子供ギャン泣き事件発生
先日搭乗記をお送りしたバニラエアの台北=沖縄線。一番後ろの窓側に座ったんですけれども、反対側の3席と僕の隣まで5席に小さな子供連れの家族が座ってきました。ごくごく普通の日本人の家族という感じで、家族で台湾に遊びに行った帰りといった様子でした。その子が離陸前にギャン泣きして困っちゃいまして…。
いや、僕が困ったんじゃなくて、困っていたのはお父さん、お母さん、そしてCAさん。
どうやら親が抱っこしながら離陸するというのはルール上アウトらしく、ちゃんと着席してシートベルトをしないと離陸できないみたいなんですよね。座席を買わない年齢だと抱っこするしかないんでしょうけれども、座席を買っている場合はちゃんと着席しないといけないという意味かな?と理解したんですが、実際どうなんでしょう???(その子の場合は座席を買っていたものと思われます。)
グズる子供を無理矢理座席に座らせてシートベルトをするのは非常に難しいんですよね。これがまたハンパない抵抗で、本当にすごい。最後は何とかベルトをしてくれて何とかなったんですが、そこに至るまでが、こちらが泣けてくるくらいの長い長い闘いで、本当に大変でした。心から同情します。
機内で子供が泣く理由
以前、機内で泣く子供がうるさい」とう議論がネットで話題になったことがありましたが、子供が泣く気持ちや、泣く子をあやす親の気持ちって、親じゃないとわからないんですよ。機内で子供が泣くのって耳が痛いからだと勝手に思っていませんか?あれは典型的な大嘘です。もちろん耳が原因で泣く場合もあるんでしょうけど、実はそんなタイミングで泣くのは稀だと思っています。一番多いのはまさに僕がバニラエアの機内で見た「シートベルトをするとき」なんですよね。機内の子供がうるさいと思っている方、よくよく思い出して下さい。子供って離陸前と着陸前に泣くと思いませんか?
離陸前は気圧変化はありませんので、耳が原因という理由は有り得ません。着陸前はまさに気圧が変化しつつあるときですので、耳が原因というのもあり得るんですが、大抵は着陸に備えてシートベルトをするタイミングで泣いています。小さな子を持つ親御さんにはきっと「そうそう、そうだよね」とご納得して頂けるかと思います。実際僕も同じ経験があります。
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抱っこしていた子を座席に座らせると大体泣いちゃうんですよ。そしてシートベルトという得体の知れないものをしようとするともっと泣く。あれ、ホント困っちゃいますよね。なんで泣くかってそんなもの僕にはわかりません。子供に聞きたいです。でもとにかく泣いちゃうんですから困ったものです。しかも何をやっても泣き止まないことがあるんですよ。おもちゃを与えれば泣き止むだろう、面白い顔をすれば泣き止むだろう、おっぱいを飲ませれば泣くだろう。
そんなの甘いですって。
何をやっても泣き止まないときがあるんですよ。ひたすら泣いて泣いて泣いて、涙が枯れて、もう疲れてどうしようもなくなったらやっと泣き止むなんてことはよくある話です。
僕がバニラエアで出会った光景は、まさにそんな光景でした。
経験がないとわからない
僕は完全に「泣く子擁護派」です。子供は泣いて当たり前。泣く子を批判する人は嫌いです。そういう人は大体子供がいないか、ちゃんと子育てしたことがないか、30年前に子育てしたけど喉元過ぎて忘れてしまった人です。子供が泣き止まない光景を見て、
- 親は何をやっているんだ。
- 努力していないんじゃないか。
- 育児放棄しているんじゃないか。
なんて思っている人、いませんか?そんな人は一回赤ちゃんに戻って下さい(笑)。
経験するまでわかりません。
僕自身、子供がいない頃はそう思っていましたからよくわかります。当時の自分に「オマエ一回死んでこい」って言いたいくらいです。
ココイチでの出来事
以前、ココイチに行ったとき、4歳の子(当時)が、上に書いた機内の子と同じような状況になってとても困ったことがあります。シートベルトをしなくてもいい広い飲食店でですよ。しかもある程度分別が付きそうな4歳。そんなところでもひたすら泣きじゃくる事件が発生するんです。お腹が減って機嫌が悪い、眠くて機嫌が悪い、最強なのはその重ね合わせの状態です。この状態に陥ると本当に何をやっても泣き止みません。親はもう放棄するしかないんです。(マスターおよび従業員の皆様、そして他のお客様、大変なご迷惑をお掛けしました。)
4歳児は想像以上に生意気ですから、無理に泣き止ませようとして構えば構うほどいちゃもんを付けてきて火に油を注いでしまいます。子供が自ら心を落ち着けるまで待つしかないんですよ。泣く子供に対して放棄しているように見える親は、それが一番効果的だからです。
