イケてる航空総合研究所

ビジネスクラス搭乗記、弾丸旅行のノウハウ、マイルの使い方、貯め方、航空事故の真相などなど。

激安でも売れ残るANAの航空券。エアラインなのに近場の車旅行を勧めてる。異常事態にもほどがある。

激安セールやってました

ANAが10/1~11/30分のANA SUPER VALUEのセールをやっています(やっていました)。8/28に開始して9/3に終了。この記事をアップしたらすぐに終了してしまうのですが、日々ウォッチしていて、航空旅行の需要はこれほどまで落ちているのか!と実感してしまいましたので1本記事を立てたいと思います。


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こんなセールです。スーパーバリュー(SUPER VALUE)(旧旅割)のセールなんですが、いわゆる早期購入割引をさらに安くしたイメージだと思って下さい。元々安いのにも関わらず、さらにその運賃のセールですからどれだけ安いのか想像がつくかと思います。(ちなみにJALでは同様なセールはやっていません)

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札幌・沖縄方面が片道7~8千円

ほんの一部、羽田発と中部発の運賃を紹介します。(数日前の状態ですので現在は異なります)

まずは羽田=札幌。全ての便にセール運賃が設定されているわけではないですが、早朝の便と昼の便、それぞれに設定されています。


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運賃は7千円台。ここまで来るとLCC同然ですね。スーパーバリューに対してほぼ半額になっています。これはかなりの異常事態。11月の3連休初日でこの運賃はあり得ません。しかも売れ残っているなんてもっとあり得ません。

続いて名古屋発那覇行きを見てみましょう。


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名古屋から那覇は8千円台。通常、安い運賃が設定されるのは現地滞在時間が短くなるような不便な便なんですが、朝一の便という一番便利な便に設定されています。しかもスーパーバリューで37,000円台の便が8,500円ですよ。

空席率が高い便の空席を埋めるために運賃を安くするというのがセオリーですが、今はとにかくたくさん乗って欲しいので、買ってくれそうな便利な便を安くするという状態になっていることが読み取れます。売りたいレベルが一段高いと言うか、購買意欲が一段低いと言うか、通常時の理論が通じない非常事態ですね。


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こちら石垣。なんと、那覇より安く設定されていました。

これ全て11月21日、3連休の初日の値段ですよ。普通3連休の初日なんて言ったら即売り切れなんですが、まだこの安い運賃のまま放置されているんです。(さすがに復路の那覇=中部と石垣=中部の11/23のセールは売り切れでしたが。)

いかに航空需要が蒸発しているかがわかります。これだけ安い運賃を打ち出してもなかなか売り切れないということは、今は飛行機を使って旅行に行く人が本当に少ないってことなんです。

うがった見方をすると、今回のセールはANAの実験だったようにも思います。果たしてどこまで値段を下げれば人々は乗ってくれるのか。

しかし値段を下げても反応は限定的でした。初めからわかっていたことかも知れませんが、単純に値段の問題ではないということなんですよ。旅行不買運動が同調心理に支配されていることがこの実験で証明されてしまったということです。

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手放しで喜べない理由

以前、こんな記事を書きました。2000年代初めに航空需要が落ち込んだ時、ANAの需要喚起策がすごかったため、コロナが終わったらきっと面白いキャンペーンをやってくれるに違いないと書いた記事です。

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あの時はすごく良かったです。色んな企画ができて、心から喜んで、楽しんで乗っていました。

でも今はコロナ禍でまだ終わっていません。そんな中でもANAは決死の覚悟でセールに打って出ました。マイルを付けますとか、ポイントを倍にしますとか、そういうひねりは一切ありません。純粋に値下げするという直球勝負で臨んできたわけです。

でも全然嬉しくないんです。

何故なら、これだけ安くても僕自身が手を出せないからです。どうせ行くなら家族で行きたいんですが、今はそれができません。片道8,500円なら家族4人で行ったって往復68,000円なわけですよ。激安過ぎます。でも買えません。

何故行けないかって、そりゃ世間体でしょう。この時期に沖縄旅行?なんて僕は全然気にしないからいいですけど、、、ねぇ。

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GWそしてお盆と、旅行を悪に仕立てた報道の罪は重いと思います。

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エアラインが近場の車旅行を推奨

最後に悲しすぎるメールの紹介をしておきたいと思います。ANAからこんなメールが来ました。タイトルが悲しすぎます。


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【近場の旅】車で近場の魅力を探しに行って…

ANAって航空会社ですよね?近場に飛行機で行くことなんてできましたっけ?しかも近場なんだからその「車」は自分の車ですよね。レンタカーを借りて空港から行くわけではないですよね?


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中身はいわゆる宿泊パッケージの紹介になっていて、特に近場への車旅に特化した構成にはなっていませんので、タイトルで釣って中身を見てもらおうという作戦に見えました。

人々は近場の旅行ならOKだと思っている、だから「近場」、「車」というワードで心を掴でメールを開いてもらって、あわよくばホテルを予約してもらおう。恐らくそんな風に考えてタイトルを付けたんだと思います。

そこまで追い込まれているのかと悲しくなりました。

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可哀想なのに救えない

やはり旅行のネックになっているのは地方への感染拡大。先回の記事に書いた通り、コロナ騒動の元凶は高すぎる感染症としての分類にあるわけでして、そこをインフルと同じくらいまで下げれば、地方自治体の医療体制だって逼迫しないで済むんです。しかし現状ではコロナをエボラと同じ分類に位置付けているため、地方の首長たちは「来ないで」と言わざるを得ない状態になっているわけです。

保守的な首長たちが変な主張を繰り返すため、どうしても「遠くに旅行には行ってはいけない」という共通認識ができてしまい、航空旅行は最も縁遠いものになってしまっています。これがスーパーバリューセールのような激安の航空券でも売れない理由です。

一方で、自分の住む都道府県内ならば旅行は推奨されているため、東京都から神奈川県へ越境したとしても「近場なら許される」という共通認識を持っています。なので、飛行機に乗って遠出するよりも車で隣の件に遊びに行く方が、世間の目から身を守るためには安全と言うことになっています。これがANAがメールのタイトルで釣る理由です。

こんな現状を見てるともう可哀想で可哀想で。しかも可哀想なのに救ってあげられない自分が悲しくて悲しくて。

ちょっと自暴自棄です。

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