イケてる航空総合研究所

ビジネスクラス搭乗記、弾丸旅行のノウハウ、マイルの使い方、貯め方、航空事故の真相などなど。

要はバランス、安全を優先し過ぎるのも考えものだ。

最近、列車の運休がやたらと多い。これって本当に気候変動の影響なのか。少し前まではこんなことはなかった気がする。新幹線もやたらと雨で止まるし、その上すぐに計画運休になる。飛行機も空港で雷が鳴るとストップするし、なんか最近ちょっとやり過ぎな印象だ。

ここ数年、いや、コロナ以降かも知れないが、安全に対する基準が厳し過ぎて、逆に利便性を損ねている気がして仕方がない。今年の夏はお盆の新幹線の計画運休にも、8/29の大雨での運休にも見事にハマったのでそう思うだけかも知れないが…。

もちろん安全を第一とする姿勢は良いと思う。しかし安全を優先し過ぎると利便性を損ねコストが上がることもちゃんと考えないといけない。安全と利便性・コストは「こちらを立てればあちらが立たず両立できない」というトレードオフの関係なので、一方を上げると一方が下がるのは確実に言えることだ。

コロナの時がそうだった。コロナ感染への安全基準を上げ過ぎた結果、経済活動が止まった。感染対策のやり過ぎで世の中がおかしくなったことは、今となっては皆が感じているところだろう。コロナで死なないことだけを優先し過ぎた結果、コロナ以外で死ぬ人が増えたという皮肉な結果にもなったのだから。

8/29の新幹線運休は、昔から変わらない安全基準の下で行われたかどうかは不明であるが、あの日に混乱に巻き込まれた人が払ったコストはとても大きい。あのまま運行を続けていたらもっとコストが大きかったかも知れないが、もしかしたらコストを払わなくても良かった可能性もある。なんとも言えないが、常に安全のためにコストを払い続けるのも考えものである。(東京から帰ってくるのに宿泊代と交通費諸々含めて4万円掛かっている。会社払いだからいいけど。)

先日の南海トラフ地震の注意情報も然り。確率の低い危険に対して過剰に反応してしまい、不要なコストを支払った場面が少なからずあった。また、別の事例を挙げてみると、昨今起きている自動車業界の不正なんかは、安全基準が高過ぎるが故、同じく厳し過ぎるコストダウンや納期の要求に企業側が耐え切れなかった、という構図だ。

何が言いたいかというと、安全を疎かにせよという意味ではないが、あまりに安全を優先し過ぎると、無意味に利便性が下がりコストが上がることがあるということ。どこかで綻びが起きて世の中が立ち行かなくなるということ。何でも温暖化のせいにしているが、安全基準が高くなり過ぎていないか?ということだ。

もちろんこれまでが利便性を優先し過ぎて安全性が疎かになっていたという見方もできて、今やっとそれが是正されつつあって、社会としてバランスを探っているところということもできるので何とも言えないが、僕個人的には少し厳し過ぎるのでは?という意見を持っている。命は何にも代えられないが、人一人の命を救うために払ってもいいコストには限界があることも知っておかないといけない。

今後起こるであろう悪天候による運休などは、安全基準が過剰になり過ぎないことを祈るばかりだ。安全基準を上げるのは容易でも下げるのは難しい。そういう不可逆性についてもちゃんと議論した上で、安易に空気に流されず、人々のお気持ちを汲み取り過ぎず、ほんの一部の過剰反応者の意見を全体の意見だと勘違いせず、上手くバランスを取って欲しいと思う。

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