子供がいる人には「そうだよねー」とわかりますが、いない人には絶対にわかりませんよね。要するに経験しないとわからないことってあるんですよ。それが10年前の僕だった気がします。
ふり返ってまで見てやるな
男性には生理痛がわからないですよね?女性はタマタマを蹴られた時の痛さがわかりませんよね?簡単に言えばそれと同じことじゃないかなぁと。という想像ができる人は素晴らしいんですが、「この親は何をやっているのか」とジロジロ見る人がいるんですよ。実際いました。すぐ近くに座る若い男性。子供の泣き声が大きくなる度に「一体何やってんだ?」と言わんばかりに何度もふり返るんです。
かわいそうになぁ
と思って横目で見てました。
「このパターン、何やっても無駄なんだよなー」と思いつつ、「そんなにふり返って見てやるなよ」と僕はあわれみの心でその家族を見て見ぬふりをしていたのです。
ただただシートベルトをしようとしているだけなんです。それが子供にとっては嫌なんですよ。ふり返って見る方からしたら、「なんかすごい虐待でもしているんじゃないか?」って思うんですが実際何もしてません。子供がシートベルトをしないといけない状況を理解できず、機嫌が悪くて泣いているだけなんです。
だからジロジロ見ないであげて欲しいんですよ。ホント何もしてませんから。
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虐待事件への見方も変わる
ちょっと話題が逸れますが、最近、児童虐待の話題には事欠きませんよね。僕が懸念を感じるのは、虐待→はい、悪い親
という単純な図式のみであることです。その背景にある親の苦労・苦悩が全く考慮されていないことに憤りを覚えます。中には想像を絶するような暴力事件もありますが、僕が虐待の事件を見ると「親の気持ちもわからんでもない」というものも時にはあります。(心愛ちゃん事件は別です。)
虐待の前にどんなことがあったかってのを誰も見ていないし見ようとしていないんです。親に子育てのどんなストレスがあったかとか、親がどんな気持ちでその子と「産まれてからずっと」向き合ってきたかとか、そういった辺りを考慮して本当にその虐待事件を語れると思うんですよね。
随分前に三つ子を生んで1人を殺してしまった事件がありましたが、そのお母さん、睡眠時間が毎日1時間くらいだったそうです。そんな状態子育てすれば子供を殺したくなるような精神状態に陥るのは男である僕でも理解できます。
1人産んだだけでも大変ですもん。それが3人もいたら想像できないくらいのストレスだと思います。裁判の結果は、執行猶予なしの実刑判決。そんな判決を下した裁判官はきっと独身か、まともに子育てしていない人なんじゃなかと思ってしまいます。
子供が0歳とか1歳とかそんな年齢なのに「幸せ真っ盛り」という構図は絶対ウソです。完全に間違ったステレオタイプです。中にはそういう人もいますが、そう思っている人は、実家のサポートが超手厚い人でしょうね。逆に母親だけでワンオペ育児している人は毎日が地獄でしょう。
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要するに現場を知っている人が見るか、現場を知らない人が見るかの違いです。例えば、僕は飛行機専門なので、飛行機事故などの報道を見ていると、「これ間違ってるなー」とか「ちょっと結論が短絡的過ぎるなー」とか思うことがよくあるんです。
それと同じで、子供の虐待事件に対する報道も、子育てが現在進行形で毎日が修羅場みたいな人と、全く現場を知らない人では全く反応が異なってくると思うんです。
この記事をアップする前、たまたまネットを見ていたらこんな記事を見つけました。僕が書いた内容と非常によく似ています。
ギャップは埋まらない
話は戻って、機内で泣く子供を見て、大声を出す度に「何が起きたんだ!」とジロジロ見る若い男性を見て、「オマエ全然分かってねーだろ」ってすごく言いたくなっちゃいました。そんなに簡単に泣き止ますことができたら親はすぐにでも泣き止ませますって。どうしようもないから放棄しているんです。ホントにどうしようもないわけですよ。親にならないと絶対にわからない。
現場を知る者と知らない者のギャップは埋まらない。
ジロジロ見る男性を見ながらそんなことを感じてしまいました。
お断りしておきますが、僕が言いたいのは「子供がいない人は不理解だ」と言っているわけではなく、「子供に絡むトラブルは、子供がいない人には絶対にわからない」から、「少し大目に見て欲しい」ということです。
親の立場としてかなり偏っているのは自分でもよくわかって書いています。その点をどうかご理解下さい。小さな子を持つ親が生きづらいと感じる世の中だとずっと感じてきましたので、飛行機の中での出来事からだいぶ発展させて僕の意見を書かせて頂きました。
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