イケてる航空総合研究所

ビジネスクラス搭乗記、弾丸旅行のノウハウ、マイルの使い方、貯め方、航空事故の真相などなど。

ANAのSFC修行とか意味あんの?って思ってたけど、年始の新千歳でその絶大なメリットを再認識した件

修行とは何か

今日の話題のためにまずは「修行」とは何かを説明しておきますね。修行というのは航空会社の上級会員になることを目的として飛行機に乗ることです。

飛行機に乗るとマイルが貯まるというのは皆さんご存知でしょうけど、マイルの他にも上級会員ステータスを獲得するためのポイントが貯まる仕組みになっています。昔(10年前くらい)はポイントはなく、飛行機に乗ることによって獲得したマイル数、または搭乗回数が条件になっていましたが、昨今はマイルとは別物のポイントがステータス判定の条件となっています。(ANAで言うプレミアムポイント、JALで言うFLY ONポイントです。)

そのポイントを貯めるとどうなるか。例えばANAだと50,000ポイント貯めると翌年から「プラチナ」というステータスが得られ、その一年は優先カウンターでのチェックイン、優先搭乗、手荷物優先引き渡し、航空会社のラウンジ入室など、とっておきのサービスが受けられます。

でもプラチナ会員は一年だけの命です。翌年も同じように50,000ポイントを貯めないとプラチナ会員は維持できません。それにも関わらず皆さん一生懸命修行をしています。何故でしょう?

それはプラチナ会員になると、特別なクレジットカードへの申し込み資格が得られ、そのクレジットカードさえあれば、年会費を払い続ける限り、プラチナ会員とほぼ同じサービスが受けられるからなんです。これがSFC(スーパーフライヤーズカード)という資格ですね。JALだとJGC(JALグローバルクラブ)と呼ばれる資格になります。


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これがSFCと呼ばれるカードです。

皆さん一年だけ頑張ってプラチナ会員の資格を得て、SFCに申し込むんです。そしたら翌年からは年会費だけで、飛行機に乗らずとも上級会員として生きていけるようになります。

1年だけ頑張れば半永久的に上級会員になれるんですね。しかもSFCはスターアライアンスのゴールドメンバーを兼ねているので、ANA以外でもスタアラに加盟するエアラインならば、ゴールド会員のサービスを受けることができるんです。

簡単にまとめると、ANAの修行の最終目的はSFCになることなんですね。

おわかり頂けましたでしょうか?

僕は12年前に修行しました

僕は2005年に修行をして、2006年からこれまで10年以上SFCをやっています。あの頃僕は27歳。とにかく上級会員のステータスが欲しくて、がむしゃらに修行をしました。当時は50回という搭乗回数だけでプラチナ会員になれたので、世界一周航空券を使った新婚旅行で27区間を乗りまくり、残りの23区間も全て自腹で乗りまくり、その年の9月にはプラチナの資格を手に入れることができました。総額70万円程度の出費は27歳の僕にとってかなりの痛手でしたが、一生モノの素晴らしいステータスを手に入れたと鼻高々でした。

しかしそれから時が経ち、ふとSFCを見てみると、何だかスターアライアンスのゴールドマークが霞んで見えるんです。年会費は家族会員分を含めて毎年2万円強を支払っています。それを10年以上続けてきました。SFCの維持のために支払った総額は30万円に近づいています。果たしてそれだけの価値を生み出しているのか?何となく疑問を感じ始めました。

ホントにSFCって意味あるの?

どれだけSFCのメリット受けてる?

って。

ビジネスクラスに乗ればステータスなんて要らない

最近僕は国際線ではビジネスクラスに乗るようになりました。国内線では普通席(エコノミークラス席)で十分ですが、国際線になると飛行時間が長いので、積極的にビジネスクラスに乗りたくなるんです。元々僕は飛行機に乗ること自体が目的ですからね。

ビジネスクラスの乗客は、当たり前のように優先チェックインカウンターが使え、機内へは優先搭乗ができ、手荷物も優先的に出てきます。もちろんラウンジも使えます。

SFCの資格を持ったエコノミークラスの乗客も同様のサービスを受けられますが、ビジネスクラスの乗客が使えるラウンジは、エコノミークラスのSFC客が使えるラウンジよりもグレードが高いことが多いです。(空港による)

