イケてる航空総合研究所

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MCTって一体何だろう?【乗り継ぎに失敗した。どうすれば救済してもらえるのか。】

MCTとは何か

MCTとはMinimum Connecting Timeの略で、「最低乗り継ぎ時間」を意味します。例えば羽田空港の場合、国内線から国際線に乗り継ぐ場合、MCTは70分以上となっており、70分の乗り継ぎ時間を確保すれば、問題なく乗り継ぎができるということになっています。

MCTを満たしていれば乗り継げなかった場合でも、航空会社の補償が受けられます。簡単に言うと代替便を手配してくれるということです。乗り継ぐ便が国際線の場合は1日に1便しかないことも多いですので、翌日便に振替となり、宿泊を用意してくれる場合も多いです。しかしMCTを満たしていも何の補償も得られない場合もあります。

ここで、

問題なく乗り継ぎができる。

MCTを満たす。

って一体どういうことなんでしょうか?今回は僕の経験した実例を交え、MCTについて考えてみましょう。

ケーススタディ

今回例にとる旅程(大韓航空CS300に乗りに行った旅程)では、以下の空港で乗り継ぎを行っており、それぞれのMCTはご覧の通りとなっています。

1.羽田空港 国内線→国際線:MCT 70分以上
2.金浦空港 国際線→国内線:MCT 80分以上
3.金浦空港 国内線→国際線:MCT 70~80分以上

どこの空港も1時間~1時間半以下に設定されています。


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(写真は羽田空港の乗り継ぎ時に必要なバスの乗車券)

MCTが適用される場合

今回の旅行では全てMCTを満たすように旅行を組み立てていたのですが、上記No.3の金浦空港で韓国国内線からANAの羽田行きへ乗り継ぐ際、ウルサンからの韓国国内線が大幅に遅れて乗り継ぎに失敗し、その後の補償は、自動的には受けられず航空会社との交渉になってしまいました。

僕の何がいけなかったのでしょうか?

MCTとは一体どんな時に適用されるのでしょうか?

答えは簡単です。補償が受けられるのは、航空券を通しで買っている場合です。通しで買うというのは、例えばウルサン→金浦→羽田と乗り継ぐ場合に、ウルサン→羽田で発券をし、結果的に金浦経由を選択している場合です。ウルサン→金浦、金浦→羽田と別々に購入している場合は、通しで買っているとは言えません。

通しで買っている場合は、そもそも予約時点でMCTを満たさないことには発券ができないので、自動的にMCTが満たされることになります。通しで買っていない場合は、仮に守っていた場合でもMCTの適用は受けられません。

いや、そこはグレー?です。航空会社の組み合わせによるかも知れません。通しで買ていなくても、例えば名古屋→羽田はANA、羽田→金浦はアシアナ航空の場合には、同一アライアンスのためMCTの適用を受けられる可能性があります。しかし羽田→金浦が大韓航空の場合は、アライアンスが異なるため、MCTの適用は受けられないと思われます。(憶測です)。

通しで買っている場合は、MCTの適用は確実。しかし、通しで買っていない場合は、対応は時と場合によると言ったところでしょうか。とにかくMCTの適用を受けたければ、航空券は通しで買うことが必須となります。

MCTが適用されない場合

前述しましたが、僕が乗り継ぎに失敗したケースは次のケースです。

大韓航空:ウルサン(1735)=金浦(1830)
ANA:金浦(2030)=羽田(2230)

大韓航空の便が遅れ、ANA便に乗り継ぐことができませんでした。

赤字で示した部分、金浦空港での乗り継ぎ時間は2時間を確保していますので、MCTは満たしています。(金浦空港での国内線→国際線のMCTは70~80分)

しかし翌日便への振り替えは簡単には行きませんでした。無事に帰って来られたのですが結構大変でした。しかしそうなるのは当然のことです。なぜなら航空券を通しで買っていないからです。

実は乗る前に相談していた

実は行きの羽田空港で僕は相談をしていました。今考えると、虫の予感がしたんだと思います。なんとなく乗り継げる自信がなかったんです。

ANAのカウンターで「帰りに金浦空港で、大韓航空からANAへ乗り継ぐんですが、もしかして遅れるかも知れないので、あらかじめチェックインが遅れるかも知れないと言うことを伝えておきたいのですが…」と言ったところ、「大韓航空からの乗り継ぎということですし、こちら(羽田)ではそのようなお手続きはできません。現地のカウンターでお願いします。」と言わてしまいました。

