新型コロナの影響で撤退
今回は浙江省の省都・杭州から名古屋(中部)へ飛んだ際の搭乗記。浙江長竜航空という中国エアラインを紹介したいと思います。しかし、新型コロナウィルスの影響で早々に既にセントレア撤退済のため「思い出のシリーズ」みたいな感じになってしまいました。(関空からも撤退)中国では新しいエアラインがあちこちで勃興し、何だかよく分からない状態になっていますよね。「あれ?こんなエアラインいたっけ?」なんてのが、ここ数年よく感じていることです。長竜航空もその一つ。いつの間にか名古屋(中部)=西安線と杭州線を開設しており、僕自身全く捕捉できていませんでした。
長竜航空はこんなエアライン。水色をベースとしたちょっと怪しい見た目です。LCCかな?なんて最初は思っていましたが、れっきとしたフルサービスキャリアです。英語ではLoong Air、「ルーングエア」と読むでしょうかね?
そんな謎のエアライン長竜航空に何故乗ることになったかというと、先日、スターラックス航空の就航があり台北からマカオへと飛んだことがきっかけです。マカオに行った以上名古屋まで帰らねばならず、SkyScannerで発見した最安値のルートが、マカオ→杭州→名古屋というルートだったのです。その2レグ目が長竜航空の杭州→名古屋というわけです。
通常、長竜航空はLCC並の激安運賃を提供しており、名古屋=杭州が7,000円台の日などザラにありました。
ところが!!!この日の運賃はなんと4万円!!!エコノミークラスで片道4万円ですよ!この時は春節始まってすぐの土曜日とあって、その値段でも最も安い運賃だったのです。買わないと名古屋に帰れないため仕方なく買いました(涙)。
と言うことで、今となっては日本から乗れなくなってしまった長竜航空の搭乗記をお送りします。併せて、春節を直撃した新型コロナウィルスが中国路線にどんな影響を与えていたのかを少しばかりお伝えできるかと思います。
閑散とした杭州蕭山国際空港
2020年1月25日のこと、コロナウィルスはまだ武漢のみの流行ということで、何となく不安感は漂うものの、まだそんなに大ごとだとは思っていませんでした。春節が始まった初めての土曜日という超絶的な混雑が予想された杭州の空港はこの通り閑散。ただ、杭州は国際線が少ないため元々そんなに混雑ない空港なのかも知れません。
杭州空港には国際線ターミナルと国内線ターミナルの2つがあり、こんな通路で繋がっています。
真ん中に川が流れていまして、橋が架かっておりまして、若干、いや、かなりの手抜き感がみられる造りになっております…。
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長竜航空のチェックイン列に並ぶ
何故か長竜航空は国際線ターミナルではなく国内線ターミナルでのチェックイン。国内線は「杭州(ハンジョウ)」だけに「繁盛」しているんだろうなぁと思いきや、かなりガランとしていました。向こうの方に行けば混雑しているのかも知れませんが、ぱっと見、少ないです。これで春節初日の土曜日ですよ!!!
こちら長龍航空のチェックインカウンター。チェックイン開始直後とあってやや混雑気味。長竜航空はどこのアライアンスと言うこともなく、しかも今回はエコノミークラスということで、この列に並ばなければいけません。久々に列に並ぶストレスを感じました。
でも意外と早く順番が回ってきました。後ろを見るとほとんど列が消えていましたので、きっと乗客数は少ないと思いましたが、とりあえず通路側を指定し様子を見ることにしました。出発直前に搭乗ゲート前で変えてもらおうと。
こちらはビジネスクラスカウンター。事前の調査ではビジネスクラスはないはずだったんですが、どうやらあるみたいです。すごく不思議でしたが、機内に入ってから「そういうことか」と分かりました。
新型肺炎への備えみたいな感じですかね?手を洗えよ、マスクしろよ、宿題やれよ、歯を磨けよ、、って書いてあります。
乗客が5人くらい、ゲートも2つしか空いていないイミグレ―ションを通って出国。中国ではあり得ない光景!と驚きつつ、出発便の表示を見たら納得。「元々国際線が少なく、杭州ってこんなもんかな?」とも思いました。それか早々と国際線が撤退しているかです。(1/25の段階で撤退していたエアラインってありましたっけ?)
