イケてる航空総合研究所

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新幹線が運休したとき、どうすれば東京から名古屋へ帰れるか。

東京から名古屋への帰り方

先日、東京出張の際、新幹線が終日運休となり色々と経験した。せっかくなのでどうやったら東京から同日中に名古屋に帰って来られるのかをまとめて書いておきたい。目的地は名古屋であるが、大阪にも十分対応できるものなので参考に読んで頂きたい。

【設定】
東京にいて夕方名古屋に帰ろうと思ったら新幹線が東京=名古屋間で運休している。その他の交通機関は動いている。


(東海道新幹線、東京駅にて)

飛行機、鉄道で帰る場合を想定し、何時に羽田空港または東京駅を出ればよいかを調べてみた。即席で調べただけなので抜けがあるかも知れないがそこはご容赦頂きたい。また時刻は2024年9月現在のものである。

飛行機で帰る方法

まずは飛行機で帰る方法を紹介したい。

羽田→中部

真っ先に思いつくのが羽田=中部の空路だ。ANAは1835発、JALは1955発の便がある。ANAが間に合うのならANA、ANAが間に合わなければJALで帰ればよい。JALは比較的遅いのでとても助かる。

ただし新幹線が運休しているとなると、たかだか1便160席の空路は瞬時に満席となると思われるので、運休の発表と同時に予約するか、運休前に予約しないと無理だろう。

運賃は当日普通運賃を買うことになるので約27,000円となかなか高い。とは言うものの、この後に出てくるが空路と比較しても、この羽田=中部は最短ルートとあって飛行機の中では一番安く時間も最小限で済む。だから運よく予約できたなら、これで帰るのが最もコストパフォーマンスが高いと思う。

羽田→伊丹+新幹線

次の手段は伊丹経由。最終便はANA、JALともに1915発がある。これに乗れば20時半頃には伊丹に着くので、新大阪まで行って新幹線に乗れば名古屋に帰れる。ただ、名古屋=東京間で新幹線が止まっている場合は、新大阪=名古屋間がこだまの1時間に2往復程度の運行になっている場合が多いので、乗り継ぎはあまりよくないと思われる。

とは言え、飛行機が遅れたとしても伊丹着21時が限界。そして新大阪に22時に着いたとしてもまだ新幹線は動いている時間だろう。料金としては、羽田=伊丹が普通運賃で約31,000円、新幹線が約6,300円、バスが510円なので約38,000円掛かる計算になる。さすがに名古屋を通り越している分高い。

羽田→鹿児島→中部

その他の空路として考えられるのは、便数の多い福岡経由か新千歳経由が真っ先に思いつくが、中部へ帰るとなると実は鹿児島経由が一番遅い。運航しているのはスカイマークだ。これは大発見だった。

羽田(1850)→SKY309→鹿児島(2040/2120)→SKY638→中部(2230)

中部行きも伊丹行きも満席で、「もう今日は帰れないかも」と思ったら鹿児島があることを思い出して欲しい。羽田1850発に間に合えば他の空路が絶たれていても大丈夫だ。鹿児島経由は普通の人は思いつかないと思われ、このルートならば恐らく幾らかの空席はあるだろう。

また、この2便は同じ機材で運用されるので、羽田=鹿児島が遅れれば、鹿児島=中部も自動的に遅れる。すなわち、遅れによる乗り継ぎミスは起こり得ないのだ。という意味で安全性が非常に高いルートである。

運賃は合計で5万7千円程度。さすがに値が張るが空路2本の割には安いはずだ。

なお、福岡経由や新千歳経由でも1850までは粘れないものの、17時台に羽田にいられればちゃんと帰れる。ただ、福岡経由はANA、JALで9万円弱、新千歳経由は10万円強するのでなかなか金額的に選びにくいだろう。そう考えると、スカイマークの鹿児島経由は時間的にも金額的にもとても優れたルートである。

新幹線+仙台→中部

例えば台風が西から来ていて、鹿児島便も伊丹便も欠航したりしている場合(かつ中部は何とか飛べる場合)、仙台経由という方法もある。東京駅を17時20分に出られれば(はやぶさ39号)、以下の仙台発中部行きの最終便に間に合う。

仙台(2025)-ANA370-中部(2140)

料金は新幹線と在来線で仙台に行くのが約11,000円、飛行機が約39,000円、合計約5万円だ。鹿児島よりは安い。災害時はどこがOPENになっているのかわからないので、こんな変なルートでも頭の片隅にでも入れておくと何かの時に役立つかも知れない。

