イケてる航空総合研究所

ビジネスクラス搭乗記、弾丸旅行のノウハウ、マイルの使い方、貯め方、航空事故の真相などなど。

シンガポール航空787-10ビジネスクラス搭乗記【世界初就航はシンガポール発バンコク行きSQ970便】

787-10世界初就航便はSINからBKK

2018年4月3日、SQ(シンガポール航空)の787-10が世界初就航を果たしました。路線はシンガポール=バンコクのSQ970便です。

5月3日に関空へ世界初就航と大きく宣伝されていますが、あれは真っ赤なウソ。実際の世界初就航はリージョナル路線であるSIN=BKKですよ。大々的にアナウンスされていなかったですし、直前まで日程が動くと思っていましたが、予定通り4/3の就航になりました。

僕がチャンギ空港に到着すると、まだゲートには飛行機がいませんでした。やきもきすること30分。現れたのがこれです。


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ピカピカのSQの787-10!

「本当に4/3に就航するのか?」という疑惑はこの瞬間に解消しました。だって目の前にホンモノの787-10が来たんですから。

これで初便に乗れるー!

と心の中でガッツポーズです。胸のつかえが取れた感じでした。


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初めて見る787-10は想像以上に大きかったですね。なんと言っても胴体が長いんですよ。

前代未聞の初便らしくない初便

この787-10の初便、就航のセレモニーはなく、横断幕などもありません。全然初便らしくないんです。


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ゲート前の様子も何らか平時と変わらず、少しガッカリしてしまいました。やはり関空の初便に力を入れているんでしょうね。

しかしゲートにいた人々は、これが787-10初便であることを何となく知っており、窓越しにカメラを構える姿がチラホラ見られました。僕の隣で写真を撮っていた白人男性に「この飛行機、今日が初便だって知ってる?」と聞いたら「もちろん!」と答えてくれたので、知っている人は知っているみたいです。

でもホント何にもない初便で拍子抜けしてしまいました。横断幕くらいあってもいいのにって思いませんか?ちなみに記念品もなかったです。こんなこと、前代未聞です。

そして僕は1番にボーディング。


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ボーディングブリッジ前には人だかりが。どうやらテクニカルスタッフがスタンバイしているようでした。


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SQ初のスタッガード

機内に乗り込み、まず前方からSQ787-10のキャビンを拝みます。新しいビジネスクラスキャビンっていいですねー。


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これがスタッガードの真新しいキャビンだ!


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この座席仕様、SQ初のスタッガードなんですよ。SQに同じ仕様の他の機材はありません。787-10専用の座席仕様です。これまでSQは長距離国際線仕様機には「若干ヘリンボーン的な大型横長シート」を1-2-1で配置するというのが主流だったんですが、787-10の位置付けは若干違ってリージョナル路線用。つまりアジア・オセアニア域内と考えるのが妥当だと思いますが、787-10は10時間を切るような中距離ルートに投入されるみたいなんです。なので大型シートじゃなくてスタッガードになったのだと勝手に想像しています。


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自分の席は19Kという後ろから2番目の窓側に面した席。奇数番目の座席が窓側に面し、偶数番目が通路側に面しています。但し13番目はないので、11列目は通路側、12列目は窓側です。

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こちらは通路側。座るなら窓側がおススメです。


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このシェル型、プライベート感たっぷりですね。


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さっそくベッドにしてみます。(ひじ掛けが上がっていますが、ちゃんと下がって肩の周りが広くなります。)


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モニターは18インチのタッチスクリーンです。

進化したスタッガード

このシート、何の変哲もないスタッガードに見えますが、結構すごい機能が搭載されているんです。(あくまでも自己基準)


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なんと画面がチルトできるんです(下に向けられる)。


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角度はこれくらい。チルトできることの何がいいかって、寝転んで映画が観られることです。機内のモニタってのぞき見防止なのか、ちょっと角度を変えると見えなくなるんですよ。だからこれまでのタイプのモニタだと寝そべると画面が見えなくなるんです。そんな不満がこのシートによって解消されました。


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そして蓋が付いた物入れ。USB2ポートと、ユニバーサル電源が1ポートあります。


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蓋を閉めるとこんな感じ。この蓋、離着陸時には閉めなければならず意外と面倒です。


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シートコントローラは触ると、ボタンが浮き上がってくるもので、カッコイイです。普段は黒いだけのパネルです。


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読書灯も色んな角度で光らせることができるようになっています。

こんな風に細かく見るとかなり進化したスタッガードになっているんですよ。

長くなった日本製の前部胴体

787-10は787の派生型の中で最も長いタイプです787-8から11.6mも胴体が伸びて、777-200よりも長くなりました。前胴と後胴がそれぞれ約6mずつくらい伸びているんですが、特に前胴は日本製の胴体なんです(川崎重工業製)。


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787-8と比べNo.2ドアの前後で伸びています。No.2ドアの前の窓10個分、後ろ7個分が日本製の胴体に当たります。(埋められている窓があるのでい注意)


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ビジネスクラスでは後ろの方が日本製。具体的に言うと16列目以降です。ただ16列目は窓がありませんし通路側ですので、17列目、19列目がおススメですね。

出発準備中の機内

慌ただしく出発前の準備が行われる機内ですが、優雅にウェルカムドリンクが配られます。


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いやー素晴らしいスマイルですねー。SQは男性クルーも魅力的です。


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新聞がカートで配られます。新聞なんて読んでる時間はありません。取材が第一です。


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787-10では翼型、エンジンは基本的に変わっていません。