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改めて長竜航空とは
長竜航空は杭州ベースのエアライン。小さなエアラインかな?と思いつつ調べてみると、A320を40機以上も持っていました。A320neoも15機持っています。日本の感覚でリージョナルなエアラインというと「せいぜい10機くらいのフリートかな?」と勝手な想像をしてしまうんですが、中国ではスケールが違う。日本ではスカイマークで30機、ピーチで36機ですから、その規模以上のエアラインと言うことです。驚きました。
僕の乗る長竜航空A320(B-8896)はスポットインしていました。う~ん、いい感じの色ですねぇ。
初めて見ましたが、紫色の機体もあります。特別塗装機のようです。
まさかの英語が通じない
空席数によっては窓側がいいと思っていたので、カウンターで3列丸ごと空いている列の有無を聞いたら撃沈しました。英語が通じない…
一応絵を描いて「座席を変えたい」という所までは分かってもらえたんですが、その先の「一列丸ごと空席」が上手く伝わらないんです。そこへ来たのが頼もしく見えるベテラン男性スタッフ。スマホを取り出して何やらゴソゴソ、、、そしておもむろにスマホ画面を見せてきました。
乗務長に聞いて下さい
と怪しい日本語が。僕は苦笑い…。翻訳ソフトで訳してたのかと。
僕も翻訳ソフトを使おうと思いましたが、中国ではGoogle翻訳が使えないので諦めました。
乗務長とはチーフパーサーのことでしょう。つまり機内で聞けということ。ここまで、地上スタッフは66%の確率で英語が通じないという状況で「ダメだこりゃ感」を強めました。中国では基本的に空港ですら英語は通じません。特に北京、上海以外の地方空港以外ではそれが顕著です。
多少の中国語能力は必要
だとつくづく思いました。
というわけで、座席変更は諦めて乗り込みました。
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長竜航空フルサービスのキャビン
事前情報によるとビジネスクラスはなし。しかしチェックインカウンターや搭乗口の状況からするとビジネスクラスがありそうです。どっちが本当なんしょう?と言うわけで機内に乗り込むと、「これがビジネスクラスか」とわかりました。前方3列のみカーテンで仕切られるようになっています。この3列がビジネスクラスシートなのです。ピッチが広いかは未確認ですが、エアアジアでいう赤いヘッドレストが付いているホットシート(前方席)と同じような扱いかと思われます。
しかも前方席3列には電源が付いています。電源は後方座席にはありませんので、ビジネスクラス特有の装備かと思われます。
こちらがエコノミークラスの普通席です。シートピッチは標準的なフルサービスキャリアと同じです。
ヘッドレストカバーには長竜航空ロゴが描かれておりちょっとだけテンションが上がりますね。
流行りの薄型シートで「長竜航空やるな!」と思いました。足元にはスマホや小物類を入れられるポケット。機内誌等の冊子類は上の方に収納できるようになっています。
こちらテーブルを出した状態。折り畳み式のテーブルも最近は流行りですが、そこは違って一枚板テーブル。でもとても広く使えます。
ポケットに入っていたものは機内誌、安全のしおり、ゲロンパ袋でした。
こんな風に長竜航空のシートは最近の長竜、いや最近の潮流に乗ったものが採用されており、「新しさ」が目立ちます。ボロボロの機材にボロボロのシートというのが一昔前の中国エアラインですが、そんなイメージは全くありませんでした。
機内でも英語が通じない
カウンターで座席を変えようとしたところ、機内で「乗務長に聞いて下さい」と言うことだったの、クルーに聞いてみました。そしたら、クルーも英語が通じない!
まぁ予想してたことでしたからそんなに驚きませんでしたが…。
こちらが最初に座っていた通路側の席。実は後ろの方がガラガラだったため、「移ってもいいですか?」と聞いてみたんです。
何となく身振りで通じている気はするんですが、クルーはかなり困惑した顔。ダメだこりゃと一旦引きました。Change Seatが通じないんですから、、、「一体どんな勉強してきたの?」って言いたくなります。
長竜航空はLCCではないので特に座席移動に関する制限はないはずです(座席指定料を取られないため)。少し後ろの座席に移動しました。
3席丸ごと空いている座席の窓側に移動しました。これで一件落着。
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もちろん機内食・ドリンク付き
長竜航空は機内食だってドリンクだって出ます。何せフルサービスキャリアですから。但し、LCCの機内食程度のものが配られるだけ。
開けてみるとこんなヤツでした。牛肉とにんじんのパスタ。パスタはのびのびですが、それなりに美味しく頂きました。過剰に「機内食がまずいまずい」と言う人がいますが、じゃあどんな機内食が美味しいんでしょう?
僕は最近、ビジネスクラスの方が期待値が大きい分、まずく感じることがあるんです。一方エコノミーの食事は「まぁこんなもんか」と流せるようになってきたため、何を食べても結構美味しく感じてしまうこの頃です。
ちなみに飲み物はコーラをチョイス。もらえるのは有難いんですが、食事を全部配り終わってから飲み物が配られるという順序だったため、非常に喉が渇きました。喉が渇きすぎてお代わりしちゃったくらいです。この辺りの適当さ加減が長竜航空というエアラインです。
ちなみにクルーは全員マスクをしていました。そしてクルーの制服はピンクでど派手。すごく目立ちました。
長竜航空の復活を願う
セントレアに到着。隣に成田から到着した787-9がいました。朝、台北を出発してマカオ、杭州と巡って帰ってきましたが、新型コロナの影響でどの便もガラガラだったので、エコノミークラスでも快適に過ごせました。
検疫の手前でもらった紙。やはりこの頃は武漢だけの話だったんですよね。
と言うわけで、長竜航空のレポートをお送りしましたが、英語が通じない点、食事を配り終わってから飲み物が配られるという点意外は特に不便を感じませんでした。座席はエコノミークラスでも狭くなく、最近のシートを採用していますので、足元は広々として快適です。
新型コロナ騒動が収まったら、また就航して欲しいです。杭州は風光明媚な素晴らしい街ですし、上海のオルタネート(上海便が高い時の代替空港)としても十分に機能します。
復活を願ってやみません。
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