6月15日から関空へ投入
関空にアシアナ航空のA350が就航しました。当初は5月15日に関空就航なんていう噂がありましたが、香港だの何だのって二転三転した挙句、結局就航したのはマニラでした。それから遅れること1ヶ月、ようやく関空にも就航を果たしました。そして僕が搭乗したのは7月18日、就航から1か月遅れてしまいました(恥)。これはその時のお話です。
関空にはアシアナ航空以外にもキャセイやチャイナエア、ベトナムのA350が飛んで来ています。関空はA350王国なんです。そこへアシアナが飛んで来てくれて僕は凄く嬉しいです。
なぜなら韓国線という最もお得な路線で最新鋭機に乗れるからです。特典航空券で乗るとビジネスクラスで往復30,000マイル。台湾や香港、ベトナムに行くよりもマイルが断然少なくて済みます。
アシアナ航空チェックインカウンター。常に笑顔の日本人のお姉さん、とても気持ちが良い接客でテンションが上がっちゃいました。
すぐに出国して2番ゲートまで行ってみます。しかしそこにいたのはキャセイでした。どうやらキャセイが出て行ってから僕の乗るアシアナ航空が入ってくるようです。
とりあえずラウンジで時間を潰しました。フライトレーダー24を見ながら、便の到着を待ちました。しかしANAラウンジは混んでいたのですぐに脱出。2番ゲート前で待ちました。
ちょっと不細工なA350現る
ようやくアシアナ航空のA350がスポットに入ってきました。僕にとってベトナム航空に次ぐA350への搭乗です。正確にはA350-900XWBと言わなければいけませんが、本ブログでは一律A350と省略します。
スポットイン。コックピットの黒い縁取りが特徴ですが、どう見てもタヌキ顔にしか見えません…。
やっぱ不細工だよね?
そう思いません???787に比べてA350って断然不細工なんです。
でも不細工なのがむしろA350の可愛さである気もします。A380もかなり不細工じゃないですか。でも愛くるしい。そんな絶妙な顔に設計しちゃうところがエアバスなんですよね。
「ソウル、仁川」とハングルで書かれています。仁川行き111便です。A350による運航は1日2往復の運航、10時50分発の111便と17時ちょうど発の113便です。
アシアナ航空A350へ初搭乗
いよいよ、その時がやってきました。初便じゃないにせよ、新しい飛行機に乗るのは楽しみです。生まれて初めての機体じゃなくてもそのエアラインの初めての機体への搭乗というものはワクワクします。間もなく搭乗。一番に乗り込むべくスタンバイします。あまりに早く待ち始めると急かしているようで申し訳ないので、GHのお姉さんに「スイマセン、ここで待たせてもらってもいいですか?」と断っておきます。
ジャジャーン、アシアナ航空A350のビジネスクラス。
あれ?意外と普通ですね。
A350のビジネスクラスは、A380や777と同じスタッガードタイプです。座席のデザインもほぼ同じです。
通路側の座席。
窓側の座席。
真ん中列は隣り合っている席と離れている席が交互に並んでいるタイプです。
自席から見るとこんな風。
通路を中腰で眺めるとこんな風。壁に囲まれているのがわかります。
足元はどの機材もこんな感じですが、モニターが大きいですよね。HPで確認すると18.5インチあるそうで、最近のモニターの大型化に追従しています。解像度も抜群です。A380のモニターは15.6インチらしいので、3インチも大きくなりました。昔パソコンで15インチのモニターから17インチのモニターに切り替えたら「大きいなー」って思ったことがありますよね。まさにそんな感覚でした。
テーブルの上に挟まっているのはスリッパとヘッドフォン。さすがにこの区間ではアメニティキットは出ません。
座席のコントロールボタンとリモコン。最近はシンプルになってわかりやすいです。
テーブルは壁面に埋まっています。このタイプのテーブルはご飯中でも席を立ちやすいので好きです。
同社初のプレエコを設定