つまりビジネスクラスに乗ってしまえば、全てのサービスがSFCと同じかそれ以上ですので、SFCは全く意味をなさなくなります。1年に1~2回しか乗らないような一見さんでも、上級会員以上の待遇で扱ってもらえるのです。

エコノミークラスに乗るとそれなりにSFCの意味を見出すことができますが、残念ながらエコノミークラスにはあまり乗らなくなってしまいました。

国内線でもSFCのメリットを感じない理由

国際線でSFCのメリットを感じなくても、国内線ならばSFCのメリットがあるのでは?と普通は思います。

僕のベースはセントレアです。名古屋は日本で3番目の都市と言われていますが、東京と大阪に挟まれていますので、飛行機となるとどうしても弱いんですよ。なのでSFCを持っていたとしても実は100%そのメリットを享受できません。恐らく地方空港の方も同じ思いをされていると思います。

理由を順に挙げて行きましょう。

ラウンジ直結の専用保安検査場がない

幹線空港(東京、札幌、大阪、福岡)にはラウンジ直結の優先保安検査場というものがあります。一般の保安検査場が混雑している中で、スイスイ入れる保安検査場です。しかも保安検査を終えるとすぐにラウンジが待っています。

しかしセントレアにはそれがありません。一般の乗客に混じって保安検査を受けなければなりません。

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年始1月3日の朝のセントレアはこんな感じでした。激しく混雑していました。これに並ぶのかと思うとゲンナリしますね。専用の保安検査場があれば、多少の行列はあるかも知れませんがこんなに並ぶことはないでしょう。

保安検査場に優先レーンがないという意味で、1点減点です。

ラウンジがいつも混雑している

それで、保安検査場を抜けてラウンジに行こうと思っても、今度はラウンジが混雑しているんですよ。


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セントレアのラウンジなんていつも混んでいて、座れないことも多いです。これは他の空港でも同じで、稀に穴場のラウンジはあるものの、札幌とは那覇とかはホントに狭くて嫌になります。(那覇って今でも狭いんでしょうか?)

ラウンジで座れない場合は、僕はコーラをコップに半分入れてそれを一気に飲んでおしまいです。滞在時間は3分。これではせっかくのラウンジの意味がありません。

2点目の減点です。

そもそもラウンジに行きたくならない

しかも、地元セントレアのラウンジはJALとの共用ラウンジですので、テンションは下がりまくりなんですよね。


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(JALとANAのロゴが共存しているセントレアのラウンジ。)

混雑しているというのもあってセントレアの共用ラウンジには寄らないこともあります。それは他の空港でも同じです。

混雑しているという理由以外に、国内線のラウンジは置いてあるものがショボい、という理由もあります。国際線ならば食べ物が豊富で、飲み物もお酒を含め充実していますけど、やっぱり国内線は大したことないですよね。お酒が飲めればまだマシなのかも知れませんが、僕は普段からお酒を飲みませんので、なおさらラウンジに寄る理由がありません。

そもそもラウンジに寄らないこともある。ということで3点目の減点です。

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優先搭乗が終わっている

ラウンジに寄らないとなると、空港にギリギリに行こうというインセンティブが働きます。そうすると、ゲートに着いた頃には優先搭乗が終わってるんです。

一旦優先搭乗を逃すと、ボーディングブリッジで混雑するのが嫌なので、一番最後に乗ればいいやという発想になります。するとますますギリギリに空港に行くことが多くなり、優先搭乗には縁遠い行動パターンに陥ります。

またまたSFCの意義を存分に発揮できません。はい、4点目の減点です。

手荷物を預けない

これ、一番重要かも知れません。国内線に乗る時の荷物は機内に持ち込めるサイズであることが多いので、SFCが利用できるプレミアムカウンターに寄らないんですよ。せっかく空いている専用カウンターを使えるのにも関わらず、です。

しかも荷物を預けないとなると、荷物を受け取ることもありません。優先的にベルトコンベヤーに載って出てくるのに、その恩恵にあずかることはほとんどありません。

ここで5点目「の減点です。

修行は楽しいですけどね

国内線に乗る場合、SFCのメリットを享受できない理由として、5つの理由が挙げられました。何を贅沢言ってるんだ!って感じですが、本当のことですので仕方ありません。以下に減点理由をまとめておきます。

