イケてる航空総合研究所

ビジネスクラス搭乗記、弾丸旅行のノウハウ、マイルの使い方、貯め方、航空事故の真相などなど。

エティハド航空A330ビジネスクラス搭乗記【EY889便 名古屋(中部)-北京】

君が想い出になる前に♪

6月22日、夏至の翌日でも20時になれば外は真っ暗。そんな夜のセントレアにやってきました。これからエティハド航空に乗って北京に飛びます。


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エティハド航空のA330はもうセントレアでは見られません。7月2日からA330が787に機材変更されています。そして、このエティハド塗装は見られなくなっています。787は全て新塗装ですからね。そんな「君が想い出になる前に」乗っておくのは、マニアとしての義務なんです。前を知らずして後は語れません。A330を知らずして787は語れないのです。

なんて格好いいことを言いつつ、本当のところを言うと、7月に計画している北京旅行で、北京から帰って来るのに北京発券のエティハド航空に乗ろうと思っていたのですが、北京発の航空券を取ると燃油サーチャージ等が激しく高いので断念。仕方なく日本発券にしたというわけです。日本発券にすると、1回余分に北京に行なければなりません。その余分な一回が今回なんですよ。

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(こちらが本フライトの後に乗った787の搭乗記)


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チェックインカウンターもひっそりとしていました。お姉さんにE-ticketの控えを見せると突然、

「お客様~、ビザは???」

と困惑の表情を浮かべながら言われます。「何のこっちゃ?1泊2日の旅行になんでビザが要るねん?」と思いました。

しかし次の瞬間わかりました、僕の旅程が約1か月の旅程になっていたからです。往路は6月22日復路が7月19日だからです。中国では15日を超える滞在の場合ビザが必要となります。

「あ、明日帰りますので…」

と答えると、一瞬戸惑いながらも「明日のお帰りの航空券はお持ちということでしょうか?」と聞かれます。「持ってますよ」と僕。では「念のため、航空会社名を教えて頂けませんか?」

パキスタン航空です。

と答えるとそれ以上何も聞かれませんでした。きっとさぞかし混乱したことと思います。往路と復路の日にちの離れた航空券を持ってきながら、「明日帰る」しかも「パキスタン航空」ですよ。

意味わかんねーよコイツ!

と思ったに違いありません。

「触らぬ神に祟りなし」と思われたかどうかはわかりませんが、僕は黙ってリリースされました。

21時のセントレア

この時間のセントレアの選手たちを紹介しましょう。


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20時50分発ユナイテッドのグアム行き、そしてエティハドの北京経由アブダビ行き、22時ちょうどのJALホノルル行き、22時25分発のジェットスター台北行き、そして0時30分のタイ、バンコク行きです。意外と夜遅くまであります。


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こちらがユナイテッドのグアム行き。偶然にもうっかり「コンチ」とかって言っている人を見掛けました。気持ち、すごくわかります。どう見たって「コンチ」ですもん。グアムと言ったら「コンチ」ですよね。(コンチ=コンチネンタル航空、ユナイテッドと合併まではコンチネンタル航空が運航していた路線)


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こちら「でら夜便」と愛称のついたタイ航空の787です。これに乗れば仕事帰りどころか、家に帰って家事を終えてから出発することができます。次回、これに乗って早朝にバンコクに到着しそこからどこかへ飛んでみたいものです。

遅れ発生!

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出国を終え15番ゲートの前にやってきました。この時間の保安検査場、出国は空いていました。


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ゲート前は中国人がほとんどでした。なるほど、この便の最終目的地はアブダビですが、きっとアブダビに行く人は少なくて、中部-北京で乗る中国人がほとんどなんだと思います。

中部-北京-アブダビとなっていますが、2つの区間はほぼ別と考えてよく、中部-北京、北京-アブダビは乗客総入れ替えのようなことが起きるんでしょうね。

ここで不穏な空気が、、、搭乗予定時刻になっても搭乗が始まりません。係員のお姉さんに聞くと「機材不具合で、、、」とすごく不安なことを言われました。その少しあと「北京悪天候のため、管制から出発の許可が得られません」との放送が入りました。どうやら遅れるようです。「ラウンジにてお待ちください」とお姉さんに言われたので、僕はラウンジに戻りました。

スタアララウンジ貸切状態

ラウンジに行くと客は僕一人でした。ガラガラのセントレア、スターアライアンスラウンジ。こんな経験は初めてです。


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いやー落ち着きますねぇ。


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これぞ男の隠れ家!