A350のエコノミークラスも見てみましょう。前から見ると前方4列だけヘッドレストのカバーの色が違っています。そう、このA350にはプレミアムエコノミーが付いているんです。他のアシアナ航空の機材にプレエコはついていませんので、A350によって初めて導入されたシートなんです。アシアナ航空ではエコノミースマーティウムと呼んでいます。
最前列はプレエコじゃなくても広いですよね。
こちらがプレエコの座席。エコノミークラスよりも4インチ(約10センチ)シートピッチが広くなっているので、とても快適に過ごせそうです。
そしてこちらが普通のエコノミー。3-3-3配置というのが少し窮屈な感じがしますが、ソウルまでなら全然OKです。
ちなみに3-3-3配置はプレエコでも同じです。プレエコとエコノミーで違うのはシートピッチだけです。モニタのサイズも同じです。
スポンサードリンク
11機待ち30分のディレイ
搭乗してもなかなかプッシュバックが始まりませんでした。オレンジジュースを飲みながら読書でもすることにします。
ボーディングブリッジが離れます。A350の窓は、787よりは広くないものの、エアバスの従来機よりは広くて開放的です。窓が少しだけでも広いと開放感が全然違います。「たかだか数パーセント~数十パーセントでしょ」と思われるかも知れませんが、その微妙な違いが意外と大きいんです。
なんか雨がポツポツ…。気象レーダーを見ると強い雨雲が関空付近に近づいて来ていました。
タキシーが始まりましたが、この酷い渋滞を見て下さい。機長から放送が入り、「離陸は11機目、待ち時間は30分」とのこと。「ありゃりゃー」と思いましたが内心はウッシッシって思ってます。
どうしてかって?それは少しでも長くビジネスクラスに座っていられるからです。仁川から先、タイトな乗り継ぎがある人には申し訳ないですが、僕は長く乗っていられるほど得した気持ちになるんですよ。最新鋭機材のビジネスクラスに乗る時の遅れ、密かに大歓迎です。
やっと自機の順番に。24Lにラインナップします。
トレントXWDエンジンが得意の重低音を奏でます。「ウぅ~~~ヴィーン」という音にしびれます。離陸時のエンジン音は独特ですね。あっという間に宙に浮いてしまいました。
すぐに雲の中に。
スポンサードリンク
焼き鳥コリア風
関空-仁川は時刻表上1時間50分の飛行。国内線並の飛行時間ながら、ちゃんとした食事が出るのが魅力的です。メニューが配られます。最初1種類だけかな?と思いましたが、メインは和風牛肉の焼き物と、焼き鳥からのチョイスになっていました。
僕は思わず焼き鳥をオーダー。機内食で焼き鳥ってあんまりない気がしたからです。
焼き鳥が出てきました。タレ付きの串を想像していたので若干落胆。串抜きの焼き鳥、つまり普通の鶏肉のソテーなんですよ。でも形は何となく焼き鳥の肉の形をしていました。
野菜が添えられた新スタイル?の焼き鳥。タレではなく塩の味付けがとても美味しくて気に入りました。チューブに入れられた歯磨き粉のようなコチュジャンを付けると急に韓国風味になるのが面白いです。
その他は野菜サラダとストロベリームース。どれもビジネスクラスのクオリティで美味。こんなに短いフライトなのに、ここまでの食事を出してくれるとは思いませんでした。
というのも福岡-仁川で乗ったときには、四角いお弁当箱だったからなんです。その経験もあり、期待はしていなかったのですが、福岡-仁川の飛行時間は1時間弱ですから、その路線と比較するのはちょっと乱暴でしたね。2時間弱あればこのレベルの食事が出てくるようです。
食後はコーヒーと行きたいところですが、流石に時間がないのか、ご飯をもらってすぐにコーヒーが出てきてしまい、食事中には飲むに飲めず、飲んだのはぬるくなってからでした。飛行時間が短いですから諦めましょう。
でも少しだけまったりと
正直なところ短距離路線って時間がないのでなかなか寛げませんよね。キャビン後ろから見ると天井が高いのがわかりますよね。真ん中にオーバーヘッドストウェッジがないからです。このタイプのビジネスクラスが好きです。
