エアインディアの以遠ルート
2018年8月に行った香港弾丸1泊旅行のお話です。復路に選んだエアラインはエアインディア。一度乗ってみたかったんですよねー。「エアインディアに乗りたかったらインドに行かなきゃいけない」なんていうのは単なる思い込みでして、デリー=香港線が関空まで足を延ばしているので、以遠区間である香港=関空で乗ればいいんです。必要マイルもビジネスクラスで往復43,000マイルとインドに行くよりも若干お得に乗ることができます。香港を朝8時5分に出発するというのはちょっと早いと感じるんですが、往復ANA利用というのも味がないですので、滞在時間を犠牲にしてでもエアインディアに乗ることに決めました。
タイ航空のラウンジに行ってみた
チェックイン時、「ラウンジはPlaza Premium Loungeが使えます。」と言われインビテーションを渡されます。「ただ、お客様はスターアライアンスゴールドメンバーなので、タイ航空のラウンジも使えます。」と言われました。スタアラゴールドじゃなければPlaza Premium Loungeのみ。スタアラゴールドであればタイ航空のラウンジも、というルールのようです。香港のPlaza Premium Loungeは行ったことがありますし、結構混雑していた記憶があるので、今回はタイ航空のラウンジに行ってみました。
これからタイ航空に乗るような気持ちにさせられますねぇ(笑)。
行ってみて「ここはアタリだ」と感じました。激混みのPlaza Premium Loungeを尻目に激空き。ほとんどお客さんがおらずとても快適に過ごせました。
床が白くてカラフルなイスが並ぶお洒落な空間。朝からこんな空間に身をゆだねると、なんだか心の中から元気になってくる感じがします。
ラウンジ群はコンコースよりもワンフロア高いところにあるのですが、コンコースと窓の外の景色の両方が見えるのがよいですね。朝に雨が降って、せっかくのキャセイのA350が滲んでしまっているのは残念ですが…。
Plaza Premium Loungeのより食べ物は充実していませんが、アメリカンブレックファースト、中華系の朝食になるようなものは置いてあります。
こちらはコーヒーや飲み物、カップラーメンなどのコーナー。
サンドイッチとかシリアルなんかもあります。
このラウンジの素晴らしいところはアイスクリームがあるところ。ネスレのバニラとチョコのカップアイスが置いてありました。一瞬迷いましたが、朝からアイスは食べられませんでした。
この日は朝5時起きで朝ご飯を食べていなかったので、焼売、海老餃子、ソーセージと厳選して食べ物を取ってきました。結構質が高くて美味しいです。
と、こんな感じでとても居心地のよいラウンジでした。でも、ここが惜しいです↓
半シースルートイレ
お洒落に見える半透明ガラスですが、トイレの扉だけはクリア素材でない方が落ち着きますね。重要な案件を済ませているときに、外に人影が見えるのはすごく嫌です。
スポットは端の端だった
ラウンジから何となくエアインディアの尾翼が見えてはいたんですが、歩くと遠いこと。そして出発30分前にゲート前に行ってもまだ搭乗は始まりませんでした。これから乗る関空行きはデリーから飛んで来ているAI314便の第二区間目。香港では関空までの乗客は降りません。機内で待機しているようです。
一番端のスポットだったのでこれ以上左へ行けず、機体全景はおあずけとなりました。
仕方がないので機首部のドアップで我慢します。インドの国旗、スタアラマーク。そしてエアインディアの塗装の特徴は窓ひとつ一つに可愛らしい縁取りが施されていること。こんな細かい芸当が美しいエアインディアの機体を形作っているんです。ボディの色も白ではなくややクリーム色っぽい白。絶妙な色使いが独特な雰囲気を出していると感じました。
スポンサードリンク
2-2-2が3列の豪華配列
いよいよ機内へ入ります。L2ドアからのボーディングとなりました。機内には既に人がいるので一番乗りとは行きませんでしたが、ビジネスクラスには2組しか乗客がおらず、とても撮影しやすい環境でした。近寄って来るオバちゃんクルーに「いや~僕、飛行機が好きでして…」なんて言うと「見ればわかるわよ」みたいなこと言われちゃいまして何だか恥ずかしかったです(笑)。
僕の席は3A。3列目がビジネスクラス一番後ろの列になります。787のAコンパートメントに3列しかないというのはかなり贅沢な空間の使い方です。
フラットにしても前の座席の下に足が入り込まないところが贅沢なところ。工夫して詰め込むという発想がなく、フラットになるサイズのシートを空間に目一杯並べるというだけの配置です。写真から広々とした感じが見て取れると思います。
空席が多い時はこの座席配置が一番好きだったりします。何故なら2席を一人で使えるため、かなりのパーソナルスペースを確保できるからです。スタッガードやヘリンボーンではできない贅沢です。
真正面から見ると普通の2席並びの席にしか見えませんが、、、
このオットマンが贅沢品で広々としたベッドを作る上で欠かせないものになります。
フラットにしてみました。完全にフラットにはなっていないように見えるのは、巡航時のピッチアップ分(2~3度)を考慮してのことなんでしょうか?