何だかとてもリラックスできました。いつもは他の乗客がいるので写真撮影も若干はばかられるのですが、今日だけは堂々と撮れます。周りに気を遣わなくてもいいってことはホントいいことですね。

せっかくなのでセントレアのスターアライアンスラウンジを紹介します。


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ドリンクコーナー。


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いなり寿司やサンドイッチ類、おにぎり。


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カップヌードル。


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チキンナゲット。(←これ、あまり美味しくなかったです)


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そしてカレーがありました。

僕はこの日、機内食を楽しみに21時まで何も食べずに頑張ってきたので、もう腹ペコで死にそうでした。だからこれ以上我慢ができなかったんですよ。ラウンジで食べると機内食がもったいないと思ってしまうのですが、ここで少し食べちゃいます。


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マッシュルームとビーフが入っているカレー。これ、カレーマルシェじゃないですかね?レトルトカレーを何袋か切って開けてる気がします。

そして食後はラウンジ内を散策。


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マッサージチェアなんてあったんだ!

ラウンジの一番手前、入口よりも手前のところにマッサージチェアがありました。きっといつも埋まっているんでしょうね。いるのは僕だけですので、遠慮なく15分コースを試してみました。

あ~極楽、極楽…。

あっという間に終わってしまいました。

するとラウンジのお姉さんが申し訳なさそうに僕のところに来ました。「まもなく搭乗が始まります」と。意外と早かったです。22時半の搭乗予定と言われていましたが、この時点で22時。1時間の遅れくらいで出発できそうです。

A330のビジネスクラス

エコノミークラスの行列をよそに僕はこちらからお先に―!


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プライオリティボーディングのゾーンです。僕以外に誰も並んでいなかったので、「もしかして僕一人?」といい予感が頭をよぎりました。


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搭乗すると、「こんばんわー」と日本語。すかさず「写真撮っていいですか?」と聞き、キャビンの撮影大会となりました。「本日はビジネスクラスお客様おひとりですのでお好きな席にお座り下さい。」

えー!僕ひとりー?!

ガッツポーズが出ました。


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こんな広いキャビンに僕一人ですよ。最高じゃないですか。まるでA330プライベートジェット状態です。

写真撮影がはかどります。いつもならなるべく他の乗客が写らないようにと気を遣うところが、今回は何も気にしなくてもいいいという贅沢。ゆっくり撮らせてもらいました。


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エティハド航空A330のビジネスクラスはスタッガードになっていて、上の写真が一人がけの通路側です。


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こちらが窓側です。


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真ん中席は隣同士になれる席と、離れ離れになる席が交互に並んでいます。


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僕は奥の窓側の席を指定しました。やっぱり奥まった席が落ち着きます。ただ、このスタッガードはやはりちょっと足元が狭いです。


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ウェルカムドリンクはオレンジジュースをもらいました。サイドテーブルは少し小さいですね。

結局1時間遅れで出発

乗客が乗り込んでからはスムーズでした。元々遅れていることもあって、遅れてくる客は少なめ。

とりあえずモニタに地図を出したかったのでモニタを触ってみます。


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映画、音楽、ゲーム、マップ、一通り揃います。


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セントレアRWY18を離陸し機体はすぐに右旋回。右側に座っていたので明るく輝くセントレアを見ることができました。


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はい、地図です。夜なので外は見えず、この地図だけが頼りです。

夕食 with F&Bマネージャー

さあお食事の時間です。白いジャケットを着たジェントルマンが僕のところまでオーダーを取りに来てくれます。白いジャケットを着た人は「Food & Beverage Manager」(フード&ビバレッジマネージャー)と呼び、食べ物やお酒などについて色々と教えてくれる人です。

他のエアラインでは、そんな人は乗ってませんよね。エティハドが機内サービスに力を入れていることがよくわかります。

ジェントルマン曰く「ホテルにはシェフやコンシェルジェ、ナニーなど様々な役割を持つ人がいるでしょ、我々はホテルと同じようなサービスを提供するんですよ」

ん~、さすがです。


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アラビア語は読めませんが、何だかお洒落なブックレットです。


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前菜はスモークサーモンかトマトスープ。前菜から選べるんですねぇ。メインはメバル木の芽焼き、ラム肉のビリヤニ、野菜のラザニアからのチョイスになります。デザートは抹茶ブラウニー、フルーツ、アイスクリーム各種です。


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飲み物も充実。コーヒーの充実度がそのエアラインのサービス品質の高さを表していますよね。


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機体は米子から日本海に出たところです。


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まずはナッツからスタート。これでお腹を膨らませてはいけない、と思いつつ、ついつい手が出ちゃいますね。


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はい、出てきました。スモークサーモンも大きなお皿に載っていて美味しそう。実際、美味しかったです。トレイがまたお洒落な感じです。


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左上のカップの中には天ぷらが入っていました。機内で天ぷらってあまり出ない気がします。味はちょっと微妙でした。さすがに機内食で天ぷらは難しいでしょう。サクサク感が失われ、衣はたる~んとした感覚になってしまっていました。


