ、乗りたくないって」って大声で言ったんですが、今度は背中をそっと押されて、「オイ、乗れよ」と低い声で言われました。もう乗るしかありませんでした。

事件に巻き込まれる人の心理が痛いほどわかった

よく犯罪のニュースを見ると「なぜ逃げられなかったんだろう」と思うことがよくありますが、「きっと本人はこういう心理状態に追い込まれたんだな」というのがよくわかりました。もちろんそれは今だからわかることなんですが、僕は明らかに心理的に逃げられない状況に追い込まれていました。頭が真っ白になっていました。とにかく怖かった。しかし逃げることができませんでした。

最終的に僕は、言葉の通じないタクシーの運ちゃんと2人きりになりました。相変わらず運ちゃんは怒っています。もうカンカンです。「なんでオレがテメーを乗せなきゃいけねーんだよ!」「そんなホテル知らねーよ!ボケ!」きっとそう怒鳴っていたんだと思います。

自分のスマホを使って場所を調べればいい。そんなこと頭にもよぎりませんでした。

高額運賃を吹っ掛け、名札を抜いて怒鳴り散らす

「トゥーハンドレッド」。突然運ちゃんは英語を話し始めました。恐らく「200元払えば連れてってやる」という意味です。そして大声で怒鳴りながら、ダッシュボードの自分の名札を抜き去りました。名前がバレると困ると思ったからでしょう。この調子だと、突然「降りろ!」とか言われて放り出されることも想定されます。本当に怖かったです。

車はノロノロ運転で空港のゲートを抜け、真っ暗な中を当てもなく走っていました。人生ここで終わりかも…。真剣に思いました。暗い夜道に、言葉が通じない人と2人きりというのはとても恐怖を感じるものです。

ホテルに電話

なんとか事態を打破せねばならないと思いました。あ、スマホ使えばいいんじゃん。っつーか運転手もスマホくらい持ってるよね?

「ここに電話して」。僕は紙に書かれた小さな電話番号を運ちゃんに見せました。運ちゃんも少し冷静になり、自分の電話を取り出しました。やっぱり持ってんじゃん!初めからそれ使えよって感じです。

運ちゃんはブチ切れながらもホテルの人と話していました。「オメーのホテルどこだよ。知らねーんだよ。遠いのか近いのか?」。すぐに会話が終わりました。それでも運ちゃんは場所が分からないようでした。住所を口で言われても分からないようなんです。

もうだめだ。自分で電話するしかない。こんな時、パケット通信をしてGoogle地図を見せれば早いんですが、お金も時間も掛かるのでとりあえず電話を使いました。運ちゃんではなく、僕がホテルに電話をしたんです。ホテルの人に事情を説明しました。「空港からホテルまでタクシーに乗ったんですけど、運ちゃんが場所を知らなくて困っています。何とか道を教えてあげてくれませんか?今電話代わりますから」。そう言って僕は自分のスマホを渡しました。再びキレながらホテルのスタッフと話していました。分かったような分からないような返事でした。

しかし運ちゃんは随分と冷静さを取り戻していて、何やらスマホで操作を始めました。ついにナビ機能を使い始めたんです!

っつーか、それできるなら初めから使えよ。

遂にホテルを見つけた!

地図でホテルを見つけてくれました。これで一安心です。車はナビの案内に従って走り始めました。やればできるじゃん。僕はIT機器を何も操作できない運ちゃんだと思っていたんです。確かに操作は不慣れでした。しかし、何とかホテルの場所を見つけられたようでした。僕も後ろからその地図を遠目で眺めて、「表示されている場所が間違いなく目的地だ」という確信を持ちました。自分の知っている中国語で「好的(ハオダ)」と言って、「Good」というニュアンスを伝えました。

しかし気がかりは料金です。中国語で料金交渉などできるわけがありません。「200元払え」と言った運ちゃんに対し、僕はいくら払えばいいのかを考えました。

そうだ、ホテルに料金を聞けばいいんだ

僕は再度ホテルに電話しました。「あの、さっきの日本人ですけど、運ちゃんがメーター使ってくれないんですよ。空港からホテルまでの通常料金っていくらですか?」と。すると「大体130元、最大でも150元くらいですよ」と答えが返ってきました。

200元と言うのはあながち間違いではないですが、若干高めの料金を吹っ掛けられていたようです。「ならば130元を払おう。」そう決めました。僕の心も少し落ち着いてきました。ナビも機能しているし何とかたどり着けそうです。