鉄道で帰る方法

次に鉄道。鉄道はなかなか時間が掛かる。調べていたら、悔しくも東海道新幹線の偉大さがよくわかってしまった。鉄道で帰る方法は概ね以下の3パターンだろう。

北陸新幹線で敦賀→特急しらさぎ

北陸新幹線を終点まで乗る。そこから特急しらさぎで米原まで、米原からは在来線で帰ってくる。(しらさぎの最終列車は名古屋まで運行していない。)

東京(1824)→かがやき515号→敦賀(2134/2201)→特急しらさぎ64号→米原(2234/2238)→快速→名古屋(2353) 

これが最も遅く東京を出られる移動パターンだ。所要時間は5時間半。18時半に東京を出てもほぼ24時にしか名古屋に着けないという途方もない話だが、これならばなんとか同日中に帰れることになる。

運賃は18,460円とさすがに遠回りしているだけ高い。飛行機よりはうんと安いが…。

北陸新幹線で長野→特急しなの

もう1時間くらい早く東京を出られるのなら、同じく北陸新幹線経由のこのルートがお勧めだ。

東京(1732)→あさま623号→長野(1916/1940)→特急しなの26号→名古屋(2242)

所要時間は5時間10分とこれまた時間が掛かるが、23時前には名古屋に着けるので、その時間ならば公共交通機関が動いている場合が多く、タクシー以外の交通手段で家に帰ることができるだろう。

運賃も13,860円と北陸新幹線を敦賀までフルに使うよりも安い。

新宿から特急あずさで塩尻→特急しなの

もう一つ同じ時間帯に東京を出られるのなら、JR特急を乗り継ぐ、あずさ/しなのルート。東京よりも新宿に近い場所にいた時はこちらの方が便利かも知れない。

東京(1737)→中央線快速→新宿(1751/1800)→特急あずさ45号→塩尻(2032/2043)→特急しなの26号→名古屋(2242)

このルートは最短距離だけあって運賃も11,350円と安い。

ということで、鉄道で帰る場合は、17時半頃に東京にいられるのならルートが幾つか選べ、それを過ぎてしまうと1時間後の敦賀経由しかなくなるというなかなか過酷な現実だ。

全般を通じて、鉄道は飛行機よりも安いが時間が掛かるというところでどちらに優位性があるとは言えず、その点で辻褄が合っている。

なお、予約の方法であるが、窓口に並んで買う方法は恐らく無理というか、混雑し過ぎていて乗りたい時間に間に合わないと思われるので、ネット予約が良いと思う。JR東日本の「えきねっと」なら東日本以外でも全国の特急の予約ができるので便利だ(僕はこちらしか知らない)。西日本のe5489(イーゴヨヤク)もどうやら同じようなサービスなので、どちらかを利用すればよいだろう。

バスで帰る方法

念のためバスで帰る方法も書いておくと、バスでは当日中には帰れない。ただ、高速バスならば翌朝着くので、実質的に当日中に帰るのと同じと考えることもできる。なので一応書いておくと、新宿バスタや東京駅八重洲口から名古屋へ高速バスが多数出ている。24時台後半が最終なので、結構遅くなっても帰れる。しかし高速バスに乗るのは最終手段。どうせ帰るのが翌日になるのなら、なるべくホテルでちゃんと寝て、翌日もっと快適な方法で帰ってきたいものだ。

諦める時間は18時半

新幹線が運休になった場合、色々と東京から名古屋に帰ってくる方法を考えてみたが、飛行機で中部まで直行する場合を除き、全ての経路で17時~18時台が最終だということが分かった。

すなわち、当日に帰れるか、諦めて1泊するかを決めるデッドラインは17時~18時台ということになる。敦賀周りの最終列車は18時24分発だし、スカイマークの鹿児島経由も18時50分発なので、最終ラインは18時半と言っても良い。つまり、18時半の時点で、19時55分発のJALの羽田=中部が予約できなかった場合は、その時点で帰る手段はなしということだ。

どういうルートで帰れるかを頭に入れておくのも重要であるが、「当日帰ることを諦める時間」の目安を頭に入れておくことも同じく重要かと思う。

ということで、今回調べたのは当日帰るためのルートと最終時刻ではあるが、東京で1泊を余儀なくされ翌日も新幹線が運休した場合の迂回ルートとしても使えるものである。

どうかお役に立てますように。

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