イケてる航空総合研究所

ビジネスクラス搭乗記、弾丸旅行のノウハウ、マイルの使い方、貯め方、航空事故の真相などなど。

予約便のスケジュールが変更されて乗り継ぎができなくなった。航空会社はどんな対応をしてくれるのか?

こんな旅程を組んでいました

2019年の年始、僕は上海(虹橋)に行くためにこんな旅程を組んでいました。


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名古屋(中部)からソウル(仁川/金浦)経由で上海(虹橋)に行くという旅程です。復路は北京から羽田に帰ってきます。

突然ANAからメールが来た

しかし旅行直前、ANAからこんなメールが来ました。

いつもANAをご利用いただきありがとうございます。ご予約のフライトに変更が発生しましたのでご案内いたします。ご利用のお客様には大変ご迷惑をおかけいたしますことを深くお詫び申し上げます。


■ANA予約番号
 Q3W8NS

■ご搭乗者名
 IKETERU KOUKU MR

≪変更前≫
[1] OZ121
 名古屋(中部) - ソウル(仁川)
 11:05発13:10着
 特典ビジネス / OK

≪変更後≫
[1] OZ121
 名古屋(中部) - ソウル(仁川)
 11:15発13:20着
 特典ビジネス / OK

時間変更、便名変更および、乗り継ぎができない等の理由で振替便を手配させていただく場合は、可能な限り弊社よりご連絡差し上げます。

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赤字の部分が変更点。出発時刻/到着時刻が10分遅れたというものです。たかだか10分、それがどうしたと言うんでしょう。しかしその10分が僕にとって運命を変える10分だったとは、予約時点では全く意識していないことでした。

ソウルでの乗り継ぎ、すなわち仁川から金浦への

MCTを満たさなくなる

という意味だったのです。

MCTとはMinimum Connecting Timeの略。最小乗継可能時間を指します。この旅程には仁川から金浦への乗り継ぎが含まれていたんですが、3時間5分あったはずの乗継時間が2時間55分になってしまい、3時間というMCTを満たさなくなってしまったんです。

たったの5分ですが、ルールはルール。この変更により僕はこの旅程で飛ぶことができなくなりました。

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翌日、その翌日、連日ANAから電話が掛かってきました。なかなか電話に出られなかったのでこちらから折り返し電話をすると、「代替便をご用意させて頂きました」と言うことでした。

代替便は名古屋(中部)から上海(浦東)への直行便でした。しかも到着地が元々の虹橋じゃなくて浦東でした。

それは無理!

ということで、自分で別のルートを探しました。(探してからANAに折り返し電話をしました。)

新しいルートは次の通りです。


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ソウル経由を北京経由に変更することができました。

電話してわかった細かいルール

色々とANAと話をしまして色々なことがわかりましたのでここに書いておきたいと思います。もう一度復習をしておくと、僕が経験したのはこんな事例です。

元々取っていた「中部→仁川/金浦→虹橋」という旅程で、1レグ目の「中部→仁川」の時刻が変わったため、仁川/金浦間のMCTを満たさなくなり、旅程変更を余儀なくされた。

MCT不足では発券できない

今回のケースでは3時間5分あった乗り継ぎ時間が2時間55分に短縮されたわけですけれども、これくらいの変更ならば実質的な影響はないに等しいです。僕は飛行機が金浦に定刻にさえ着いてくれれば乗り継げる自信があります。

「荷物も預けませんから乗り継げると思いますよ」と言ってみましたがダメでした。「オウンリスクで対応しますので」と言っても無理でした。航空会社が得意の「ルールはルール」という思考停止なヤツです。MCTを満たさないルートは絶対に発券できないようです。

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ペナルティなしでキャンセル可能

今回のパターンのように航空会社の都合で時間が変わりMCTを満たさなくなった場合、代替便をそのまま受け入れると言うのが最も平和的な解決法ですが、旅行の目的によってはキャンセルして旅程を組み直さざるを得ない場合がありますよね。

通常、特典航空券をキャンセルする場合、3,000マイルが必要ですが、今回のようなケースではキャンセル料の3,000マイルは免除されます。

すなわち航空会社側からの代替便の提案を断ったとしても、「気に入らないから自分で取り直す」と言うことが可能です。

当たり前と言ったら当たり前ですよね。

ルート変更は不可

元々の旅程は「名古屋→ソウル」、「ソウル→上海」、「北京→東京」と3区間あるように見えますが、券面上は「名古屋→上海」、「北京→東京」の2区間です。

いくら航空会社都合の変更とは言え、このルート自体を変更することは出来ません。航空会社からは直行便を提案され、自分で北京経由を提案したんですが、それは「名古屋→上海」の範囲内。ルートを変えていることにはならないのです。

試しに言ってみたんですよ。「帰りの北京→羽田を北京→中部に出来ませんか?」と。そしたら「旅程の変更はできかねます」と言われてしまいました。

「航空会社都合だから何でもあり」とは行かないようです(汗)。ルールはルールです。

ただし、このルールは戦略的に使えば初めの発券ルートよりも都合の良いルートで行ける可能性があります。もちろん、虹橋を浦東に変えることも可能です。マルチエアポートは生きてます。

クラス変更も不可

もちろん搭乗クラスは変えられません。元々がビジネスクラスだったら変更後もビジネスクラスです。じゃあ代替便にビジネスクラスの空席がなく、エコノミークラスの空席だけがある場合はどうなるんでしょうか。ガチガチのルールに従うのならば無理でしょうね。

その場合は、一旦旅程を全てキャンセルして取れるクラスで取るしかないと思われます。

代替便がなければ旅行自体がパー

続いて「代替便がどうしても見つからなかったらどうなるんですか?」と聞いてみました。そしたら「日程を変更して頂くしか…」と。これを聞いてショックでした。今回は代替便があったから良かったものの、代替便がなかったら旅行自体をやめざるを得ないこともあるのです。

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大型連休など時期によってはキャンセルして全て最初から取り直しても取れないものは取れないですよね。そんなことになったら旅行自体がパー。スケチェンって本当に恐ろしいです。

到着空港が変わってもケアなし

今回の元々の便は虹橋着、提案された代替便は浦東着でした。僕は虹橋のホテルに泊まる予定なので、浦東に着いても困っちゃうわけです。そこで「到着空港が浦東に変わっているんですが、虹橋までの交通費は出るんですか?」と聞いたら「それはできません」と言われてしまいました。「虹橋も浦東も同一空港とみなされるんですね?」と念を押したら「さようでございます」という回答でした。

ルールを逸脱することはできない

今回は面白い事案だと思ったのでANA国際線予約センターで色々と聞いてみたんですが、やはり対応は堅かったです。「別に私たち悪くないし…」的な対応、「ルールはルール」、「できないことはできません」という対応でした。

まぁそんなもんでしょう。時刻変更で旅程が変更されようが、ルールに基づいて変更するのみです。キャンセルするためのマイルが不要とか、経由地を変えられるとか、最低限の温情は見られますが過剰感は全くありません。

ゴネたところで何も得られませんので、潔く新しい旅程を考えるとか、自分でできる限りの努力をするのが得策かと思います。

こういう事案が発生するとすごく勉強になります。

どうかご参考まで。

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