イケてる航空総合研究所

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ANAが地上職や客室乗務員などの新卒採用活動を一時中断。悲しいけど今エアラインに入るのはやめておけ。

就職活動を揺るがすニュース

先週末、航空業界へ就職を目指す方々にとっては衝撃的なニュースが出されました。ANAが新卒採用を一時中断するというものです。地上職や客室乗務職(CA)を中心とした採用の一時中断と読めますので、どうやらANAに入る全員ではないと考えていますが、それでも十分にショッキングなニュースです。

www.anahd.co.jp

上記リンク先の文章をそのまま載せておきます。

 ANAグループでは、新型コロナウイルス感染拡大による影響で国内外の移動需要が急激に減退し、今後の事業計画を策定することが困難な状況であることから、2021年度入社に向けた採用活動を一時中断することとしました。採用活動の再開および時期については、今後の動向を慎重に見極めながら検討してまいります。

 2021年度の採用については、本年3月以降、ANAやPeachをはじめとするグループエアラインでは、地上職や客室乗務職などで合計800名程度、ANAエアポートサービスやANA成田エアポートサービスをはじめとする日本国内の空港会社各社で1750名程度など、ANAグループ37社で計3200名程度を募集しておりました。

 ANAグループ各社の採用にすでにご応募頂いている方々へは、各社採用担当者より別途ご案内させて頂きます。また、今後については都度、ANAグループ各社の採用ホームページ等でご案内いたします。

コロナ禍で最も被害を被っているのが航空業界ですので、このANAの採用中断のニュースは特段驚きもしないのですが、恐らくJALグループや他社も同じ策を打ってくるはずですので、地上係員や客室乗務員を目指している人には就職活動の先行きを大きく揺るがすニュースだったと思います。

以降、簡単のため客室乗務員(CA:キャビンアテンダント)に限定して話題を展開します。

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多分中断の再開はない

これ、一応「一時中断」ってことになっているんですが、僕が思うに今年の採用活動は恐らく「中止」だと思います。今の状況だと夏休みシーズンの国内での航空旅行解禁も厳しいかと思いますので、航空会社の経営は相当に苦しくなるはずです。

ANAグループで40,000人を超える社員が一時帰休をしている以上、新規採用なんて絶対に出来ませんし、仮に採用なんかしたら、社員から「新卒を入れる余裕があるなら私に仕事をくれ」などと声が上がるに決まっています。よって今年の採用活動はないです。


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(国内線でも減便、機材の小型化を余儀なくされている)

しかも来年度の採用もないかも知れません。その次の年度も微妙だと思います。何故なら国際線の再開がいつになるのか全く読めないからです。航空業界再始動のステップは、まず国内線の復活が優先、次に国際線の復活です。この国際線の再開がネックであることは過去の記事で書いた通りです。


flyfromrjgg.hatenablog.com

BoeingのCEOは航空業界が2019年の水準に戻るためには3年は掛かると言っており、その発言を鵜呑みにするわけではありませんが、僕は非常に妥当な期間だと考えており、これから少なくとも3年間は現在の客室乗務員の人数で十分ということになります。

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20年前もそうだった

この新卒採用活動の中止、客室乗務員については実は初めてのことではありません。20年前も2年連続で客室乗務員の採用なしでした。(既卒は除外)


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20年前のANAの情報が探せず、上記は当時のJALの新卒採用状況になりますが、2000年度(1999年募集)と2001年度(2000年募集)の新卒採用はゼロとなっています。

この時の時代背景として、スカイマークが1998年に就航し航空自由化が進んで行った頃に当たります。9.11のテロは2001年でしたので、テロの影響ではありません。テロで航空業界は一時的にかなり打撃を受けましたが、テロ以前も日本の航空会社は低迷していました。

証拠は示せませんがANAも2001年度入社はナシでした(←確かな記憶)。その前年もなかったはずです(←こちらは曖昧な記憶)。JALとANAは足並みを合わせるはずなので恐らく正しいです。