  • 専用保安検査場がない
  • ラウンジが混雑している
  • そもそもラウンジが不要
  • 優先搭乗が終わっている
  • 荷物を預けない

ここまで言われちゃうと、修行している、もしくは修行してしまった人が浮かばれませんが、10年以上もSFCをやってきた僕は、旅のスタイルによっては修行の恩恵を受けられないかも知れないということをちゃんと話す必要があると思ったんです。なのであえて厳しい現実を書きました。

でもでも、修行って楽しいんですよね。ステータスを目指してがむしゃらに乗っている時が一番幸せです。何事も目標に向かって努力しているときって楽しいんですよ。僕もそうでした。中部-福岡を一日2往復してついでに対馬にも行っちゃったとか、最高に楽しくないですか?

でも手に入れちゃうとちょっとだけ虚しくなることがあります。

本当にSFCのメリットを受けてるか?

って。いや、ここ最近の僕はずっとそう思ってました。あの日までは…。

SFCを持っていて良かったと心底思った

今年の1月3日、僕は新千歳空港でこの光景を目の当たりにしました。


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手荷物を預けるための行列です。これ、どこまで続いているんでしょう?保安検査場も混雑していましたが、こちらの行列の方が長かったと思います。先頭にたどり着くまで、ゆうに30分は掛かるでしょう。

一方でSFCが使えるプレミアムカウンターは待ち人数ゼロ。もちろん僕はそちらに並び、「100人抜かし」のような感覚で一瞬で手荷物を預け終えました。(この時はどうしても買ったお土産を預ける必要があったんです。)

この時ばかりはSFCで良かったと思いました。修行した甲斐があったと感じました。

修行のメリットを受けやすい人と受けにくい人がいる

この出来事があってから、僕は修行のメリットを再認識しました。

僕は最近、弾丸で海外旅行に行くことが多くなり、国際線ではビジネスクラスに乗るようになり、国内線ではSFCの威力を発揮できるチャンスに恵まれない乗り方をしてきました

でも新千歳に行って改めて気が付きました。そうか、新千歳のような観光地で繁忙期に荷物を預けるとSFCは最大の力を発揮するのだと。

多分昔はSFCのメリットを感じていたはずなんですよ。でも年齢を重ねるごとに生活スタイルも変わっていき、旅のスタイルも変わっていきました。そして、SFCのメリットを感じにくいゾーンに入り込んでいたんですね。それが最近僕がモヤモヤしていた原因だということに気が付きました。

今まで上に書いたことを全て撤回します。皆さんどんどん修行をして下さい。

とは言いませんが、修行してもその恩恵をあずかりにくいゾーンがあるということは知っておいて欲しいと思います。

国際線ではビジネスクラスがメイン、地方在住で国内線では荷物を預けず、国内線ラウンジには失望している。そして酒は飲まない。というような人は、もしかしたら修行をしない方がいいのかも知れません。

一方で、国際線はエコノミークラスがメイン、国内線は幹線空港がベースで、手荷物は毎回預け、空港には出発の3時間くらい前に着いてラウンジでビールを飲んで過ごす。という人には修行のメリット「大」です。

このように自分の旅行スタイルに合わせて、修行の必要性を考えてみるのがいいと思います。

修行は楽しいですし、修行後も得られるメリットも大きいので、僕はまるで宗教でも信仰するように、修行のメリットばかりを考えていました。しかし最近、「そんなステータスなんて要らないんじゃないか?」と思い始めモヤモヤとしていました。ところが、そう思っていた矢先に、修行のメリットを再認識させられたのです。

自分の考えが短期間に二転三転し、自分でもその意義をじっくり考えさせられました。

章タイトルにも書きましたが、世の中には修行のメリットを受けやすい人と、受けにくい人がいるんですよ。修行にはそれなりのお金が掛かりますし、労力も掛かります。家族がいれば家族の理解も必要となるでしょう。修行が終われば、維持費だって掛かりますよ。途中で退会してしまったら修行の意味はなくなります。

なので自分の旅行スタイルを見極めて、じっくり考えて修行して下さい。

でも修行って楽しいからみんなやっちゃうんですよね。修行の目的は修行すること。結局それでよいのではないかと思います。僕が言いたいことは全部書きましたので、あとは皆さんのご判断にお任せします(笑)。


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