日本5都市目の就航
2018年6月21日、エアプサンがセントレアに就航しました。エアプサンはその名の通り韓国・釜山をベースとするLCC。ということで路線は名古屋(中部)=釜山です。この路線には既に大韓航空が就航していますので、エアプサンの乗り入れにより名古屋(中部)=釜山線はフルサービスキャリアとLCCとのダブルトラック路線となり、釜山への旅がますます便利になります。フライトスケジュールは以下の通りです。
BX132 釜山(0825)=名古屋(0950)
BX131 名古屋(1045)=釜山(1225)
エアプサンは韓国キャリアですし、韓国人の利便性に合わせてありますので、釜山発は朝が早いですが、中部発はまぁまぁいい時間。大韓航空の釜山行きは午後出発ということもあって、エアプサンの10時45分出発というのは日本人にとってはありがたい時間設定ですね。
エアプサンは既に成田、関西、福岡、新千歳に乗り入れており、今回のセントレア就航で名古屋(中部)は5都市目の就航地となりました。成田、関西、福岡、新千歳へは大邱(テグ)からも飛んでいて、エアプサンは既に日本では韓国南部へアクセスできるLCCとして確固たる地位を築いていたんです。僕なんて今日の今日まで「エアプサン?はぁ?どこ飛んでんですか?」みたいな感じでしたから…(笑)。
ちょっと混乱気味のチェックイン
3時間前にはチェックインが始まるだろうと思って、7時35分には空港に到着した僕。しかしチェックインカウンターはまだオープンしていませんでした。「普段は2時間前の8時45分からですが、今日は8時半頃から始めます」とのことで、それまでスタバで待ちました。
お約束通り8時半にチェックインカウンターに行ったら既にチェックインは始まっていました。随分と一人に時間が掛かっていて、列が全然進みません。スタッフが慣れていないのかえらく時間のかかるチェックインでした。だいぶ混乱気味でしたね。
僕はまだマシな方だったんですけど、僕のチェックインが終わったらこの状態。「早めにチェックインして良かった!」と思いました。ビジネスクラスカウンターのように空いているカウンターに慣れてしまうとこの行列はかなりキツいものがあります。
機体到着まで踊ります
「セレモニーは9時45分から始まります」とカウンターで聞いていたので、早めにゲートに向かいました。そしたら「機体到着まで民族舞踊をご覧下さい」ということでオバサマ達の踊りを見せてもらいました。こういうのがあると盛り上がりますよねー。これぞ初便!って感じがします。
報道陣も続々と集まってこの通り。場所取りで血走っていますので、うかつに近づくと危険です(笑)。
機体到着
踊りを見つつフライトレーダー24で機体の位置を確認。「そろそろかなー」というところで、場所を移りました。機体が到着しました。機体はA321。この機体にエアプサンの社長が乗っているらしく、セレモニーはそれからです。
実はエアプサン、アシアナ航空の資本が入っていまして、この便もアシアナ航空とのコードシェア便なんです。
スポットインする姿は非常に撮りづらかったです…。何せ一番南端の24番スポットですから…。
消防車の放水も全然見られませんでした。非常に残念です。
セレモニー第二段が始まる
機体が到着したら、セレモニーの続きが始まります。今度は1人パフォーマンスですね。
続いて太鼓の演奏。こんなに演出の豊かな初便セレモニーって過去にありましたっけ?セントレアの頑張りがよく伝わってくるセレモニーですね。
報道陣も真剣です。
やっとエアプサン社長ハンテグン氏が到着しました。
息を切らしながらエアプサン社長の挨拶が始まりました。「プサンは定刻で出発したんですが、名古屋(セントレア)が広くて走って参りました。」と言っているシーンです。手が「駆け足」の手をしているのがわかりますか?(笑)。
名古屋の魅力として、名古屋城、レゴランド、ひつまぶしというワードが出ました。「名古屋は日本の代表的工業都市、釜山は韓国第二の都市、ビジネス需要も見込める」と路線に対する意気込みを語っていました。
続いて在名古屋韓国総領事チョンファンジン氏のご挨拶。中部地方の経済規模、成長力を評価しているというお話しでした。最近、訪日観光客は増えていますが、訪韓する日本人が伸び悩んでいるとのことで、その点に懸念を示されていましたね。エアプサンに乗ってどんどん釜山に出掛けましょうということです。