ベルトサインが点灯する前に、ベッドにしてみましょう。
実はベッドにしつつも一切横たわっていません(笑)。航空ブロガーは色々と大変なんですよ。
まったりなんて実はできません(泣)。
エコノミークラスにも行ってみましょう。
ビジネスクラスの乗客は10名ほどだったんですが、エコノミークラスにはたくさん乗っていました。しかしプレエコの乗客は少し。日本の国内線並みの路線ですから、特にビジネスクラスに乗る必要もなく、プレエコを選ぶ必要もありません。やはり堅実なエコノミークラスを選びますよね。
スポンサードリンク
それでもA350を楽しむ
仁川までのフライトもあっという間に終盤戦。悪あがきじゃないですが、なんとかA350を楽しもうと必死になっています(笑)。この画面、すごくよくないですか?コックピットのHUD(ヘッドアップディスプレイ)を模した3Dマップ表示なんですよ。同社のA380にもよく似た表示はありましたが、計器が横に表示されるものではありませんでした。(A350のHUDはオプション装備。)
この表示のいい所は飛行速度や高度がちゃんとノット(knot)やフィート(ft)で表されるところなんですよ。マニアにとっては、時速何キロメートル(km)という表示や、高度のメートル(m)表示ってピンと来ないんですよね。頭名の中でkm/h→knotやm→ftを換算するのが嫌なんです。だから純粋にコックピットに表示されている値を表示してくれると本当に助かります。(それでも速度はコックピットの表示とは異なると思いますが…。)
もう一つ、このA350の特徴はWi-Fiを搭載したこと。時間がなくて試せませんでしたが、機内からインターネットにつながります。また、ローミングサービスというのも搭載されており、なんと機内から自分のスマホで電話を掛けることもできます。「見た目は従来機と変わらないけど、微妙に進化してるな」と感じることが出来ました。
さて、A350の専用エンジン、ロールスロイス社のトレントXWBです。高バイパス比エンジンの素晴らしいサウンドが楽しめます。音が特徴的なのは、離陸時だけなんですけどね…。
今度はウィングレットだけをドアップで。A350のウィングレットはカクカクしておらず、すごく滑らかな曲線を描いています。それが特徴なんです。だからパッと見るとどんな形をしているのかよくわからないんです。言葉で例えるなら、クルンとカールしている感じです。
スポンサードリンク
もはや着陸か…
アシアナ航空A350でのフライトもあと少し。仁川の街並みが遠くに見えてきました。この辺りは海もとてもきれいです。写真よりももっとエメラルドグリーンで目を奪われてしまうほどです。
スラストリバーサで減速。何事もなく到着してしまいました。
チェジュエアの隣に到着しました。
地味なA350だったけれど
短い旅を終えて降機しました。A350の横顔ってやっぱりちょっと不細工。A350って性能的には優れた飛行機のはずなんですが、787のようなキリっとした格好良さがないんですよ。
でもそんな不細工ちゃんでも僕はA380が大好きですし、A350だって色んなエアラインのに乗りたくてたまりません。格好悪くても愛嬌のある子なんです。これが何度も乗っているうちにハマっちゃうんですよね。
A350の快適性の謳い文句である「機内高度の低さ(気圧が高い)」などの特徴は、日本-韓国という短距離路線で感じることはできませんでしたが、今回は存分にピカピカのアシアナ航空A350を堪能することができました。
見た目は地味なんですが、従来機にはなかった機能が色々と付加されていて、快適に、そして便利に過ごせる仕組みができているのがアシアナ航空A350です。
アシアナ航空のA350は30機のA350を発注しているので、日本路線以外でもこれから乗れる機会が増えていくと思いますよ。是非ともマイナーな違いを発見してみて下さい!
スポンサードリンク