9.11テロ後に何が起きたか

9.11テロ後ではない時期ですら採用を止めていたことがあるANA、JALが今回のコロナ禍で採用を行う可能性はゼロだと思えて仕方ありません。

ちなみに9.11テロ後には人員削減を行ったほか、入社時期を後にずらすなどの措置を採っています。


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今回のコロナでは解雇はせず、一時帰休という形で雇用を守っているため、新規採用という面ではより厳しい方向に進んでいると思います。


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(IADF資料より http://www.iadf.or.jp/document/pdf/27-1.pdf)

尚、2001年のテロ後、RPK(有償旅客キロ)ベースで需要が元に戻るのには3~4年の年月を要しています。ボーイングCEOの発言もこれを根拠にしているものと思います。ただ、9.11テロとコロナ禍では落ち込み度合いが違います。果たして3年で元に戻るか微妙なところだと思います。

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CAのイメージは根底から覆される

以下はかなり悲観的な想像になりますが、客室乗務員という仕事はこれまで通りではなくなる可能性があります。

今回のコロナ禍で世界の人々の衛生意識が著しく高まり、

  • 乗客乗員とも全員マスク着用
  • 乗客との会話は原則禁止
  • 機内食・ドリンクはセルフサービス
  • 感染リスクが高まった際には防護服を着て乗務
  • 感染リスク最小化のためステイ先での外出は禁止

なんてことになったら、客室乗務員の仕事の楽しさって一体どんなところに見出せばいいでしょうか?

恐らくこれからの空の仕事のイメージは、これまでの空の仕事のイメージを根底から覆すものになるでしょう。花形の職業だったのは過去の話になっていくのかも知れません。

例えばこんな体験もなくなるかも。

flyfromrjgg.hatenablog.com

食事の感想を聞かれてドギマギすることもなくなるんでしょうか?

flyfromrjgg.hatenablog.com

と考えると悲しいですが、どこまで傷が深くなるか最悪ケースをシミュレーションしておいた方がよいと思います。

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エアライン信仰から目を覚ませ

今も20年前も客室乗務員に憧れる人達はたくさんいる(いた)と思います。よくあるのが「CAになれれば給料なんて安くていい」とか「CAになれればどんなに辛くても頑張れる」とかいうCAという職業を崇め奉る人達

最近はSNS等の影響で、リアルなCA像が語られるようになったので、昔よりはその信仰は弱まったと思いますが、「なりたいものが客室乗務員しかない」と考えている人はコロナを機に本当に客室乗務員なりたいのかどうかもう一度考えてみるのが良いかも知れません。採用がなければ逆にラッキーなのですが、採用してくれる会社がある場合にも飛びつかないようにして欲しいです。

CAだけではなく「どうしてもエアライン(航空会社)に入りたい」という人達も同じです。エアラインは格好いいです。泥臭い日銭商売と言っては何ですが、そんな商売にも関わらず、就職ランキングでは常に上位。僕もエアラインが好きなので気持ちはよくわかります。

が、、、コロナ後世界は大きく変わります。その変わり果てた世界で本当にエアラインが魅力なのか…。

航空業界はこれからが受難の時代です。ここ数年は確実に「いつ自分の会社が潰れるかわからない状態」で働くことになります。これはエアラインだけではなく、その他航空業界も同じかも知れません。

僕も自分の趣味がなくなるかも知れないということで非常に戦々恐々とした気持ちです。毎日エアライン関係のニュースをチェックして落ち込んでいます。だからなおさら心配になるのです。

何かを妄信している方が目を覚ますきっかけになってくれればよいと思います。ただし、ここに書いた内容はあくまでも僕の主観ですので、僕の主観を妄信するのも危険です。どうしても入りたければ、コロナが収まった後に既卒で入るのをお勧めします。

あとは自身の判断でお願いします。

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