スリッパも用意されています。日本人には嬉しいサービスです。
電源もUSBも標準装備されています。
ゆったりと香港の空へ
ビジネスクラスの搭乗率は半分以下。空席が目立ちました。恐らく日本人と思われるビジネスマン、インドから乗っている女性2人組、日本人家族3人などです。サービスは余裕そのもの。
ウェルカムドリンクはなんとカートでサービスされます。サービス水準は高いです。
定刻にプッシュバックし、ランウェイに向かいます。窓が曇っちゃいまして、隣を並走していたキャセイの777もこんな風。
先行していたキャセイの747-8Fに続き、ランウェイにアラインします。機体をランウェイに載せるとき、どうしても前脚は中央線よりも外側にはみ出しますので、機体の前の方に座るとランウェイを真っ直ぐに見ることができます。
チェクラプコク空港を東向きに離陸しました。
そのまま東進するかと思いきや、見えているのは深圳の街並み。つまり北上しています。
香港=日本路線は中国上空を通らないと思っていましたが、どうやらこの時は中国本土を通るコースでした。
いやー、空いているビジネスクラス。ゆったりとした空気が流れていますね。
スポンサードリンク
カレー下さい!
朝8時発ということで機内食は朝食という扱い。メニューが配られました。
Starter、Choice of Eggs、Vegetarian Fare、Hot Beveragesという構成です。Choice of Eggs とVegetarian Fareは幾つか種類を選べます。どうやら卵料理とベジタリアンは2つのカテゴリから1つを選ぶみたいで、勝手に卵料理にされそうなのを遮って、「カレーを下さい」と言ってカレーにしました。カレーはVegetarian Fareの一番上。インディアン・フラット・ブレッドがついてくるという点も魅力的でした。
はい。これです。
左はドロっとしたカレー。真ん中は日本のおからみたいなパサパサしたヤツ。左はポテトのカレー和えみたいなヤツでした。どれもクセがなく、日本人にも美味しく食べられる味でした。エアインディアの機内でカレー。食べてみたかったんですよね。もっとすごいのが出てくるかと思いきや、意外と誰にでも食べられる味で若干拍子抜けしてしまったくらいでした。
食事の最後に「お食事はお楽しみ頂けましたか?(I hope you really enjoyed the meal)」と聞かれたので、「インドのカレーと日本のカレーは全く違うと聞いているけど、これは日本人が好む味だったよ。」と言っておきました。どのエアラインに乗っても機内食のフィードバックを聞かれることが多いですね。
パンはクロワッサンと平たいインドパンとやら。
インドパンはもっと硬くてパサパサしたパンを想像していたんですが、結局クロワッサンと同じ。生地が何層になっている感じまで同じでした。しかも非常に油ぎっていて、絞ると油が垂れて落ちてきそう。非常に食べにくいパンでした(泣)。これはハズレでした。
食後はもちろん紅茶。チャイとかないのかな?と思いましたが、紅茶かコーヒーかと聞かれたので素直に紅茶にしちゃいました。
まったりと日本まで
日本までは3時間。往路は成田発とあって飛行時間が4時間あったんですが、帰りは追い風ですし、到着地が関空なので飛行時間は3時間。比べてしまうと短く感じますが、十分にくつろげる時間です。ご飯を食べれば「特にやることなし」なので寝ますかね。
日本映画も1本のみですし。
ということで、お布団を出してお昼寝することにしました。
起きたらはや四国。いやー久々に飛行機の中で寝ました。この日は飛行機の中でPCを叩かないと決めたので、非常にゆっくりすることができました。僕の場合は強制的に休息日を作らないと無限にブログを書いてしまいそうですから(笑)。
スポンサードリンク
旋回の外側だけど絶景コース
関空は北からの進入でした。鳴門海峡大橋を左に見ながら一旦神戸の辺りまで北上します。
神戸空港手前で右旋回。先回の外側ですが、機窓を楽しめる方向は絶対に左側です。
続いて大阪南港。窓が汚くて綺麗に撮れないのが悔しいです。
そしてファイナルターンをしてRWY24Rにアラインします。
橋が見えました。「どちらに降りるんだろう?」と思っていましたが、新しくできたBラン(RWY24R)でした。