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安全のしおりにも787-10の文字が。この時点で787-10の安全のしおりはこの飛行機にしか搭載されていません。


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ボーディングがかなり遅かったのに、たったの7分遅れでプッシュバック。ANAの787-9とSQのA330が見えます。

787-10初の離陸は拍手で祝福

そして世紀の瞬間、って程ではないですけれども、787-10が営業運航便として初めて空に飛び立つ瞬間です。


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この瞬間、エコノミークラスからは拍手が起こりました。これぞ初便!って思いましたね。ちなみにビジネスクラスはとてもおとなしかったです(泣)。


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いつの間にか朝陽が顔を出して、雲の隙間からうっすらと島々や海を照らしているのでした。


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水平飛行に移った787-10初便。朝陽が窓から入ってきます。前日の深夜便での寝不足なんて吹き飛びました。


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でも朝陽が入る機内は何となく眠そうです。だって皆さん、初便にも関わらずとっても大人しいんですもの…。

2時間のフライトでもちゃんと機内食が出る

機内サービスが始まりました。このSIN=BKK線はクルーの慣熟の目的もあるため、機内サービスに優雅さを期待してはいけません。クルーの皆さんは慣れない機内で頑張ってるんです。


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反対側の通路でサービスにあたるクルー。


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僕側のシートのある通路。4人もクルーいるなんて、やはり混乱してるんでしょうか(笑)。


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緑色のユニフォームはリーディングスチュワーデスと言ってちょっとだけレベルが高いクルーです。


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僕の前の人にコーヒーを入れています。


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はい、僕のところにも機内食が到着です。


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メニューブックはなく、こんな紙が物入れに入っていました。メニューは3種類からのチョイスです。


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僕がチョイスしたのはタイ風シーフードビーフン。ちょっとだけ辛かったですけど、美味しかったです。しかしこのボリューム、朝から結構苦しかったです。

他のメインも見たいと言うと「どうぞどうぞ」と喜んで見せてくれました。


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こちらはポーチドエッグ。一番美しいお皿ですね。


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こちらはきのこのキッシュ。


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パンはウェルカムドリンクのスマイルオニイサンが持って来てくれました。


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もちろんエコノミークラスでも機内食のサービスがありますよー。

最初は拍子抜け、しかし徐々に盛り上がる

この便、本当に初便なのか?というのは乗ったときから感じていまして、何だか盛り上がらなかったんですよ。僕はひとりで盛り上がっていたんですが、他の乗客はあんまり盛り上がっていない…。


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あ、でも彼だけは目立ってました。インドネシアはジャカルタから来られたシオラ氏です。


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反対側からシオラ氏が撮ってるのがわかりますか?この方、SQのポロシャツを着ていたので、最初スタッフの人かと思って「あの~スタッフの方ですか?」って声を掛けてしまいました。恥ずかしかったです。しかしマニアと分かって意気投合。色々と撮影に協力してくれました。

その他の乗客は何だかおとなしかったんですが、機長が出てきたらムードが一変しましたね。


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先ほどのシオラ氏も早速機長と記念撮影。その他の乗客も皆さん一緒に写真撮影を楽しんでました。


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一番前で、クルーに写真を頼む乗客。先ほどのスマイルオニイサンが撮ってくれています。

いやはや、最初は大人しくてどうなるかと思いましたが、段々盛り上がってきて僕は何故かとても安心しているのでした(盛り上がらないと記事が書けないじゃないですか)。


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そして最後にはクルーの記念撮影までできちゃうほど盛り上がりました。写真の右から2番目は日本人クルーの方。「日本人の方ですか?」と話掛けられたんですけれども、どうして僕が日本人って分かったんでしょうか?

しかし皆さん本当にお美しいですねぇ…。

エコノミークラスはガラガラでした

この便、787-10の初便と言えどもやはり認知度はかなり低いみたいですし、元々301席とキャパシティが多いですので、エコノミークラスは半分くらいの搭乗率でした。


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エコノミークラスはどことなく未来的なデザイン。モニターが大きいですね。


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後ろからエコノミークラスを望みます。やはり-10って長いです。後ろまで歩くとその長さを実感できますよ。


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後ろの方のシートは一列空席になっている場所も見られました。

バンコクへ初の着陸

2時間のフライトはあっという間でした。


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入道雲の間をディセント開始。


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スワンナプーム空港に近づくと青々とした草木が目に入ります。


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そして787-10は営業運航便として初のランディングを果たしたのでした。


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そしてスポットイン。初便恒例の消防車による放水を期待したのですが、どこにも消防車は見えず。普通にスポットインしてしまって拍子抜けでした(汗)。


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そしてエプロンにはスマホを持った人だかり。一応初めてのバンコクですからね。

公式発表がなくて不安でしたけど

皆さんご存知の通り、SQ787-10の関空への初就航は「定期便」としての就航。関空への就航前にはシンガポール(SIN)=バンコク(BKK)線シンガポール(SIN)=クアラルンプール(KUL)線に飛んでいます。

この2路線がアナウンスされた記事では「selected flight」(選ばれたフライト)という表現で、クルーの訓練を兼ねた不定期運航的な扱いをされています。(実質は定期便ですが…。)

一応、僕が乗った4/3の便は、初便ということにはなっていたんですが、公式発表がなかったので行くまでは非常に不安でした。2月の下旬に「まぁ日程は動くだろう」とキャンセルを覚悟して取ってみたら、そのままの日程で行ってしまい正直驚いています。

直前まで飛ぶのかどうかドキドキしましたけど、

ホント乗れてよかったです。

おしまい。


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