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こちらがメインのラムのビリヤニ。ビリヤニ???一度シンガポール航空の機内で食べた記憶がありますが、エティハドのはどうなんでしょうね。

ビリヤリの解説 by F&B マネージャー

ビリヤニとは中東の伝統的な料理。国によって具材が違っていて、このビリヤニはサフランライスにレーズンが入っていますが、国によってはパプリカを入れたり異なるアレンジで出すんです。

と、白いスーツのFood & Beverage Manageが教えてくれました。ホント色々と知っていて、1聞くと10返ってくるよな感覚なんですよ。しかも僕しか乗客がいないので、まさに専属クルーという感じでした。

そして肝心のお味はというと、、、これ、美味しいんですが。薄味すぎてちょっと物足りないんですよ。味が薄過ぎて、生まれて初めて、添えられているお塩と胡椒を使ってしまいました。

先ほどのマネージャーが「お味はどうでしたか?」と聞いてきたので、思い切って言ってみました。「美味しいんですが、ちょっと味が薄くて塩コショウが必要でした」と。そしたら「なるほど、わかった!それはきっと日本で作られたビリヤニだからですね。多分、スパイスを入れていないからだと思います。本場のヤツはもっとスパイシーでフレイバーなんです。」と。

確かにセントレアのケータリングが作っているわけですから、どうしても日本風のアレンジになってしまうことは否めません。海外で食べる日本食が美味しくないのと同じ理屈です。きっとレシピが正しくても、コツがつかめず忠実な味が出せないんですよね。

マネージャー曰く、「今度中東に行ったら、ビリヤニを是非食べて欲しいです。あちらのビリヤニは辛くて食べられないときがありますよ。だからヨーグルトと一緒に食べるんです。口の中の辛さを除去しないと食べられないですからね」。

なるほど、ビリヤニについて非常によくわかりました。さすがのF&B Managerの解説でした。


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ビリヤリにはパンもついてきます。色々と表面についているパン、こういうの好きです。


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そしてデザートは抹茶ブラウニー。僕が「これは日本のものだからきっと美味しいですよね?」と聞くと、「中間だね(in between)」と。あ、そうか、ブラウニーは日本じゃありませんもんね。さすがマネージャーです。正確さを欠きません。

最後にこのマネージャー、僕にお皿を持ってくるたびに、「イタダキマス」という日本語を言い残して去っていきます。「いただきます」じゃなくて「召し上がれ」じゃないんかな?と思いましたが、指摘するのはやめておきました。F&Bマネージャーのなりの演出かも知れませんから。

A330プライベートジェット!

キャビンに僕一人というのは初めての経験です。これは大チャーンス!僕はおもむろに席を立ちました。


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キャビン正面から!


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キャビン後ろから。


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ホントに素敵なキャビンです。

F&Bマネージャーが言っていました。「もうすぐ名古屋線は787になりますから、もっと広くて快適なキャビンになりますよ」と。「実は787に乗りたくて、7月の中旬にもう予約入れてあるんです」と言うと驚いていました。

A330でもこんなに快適なのに787になったらどんなキャビンが待っているのでしょうか?楽しみでなりません。


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さぁ、座席をベッドにしてみましょう。


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もちろんフルフラットです。キャビンが少し暗かったのですが、僕が写真を撮っているのに気付いたクルーが、「明るくしましょうか?」とキャビンの照明を調整してくれました。僕一人っていいですよね。照明の明るさまで変えてもらえちゃうんですから。

大雨の北京へ

セントレアで管制のフローコントロールが掛かっていると言われましたが、フローコントロールかかる理由が分かりました。北京に近づくにつれて無茶苦茶機体が揺れるんですよ。

降下中も大粒の雨が、窓を左から右へと高速で流れて行きます。


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モニターに映し出されるランウェイ。これが見えたのは本当に着陸直前でした。


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大雨の北京首都国際空港に到着。スラストリバーサー(逆噴射)が滑走路の水をまき上げているのがよくわかります。すごい雨が降っていたんですね。


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減速してスポットまで向かいます。


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窓が曇ってしまいましたが、エアチャイナの隣に到着。アブダビ行きの乗客は機内に留まるように放送が掛かります。


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そんなわけで、1時間遅れの到着でした。色々と教えてもらったF&Bマネージャーには「また来月787で会おう!」と言われ降機しました。

いやー、エティハド、良かったです。ビジネスクラスに乗客が僕1人という幸運もあったかも知れませんが、全てにおいてワンランク上なサービスを提供してくれたように感じました。中東キャリアのホスピタリティは群を抜いていますね。

実は初めてのエティハド航空。なれるものならリピーターになりたいです。

素晴らしいエアラインでした。


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