スポットインすると、隣にはエバー航空A330の尾翼とウズベキスタン航空B6の尾翼がありました。ウズベキスタン、一度乗ってみたいエアラインですね。
関空もその骨組み故、非常に写真が取りにくい空港でして最後までエアインディア787の全景は撮れず。香港では端のスポットであることが災いして撮れませんでしたので、関空ではちゃんと撮るぞと思っていたので残念でした。
やはりインド品質かも
エアインディアのまとめを書いておききます。これまでの展開ですと、「エアインディアっは世界レベルのエアラインだ」という印象を与えてしまいそうですが、色々なところにインドらしさが出ていましたので、ここまで書くのを溜めておきました。まとめて書きます。ウェルカムドリンクでパインジュースをもらったとき、コップ自体がむちゃくちゃベタベタで、手はベタベタになるわ、置く度にテーブルに輪染み(テーブルに付く円状の染み跡)ができるわで、非常に困りました。しかもウェルカムおしぼりが出ないので手すら拭けない。というビミョーなことがありました。
もちろんドリンクは常温、氷はありません。ぬるーいパインジュースを「う~ん、南国の香りだぜ」と言いながら、極力ベタベタしないところを持って飲んでいました。ちなみにテーブルの輪染みはどうしてくれるんだろう?と思っていたら、それはちゃんとコップを片付けるときに拭いてくれました。
ドリンクをオーダーすると、「With ice? Without ice?」(氷入れる?入れない?)と聞かれるのが普通ですので、その点はエアインディアは若干後進エアラインなのかも知れません。
スポンサードリンク
あと、おしぼりはご飯の前にも出ませんでした。食後にやっと出てきました。しかしタイ航空のおしぼりのように、水浸しで太ももにこぼれてアチチチなんてことはなかったです。おしぼりは最初に出すのが常識と思っていた僕にはちょっとカルチャーショックな出来事でした(食前、食後の両方出してくれるのが一番いいです)。
その他、PCを充電したくてもランプが光らず困りました。要するに通電していないんですよ。オニイサンに「ランプ光ってないけど…」と言うと、「お、ごめんごめん」とか言いながら、キャビンのパネルを操作して電源ONにしてくれるところは若干抜けていますね。でも笑顔で対応してくれたのは素敵でした。
エアインディアはサービス水準が低くても、言うとちゃんと笑顔で対応してくれるところが素敵です。
笑顔が素敵なエアライン
その笑顔なんですが、エアインディアのクルーは目が合うと気持ち悪いくらいの微笑みを返してくれます。トイレに行って出た時、ギャレイでスタッフが円陣を組んで何やら話をしていたんですが、僕が通れないことに気が付いた瞬間、「ニタ~」って笑って「どうぞ」みたいな感じで道を開けてくれるんです。これがアメリカ人だと「あら、邪魔だったかしら?フンっ。」ってパターンになるような気がするんですけど、インド人の場合は「ニタ~」っと気持ちが悪いくらいの笑顔で来るわけです。
もひとつ。僕がバッグから本を取ろうとして隣の席に結び付けてあるバッグに目を移したら、すぐ後ろにオニイサンが立っていることに気が付いて、「はっ!」みたいな感じでオニイサンを見ると、すごい怖い顔をしていたオニイサンがいきなり「ニタ~」って笑うんです。僕も「ニタ~」って笑い返してあげたんですけど、なんだかぎこちなく感じる笑顔も、それが「笑顔」なので何だか微笑ましいんですよね。決して悪い気はしませんでした。
インド人の特性みたいなのは実はあまりよく知りませんが、少なくともエアインディアってのは困ったことがあると「ニタ~」って笑うエアラインなのかも知れませんね。
総合すると、若干抜けている部分があるものの、むしろ「日系エアラインよりも笑顔があっていいんじゃない?」と思えるくらいで、とても好印象なエアラインでした。例えば、シートの電源が入らないとかは、言えばONにしてくれますですので、そういう点は目を瞑ってもよいんじゃないかと思います。
巷でもあんまり評判はよくないですし、「乗ったら嫌いになるかなぁ?」と思っていたんですが、また乗りたいエアラインになっちゃいました。是非是非、エアインディアの「ニタ~」を体験してみて下さい。
スポンサードリンク