そしてウルサンでも、金浦行きの飛行機が1時間程度遅れている時点でANAの予約センターに電話し、「乗り遅れるかも知れない」旨を伝えました。そして、国内線の機内で待機している間にも大韓航空のスタッフにANA便への乗り継ぎがある旨を伝えていました。

つまり僕は、行きの羽田空港ではANAに、帰りの韓国ではANAと大韓航空の両方に、乗り継ぎ便がある旨を伝えていたんです。しかしどこも曖昧な対応でした。やはり航空券を通しで買ってない、かつ航空会社(アライアンス)が違うということで、MCTの適用はされないんだなと理解しました。

MCTが適用されない場合の交渉術

MCTが適用されない上記のような場合、乗り継ぎに失敗したら諦めるしかないのでしょうか?

はい、基本的には諦めるしかありません。

でも交渉のやり方によっては上手く行く場合もあります。ただし、乗り継ぎ失敗の原因が航空会社責の場合に限ります。不具合によるメンテナンスが原因のときなどが当てはまります。天候が理由の場合は相手にしてもらえないので注意して下さい。天候理由は航空会社の責任ではないからです。

交渉のコツを書いておきます。

  • 「この人を助けてあげたい」という気持ちにさせるよう振る舞う。
  • 初めから責任者と話す。(下っ端だと二度交渉することになる)
  • 両航空会社と話をする。
  • 英語が苦手だとちょっとツラい。

こんなところでしょうか?どうにもならない場合もありますが、交渉次第では何とかなるものです。

忘れてはならないのが「お願いする姿勢」です。本来対応が難しいことをお願いするわけですから、あまり高圧的な態度を取ってしまうと交渉が決裂します。

また、最後の英語の問題ですが、仮に英語ができなくても、日本語を話せるスタッフを探すとか、日本の支社に電話して通訳をお願いするとか、方法は色々とありますので決して諦めないで下さい。

ここまでのまとめ

最後にまとめておきます。MCTに関するルールは非常にシンプルです。

  • 航空券を通しで買っている場合に限り、MCTが適用される。
  • 航空券を通しで買っていない場合は、交渉次第となる。

と言うことです。なるべく前者の選択肢が取れるといいですが、マニアックな旅程を組む場合は後者になるパターンが多いですので、乗り継ぎ時間は十分に確保し、万が一乗り遅れた場合の代替手段は事前に検討しておく必要があるでしょう。そして交渉力を磨くことです。

乗り遅れないことが一番いいですが、乗り遅れた場合でも何とかなりますので、乗り遅れを恐れずにアグレッシブに旅程を組んで下さい。

MCTなんて無意味です

まとめの後に言うのは変ですが、どうしても書いておきたいので書きます。MCTなんていわゆる保険みたいなもんでして、「もし飛行機に乗り遅れたら振替便を用意します」ってだけのことなんですよね。

例えば、自分の結婚式の当日に怪我で入院してしまったらどうします?また後から結婚式はできますが、多分1年後とかになってしまうでしょうし、来てくれる人の都合も全て変更させてしまうわけです。いくら補償してくれるからと言っても、金銭的に戻ってくるのは結婚式を変更した分の差額くらいなもんです。親戚や友人が被る損失の補償は誰がするんでしょう?もしかしてその後、結婚が破談になる可能性だってあるわけです。

飛行機の乗り遅れだってその後に起こる全ての損失を補償してくれるわけじゃないですからね。僕も帰りの便だったら良かったものの、行きの便で乗り遅れが発生したら、大韓航空のCS300には乗れなかったわけです。仮に航空券を通しで買っていて翌日以降の便に振り替えられてもそれはそれで困るわけです。何日も悠長に韓国に滞在できるわけではないですし、その後の日本に帰る便も変更しないといけないですから。

なので、本当に目的があって、その日にその便に乗らなければいけないというときには、MCTを満たしていようが満たしていまいがどうでもいいことです。

とにかく絶対に逃がせない便があったらMCTに関係なく、前日から乗り継ぎ空港に入ってスタンバイしておくとか、代替えのルートを確実に押さえておくとか、そういう手段を取る必要があります。

簡単に言えば全てオウンリスク(自己責任)。

なんです。

今回の乗り継ぎ失敗はとてもいい経験になりました。心配事は実際に起こりうる。それを肝に銘じて旅程を組む必要がありそうです。と言いつつ、これからも無茶な旅程を組んでしまうんですけどね。これじゃ自分からトラブルを招き入れているようなものです…(笑)。


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