イケてる航空総合研究所

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ANAマイルからピーチポイントへの交換レートは本当に悪いのか【1マイル=1円キャンペーンを考える】

ANAマイルでピーチに乗れる

去る10月28日、ANAとピーチが、ANAのマイルからピーチポイントへの交換開始を発表しました。今のところ2021年3月31日までの期間限定とのことで、11月10日まではレートアップキャンペーンをやっていました。

恐らく期間は延長され、キャンペーンはまた必ずやると思いますので、キャンペーンは終わってしまいましたが、思うところを書いておきたいと思います。(記事アップ時、キャンペーン終了まで1時間程度のため過去形で書いています。)


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ANAはピーチとの連携強化の一環として、ANAマイルからピーチポイントへ交換できる仕組みを作りました。1マイル=0.9ポイント(0.9円)というのが通常のレートですが、期間限定で1マイル=1ポイント(1円)としていましたので、今回は基本的にこのレートで話をします。

www.ana.co.jp

このレートに関して、僕は真っ先に

交換レート悪すぎない?

って思いました。僕以外にもそう思った方は多いと思います。

仮にマイルを国内航空券に交換するならば、1マイル=2円~3円くらいの価値はありますからね。つまり15,000マイルあれば往復3~5万円くらいの航空券が買えるということです。

国際線ならばもっと価値のある使い方、例えば5万マイルあれば30万とか50万円とかそれくらいの価値を生みだすことも可能です。上手くやれば1マイル=6円~10円くらいの換算率になります。

それに比べてピーチポイントへの交換は1マイル=1円だなんて…。

でも、よくよく考えてみると、それくらいが妥当かな?とも思えてくるんですよ。元々、現金と同等のポイント系へのはレートが高くないのが通例だからです。

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外貨両替レートだと考える

それで、考えれば考えるほど、結構いいレートかも知れないと思えてくるんですが、それはこれが外国為替レート、すなわち外貨両替レートに近いんじゃないかと思い始めたからです。

ANAマイルとピーチポイントの交換レートを為替レートだと考えると、ANA国とピーチ国の為替レートが1:1だとは思えません。何故なら、同じ路線でも運賃が異なるからです。すなわち両国では物価が違います。同じ1万円でも買えるものが違うわけですよ。

12月24日に就航する中部=新千歳を例にとると、ANAでは1万円で中部=新千歳のチケットが買えるか買えないか微妙なところですが、ピーチでは余裕で買えます。

また、ピーチで1万円の航空券があったとしたら、ANAで同じ日付、同じ時刻帯の航空券を見ると、きっと1万5千円とか2万円とかだったりするわけです。ピーチの航空券はANAの3分の2から2分の1くらいが相場じゃないかと思えてくるんです。

とすると、ピーチへの1マイル=1円という交換レートは、一見不利に見えて結構いいレートにも見えてくるでしょう。本当は等価であるわけがないですからね。

ピーチは格安航空会社なんだから、例えば1マイル=2円とか3円とかの破格のレートを望んでしまいそうですが、そのポイントで買えるものを考えると1マイル=1円以下とするのが経済学的には正しいのではないかと思うのです。

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SKYコインの方がお得なのか

ここでANAの中でのマイルと現金の換算率、すなわちSKYコインへの換算レートを見てみましょう。以下の表がANAマイルからSKYコインへの換算レートになります。


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最も悪いレートは1倍。交換するマイルが多くなるにつれ、交換レートが良くなって行きます。それでも2倍にはなりません。

これを見てもピーチポイントへの交換レートが良いことがわかるでしょう。ANAの中でも基本は1マイル=1円なのですから。

LCCのピーチでも同等の換算率はすごいです。

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知っておくべきLCC運賃のウソ

物価水準が違うならばもう少しレートが悪くてもいい、つまり1マイル=0.6円とか0.7円とかそれくらいでもいいのではないか?なんて議論が出るかも知れませんが、なんとなく、気分的にそこまで下げられない事情があるような気もしています。

LCCの表示価格なんて嘘八百ですからね。

ピーチのHPを見て、またSNSの広告を見て、

大手の半額以下だ!

こんなに安いなんて信じられない!

なんて声を耳にするたびに、

騙されちゃダメよ

と思うわけです。

こちらが、僕が中部=新千歳線に乗ろうと思って支払った料金です。

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ピーチHPの予約画面で表示されていた価格は4,690円。しかし最終的に支払った価格は6,490円になっています。予約画面を進んで行くうちに、1,800円も余分に払うことになってしまったのです。

内訳を見てみると、諸税空港使用料が両空港で710円、座席指定料金が490円、そして何とクレジットカードで支払う際の手数料が600円も加算されています。

セールでは中部=新千歳が1,800円で売っていましたが(あくまでも表示価格)、実際は上記の1,800円が加算されて合計3,600円になっちゃうわけですよ。つまり表示価格の2倍です。これに荷物を預けるとなるとさらに料金は跳ね上がります。

だから実際の支払額は、表示価格よりもうんと高いわけで、いくら物価が低いからと言っても税率(のようなもの)が高いため、1マイル0.6ポイントとか0.7にはしづらいような気がするんですよね。

ということでやはり、1マイル=1円というレートは非常に妥当なんじゃないでしょうか?

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ありがちなシチュエーション

ということで、ここまでANAマイルからピーチポイントへの交換レートは意外と良いということを書いてきましたが、実際のシミュレーションをしてみたいと思います。

やはり、ANAマイルを替えるべきなのはANAの航空券ですが、繁忙期などでマイルを航空券替えられなかったりすると、次の選択肢としてANA SKYコインが有力になってきます。

SKYコインは前述の表の通り、たくさんのマイルを替えれば替えるほど、交換レートがよくなるわけですが、手持ちのマイルが少なかったりするとそうも言っていられないですよね。最もレートが低い1倍で替えると、結局、航空券が買えない事態が発生したりします。

例えば9,900マイルしか持っていないときにSKYコインに交換すると9,900円になります。そしてその時に欲しい航空券が15,000円だったとしたら、追加で5,000円も払わないといけなくなるんです。

そんなとき、ピーチポイントに替えられたらどうでしょう?ピーチでは同じ路線でも、ANAより安い可能性が高いです。ここでは仮に7,960円だったとしましょう。1マイル=1円で替えればさっきの1,800円の追加料金を払ったとしても9,760円、つまり追加の出費なし処理できるわけです。(手荷物は預けない設定。)

僕みたいに飛行機に乗ることが目的の人はダメかも知れないですが、行きたい所にちゃんと到着することが目的であるほとんどの人にとって、ANAもピーチもさほど変わらないわけです。SKYコインに替えて5,000円を追加してANAに乗るか、ピーチポイントに替えて追加出費なしで乗るか、それは後者ですよね。

最終手段だけど損はない

マイルの価値を正しく理解し、マイルを最大効率で使える人にとって、現金同様のポイントに替えてしまうのは最終手段かと思いますが、そんな人でも、どうしようもなく現金系のポイントに替える必要性に駆られる時があるんです。

そんなとき、ピーチポイントに替える手段を知っていれば少しは助かるかも知れません。そしてピーチポイントに替えたからと言って大損をするわけでもありません。前述した通り、ANAマイルからピーチポイントに替えることは経済学的にとても合理的なんです。

考え方は他にもあるも知れませんが、1つの考え方として覚えておいて頂けるととても嬉しいです。いずれにせよ、選択肢が増えることはいいことだと思います。

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