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意外とホテルは遠く、途中ノロノロ運転で道を探したのもあって30分くらい掛かってしまいました。そのホテルは空港のトランジットホテルという触れ込みなんですが、トランジットホテルと言うにはかなり遠い気がしました。どおりで皆知らないわけです。

ホテルのスタッフにも騙されたかも

ホテルに着きました。運ちゃんに130元を渡します。手持ちのメモ用紙に”酒店服務員云通常130元”と書いて運転手に見せました。知っている限りの中国語で”ホテルのスタッフが通常は130元だと言っている”と書いたつもりです。大学1、2年で習った中国語がここで生きたわけです。正しい文法や用法じゃないかも知れませんが、とりあえず言いたいことは伝わりました。

130元を渡すと運ちゃんは喜んでもらっていきました。え?200元って言ってたのに130元でいいの?もしかして130元でも高すぎた?

後から調べてみると、ホテルのHPには空港からホテルまでは60元と書いてありました。愕然としました。もしかして僕はホテルのスタッフにも騙されんじゃないか?いや、さすがにそれはないでしょう。恐らくホテルのスタッフも知らないんだと思います。知らないから適当に言ったんです。これが中国人の適当さ加減です。

ホテル行きのバス停を探しているときもそうだったんですが、中国人はなかなか「知らない」とは言わないんです。知らなくても適当に「あっちだ」とか言うんです。それが非常にこちらを惑わせることになるわけなんですが、彼らにはそんなこと知ったこっちゃないんです。彼らはとにかく適当でも答えた方がいいと思っています。

料金に関して、運ちゃんとホテルのスタッフとがグルというのは考えにくいので、130元という料金は適当に言った値段だと直感しました。

今回はちゃんとホテルにたどり着けたということを喜ぶべきなんですが、とても喜ぶ気にはなりませんでした。もうヘトヘトでした。飛行機を降り、バス停を探して1時間、タクシースタンドに並んで15分、タクシーの運ちゃんと押し問答して30分~40分。飛行機を降りたのは22時でホテルに着いたのは24時です。降機してからホテルまで2時間も掛かったわけです。とても手を叩いて喜べるような状態ではありませんでした。

今回の教訓まとめ

今回得た教訓をまとめておきます。

  • なるべく知名度の高いホテルを取る。
  • ホテルまでの地図は必ず持参する。
  • タクシー料金の相場を事前に調べておく。
  • 躊躇なく1日だけのパケット通信を契約する。

今回学んだことは、とりあえずこの4つですかね?まず地図があれば絶対にたどり着けます。さすがに地図が読めないタクシードライバーはいないですから。あと、念のために住所を書いたメモ用紙も用意したいですね。特に中国、台湾などの漢字圏では、アルファベットの住所では絶対に通じないので、漢字で書いた住所を用意するのがよいでしょう。

タクシーの料金の相場については必ず調べておきましょう。これがないとボッタクられていることに気付けないです。もしくは気付いても反論できません。中国語は通じなくても筆談ができますから、旅行ガイド等を参考に「通常xxx元」と書くことができれば、それが交渉のカードにはなるはずです。

最後に、緊急のときは、1日2千円くらいするパケット通信サービスでも躊躇なく契約した方がいいです。今回はホテルに直接電話をしたため、パケット通信の必要はなかったものの、パケット通信を行って地図を出していたらもっと早く解決できたと思うと、少し判断を誤った気がしました。とにかくトラブルに遭ったら、数千円は捨てて情報を取ること。適当な中国人を信じるより、正しい情報取得を優先した方がよいでしょう。何よりも身の安全が大切です。

と、当たり前のことを書いた気もしますが、それが守れていなかった僕は完全に無防備だったと反省しています。行き先が中国なのに、何も調べずに行くのは無茶です。たかがトランジットホテル、シャトルバス付きのホテルであってもタクシーで行くことを想定して、地図を持つとかタクシーの相場くらいは調べておくとか、それくらいのことはしておかないといけません。

旅慣れている。その思い込みが貴重な時間とお金を浪費させます。しかも怖い思いをして、精神まですり減らせることにつながります。もう二度とこんな経験はしたくないと思いました。中国南方航空のB787に搭乗し有頂天になった後、僕はそんな目に遭い、どん底に突き落とされていたのです。

皆様もどうかお気を付け下さいませ。