最後は友添社長のご挨拶です。釜山のグルメの魅力なんかを話していましたね。
お互いが相手の都市の魅力を語り合う大変友好的なセレモニーでした。
傍らでフーが乗客たちとの記念撮影に臨んでいました。
続いて友添社長からの初便クルーへの花束贈呈。
最後はテープカットで終了しました。
何と言うか、LCCの初便、しかも日本5都市目の就航で、「ここまで派手なセレモニーやる?」的な盛大なセレモニーでビックリしちゃいました。さすがセントレアです。
記念品をもらって搭乗します
セレモニーが押して、気が付いたら既に搭乗が始まっていました。一番に乗り込むのは既に無理。
記念品をもらって機内に入ります。
記念品はこれ。
中身はボールペンと小さな飛行機マグネットでした。僕、コレクターの趣味がないので、これくらいの記念品だとしまう場所に困らず、いやむしろ実用的なのでしまい込む必要がなく大変助かります。
ボーディングブリッジから何とか機体を撮影。端っこのスポットは写真撮影には厳しい条件ですね。
ちょっと照れてるクルーに出向かえられて、無事に初便への搭乗を果たしました。
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機内広いね!
噂には聞いていましたが、エアプサンって特にLCCっぽくないらしいんですよ。座席はフルサービスキャリアと同じと聞いていました。最前列はさすがに広いです。でも座っちゃいけないっぽいです。
確かに!座席はフルサービスキャリアと同じ!
普通、LCCと言ったら「足元が劇的に狭い座席で数時間我慢」みたいな感じになってしまうんですが、このエアプサンは違うんです。
まずその点でかなりポイントが高いです。
こんなの初めて、、、な体験
セントレアは11分遅れの10時56分にブロックアウト。さすがに初便のゴタゴタに巻き込まれましたね。そして滑走路(RWY)は着陸時と変わってRWY18からの離陸となりました。自席から前を眺めます。僕の席は32D。後ろから4番目の席です。A321はやはり長いです。
後ろからキャビンを撮影。この便の乗客は185名。このA321の定員が195名であることを考えると95%の搭乗率。LCC初便にしてはかなりの搭乗率を誇っています。これくらい高い搭乗率が続いて欲しいものです。
そしてトイレに入りました。
するとすごい揺れが!!!
壁を持っていないと立っていられないくらいの揺れです。機体後方とあって揺れが非常に強いです(重心から遠くモーメントが大きいため)。
なんとか揺れが収まったところで出ようとしたら、クルーから、
「オスワリクダサイ」
「ここ(トイレの中)で、、、ですか?」
「ハイ」
ということでトイレに閉じ込められたわけです。でもトイレって意外と快適なんですよ。腰かけてみるととても広いんです。「着陸までここにいたいなぁ。」と思えるくらいで、「逆に揺れが収まらないといいなー。」なんて思ってしまいました。窓がないのが難点ですけどね。
ドアの向こうではクルーが大きな声で「オスワリクダサーイ」と叫んでます。「まだ出ちゃだめなんだな、しめしめ。」とそのままトイレに居座りました。
そして揺れが収まった頃、クルーがコンコンコンとドアをノック。僕はやっとトイレから出ることができました。
まぁそんな話はどうでもよくて、初便搭乗記に戻りましょう。
充実の機内サービス
落ち着いたところでシートポケットでも漁ってみましょうか?シートポケットの中身は4点。機内誌(FLY & FUN)、免税品本(FLY & BUY)、ゲロ袋、安全のしおりです。
FLY & FUNという機内誌には東京をはじめ、日本各地、韓国各地の観光案内が載っていました。日本路線専用の機内誌なんでしょうかね?
カートでサービスが始まりました。(後ろのコンパートメントは後ろからサービスされます。)
なんとエアプサンでは、
無料で機内食が出るんです。
もちろん飲み物も無料です。信じられますか?LCCですよ。LCCでは基本的に機内食は有料のはずです。
中を開いてみてさらにビックリ。かなりまともなご飯じゃないですか!!!
これ、簡単に言うとハンバーガーのパティがチャーハンの上に載ったような感じです。味もハンバーガーのお肉みたい。
今まで乗ったLCCの機内食の中で一番美味しいんじゃないの?
くらいの美味しさでした。ホント、嘘じゃないです。無料でこの味はすごすぎます。
機内誌にもご飯メニューとして路線ごとにどんなものが出るか写真が載っています。ここまでしてくれるLCCって他にないですよね?エアプサン、すごいです。
僕の食べたヤツはこれ。釜山=成田、新千歳で出る機内食のようです。これの正式名称はJuicy Grilled Short Rib Patties Served with Fried Rice。上手く日本語に訳せませんが、さっき書いたみたいにハンバーガーのパティ載せチャーハンみたいな感じでした。
しかしどうやら日本路線に関しては2018年7月30日から無料の機内食はなくなるようです。(新千歳線は除く)
(エアプサンHPより)
ちょっと残念、いやかなり残念ですね。
鳥取上空です。ちなみにこの便の巡航高度は34,000ftでした。
クルーの写真撮影不可とは何ごとか!
「せっかくの初便なので」とクルーの写真を撮ろうとしたところ、「やめて下さい!」と拒否されてしまいました。なので後ろから撮ります。「ケチくさいこと言うなよー」って思いましたが、ダメなものはダメなので従いました。韓国キャリアのクルーは写真に関してかなり厳しいです。SQなんかはむしろ撮って下さいって感じなのに、韓国キャリアはその真逆を行っています(大韓航空もアシアナ航空も)。特にこの後ろ姿のクルーはとても綺麗な方だったので非常に残念でした。(セレモニーの花束贈呈の時に思いっきり写真撮られていますけどね…。)
座席は通路側ですし、エアバス機はドアに大きな窓がないので、小さな丸窓から撮るしかありません。でも丸窓から見る小さなウィングチップもいいもんです。
名古屋から最も近い海外旅行先
はや、ディセント開始。飛行時間は1時間20分とのことでしたので、釜山は国内旅行の感覚ですね。福岡とさほど変わりありません。窓側の人に頼んで一枚撮ってもらいました。釜山の街並みです。到着時に「美しい海がある釜山に到着致しました」なんて洒落たアナウンスがあり、ちょっと感動しちゃいましたが、上空から見ても釜山は海が本当に綺麗な街です。
通路側から強引に望遠レンズで海岸を。
到着したら沖止めでした。釜山は比較的大きな空港ですが、ブリッジが足りないのか、エアプサンはみんな沖止めされていました。
そしてバスに乗ってターミナルに向かいます。これにてエアプサン、中部発釜山行き初便は完結したわけです。
まとめるとLCCらしくないLCCです
最後にエアプサンのまとめ。エアプサンはLCCと言いつつも、全然LCCらしくありません。特徴を復習してみます。- 席が狭くない (A321で195席/LCCのA321は220席程度)
- 座席指定が無料
- 機内食や飲み物が無料 (2018/7/30から適用外)
- 手荷物が15kgまで無料 (グアム線は23kgまで無料)
えっ!これでLCCなの?
って思いませんか?エアプサンはLCCの特徴を全く兼ね備えていないLCCなんです。フルサービスキャリアのアシアナ航空と何ら遜色ないじゃないですか。アシアナ航空とコードシェアしている意味がよく分かりました。
しかしフルサービスキャリアと遜色ない割には運賃は安く、今回僕が支払った運賃はたったの3,000円です。まぁそれに何だかんだ加わって6千円くらいまで行っちゃうんですけど、6千円台で乗れれば何の文句もありませんよね。(詳細:運賃3,000円+燃油サーチャージ800円+空港利用料2,570円=6,370円)
たったの6,370円で釜山まで行けてしまうんです。セール運賃というカラクリはありますがこれはすごいです。ちなみに今日、他の日の運賃を調べてみたところ名古屋(中部)=釜山は5,000円というのが最安値でした。セール運賃よりも2,000円高いだけです。
エアプサンは今、買いですよ!
ということで初便レポートはこの辺で終わりたいと思います。冒頭に書きましたが、セントレアは5番目の就航都市ということで、既に成田、関空、福岡、新千歳からも飛んでいますので、是非是非この快適すぎるLCCを使って韓国旅行に出かけてみて下さい。
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