イケてる航空総合研究所

ビジネスクラス搭乗記、弾丸旅行のノウハウ、マイルの使い方、貯め方、航空事故の真相などなど。

JALエアバスA350初便に乗った!【羽田=福岡 JAL317便搭乗記】

久々に国内線の新機材

このところ、日本のエアラインの初便が熱いですね。今年(2019年)5月にANAのA380(フライングホヌ)が成田=ホノルルに就航し話題になりましたが、今度はJALの番と言わんばかりに、本日9月1日、JALのA350が国内線の羽田=福岡線に就航しました。

久しぶりの国内線に投入される新機材です。JALとしてはJASと統合して得たA300を除けば初めてのエアバス機の導入と言うことで、その点でも注目度が高まっています。

これから乗るJALのA350の初便は、やはり大人気でして、JALが不意に就航日を発表したこともあって、僕はそのニュースについて行けず、発表と同時に初便を押さえることはできませんでした。

僕はJALに関しては弱小ヒラ会員なので、初期の段階で取れないとなるとかなりの苦戦が予想されたんですが、裏技を使いなんとか初便のチケットゲットすることができました。これが初便マニアとしての意地ってもんです。その方法については過去記事で書きましたのでそちらをご覧下さい。

flyfromrjgg.hatenablog.com

さあ、それでは、JALのA350の初便の様子を余すところなく紹介したいと思います。

いきなり9番スポットに現る

まずはスポットインするところから。搭乗口は9番、出発時刻は12時10分ですので、何時にトーイングされるか非常に気になっていたんですが、カウンターのお姉さんに聞くと10時30分トーイングとのこと、しかし実際にやってきたのは10時10分過ぎ。まだまだ時間があると思っていたらいきなり目の前にぬーっと現れて焦りました。


f:id:flyfromrjgg:20190901103046j:plain

えっ、もうきた?!


f:id:flyfromrjgg:20190901103050j:plain

ウィングレットのカールがたまりませんね。


f:id:flyfromrjgg:20190901103054j:plain

はいスポットイン完了。


f:id:flyfromrjgg:20190901103058j:plain

AIRBUS A350のペイントがカッコイイいいです。初号機は「挑戦」を表すレッド、2号機は「革新」を表すシルバー、3号機は「エコ」を表すグリーンを使ってA350のロゴを彩っています。


f:id:flyfromrjgg:20190901103100j:plain

実は9番スポット隣のカードラウンジでスタンバっていたんですが、僕が撮り出したら一般の人も「なんだ、なんだ」って感じで撮り始めて、僕、結構時代の先端を行ってました。


f:id:flyfromrjgg:20190901150601j:plain

A350のエンジンはロールスロイス製TrentXWBエンジン。


f:id:flyfromrjgg:20190901150605j:plain

初号機の機体番号(レジ)はJA01XJです。

スポンサードリンク


植木会長が主役なセレモニー

就航セレモニーは11時30分から。12時10分発なのにそんなに遅くからやってもいいのかなーなんて思ったんですが、案の定これが遅延に繋がります。初便のセレモニーは1時間前が基本ですよ!


f:id:flyfromrjgg:20190901150608j:plain

比較的小規模なパネルが掲げられていました。


f:id:flyfromrjgg:20190901150612j:plain

セレモニー前にはこの人だかり。横を通り過ぎる一般のお客さんは「今から何があるわけ?」と変な顔をして通り過ぎていきます。


f:id:flyfromrjgg:20190901150615j:plain

5分フライングした11時25分。植木会長が登場。「まだセレモニーの時間ではありませんが、A350のお話でもしましょうか」と話し始めました。

ボーイング機とエアバス機の設計の違い、例えばスイッチを押す方向が逆であるとか、同じものでも名称が異なるとかそんな内容です。ボーイング機ばかり買っていたJALですので、A350導入時のエアバス機の設計概念の違いは驚きだったんでしょう。


f:id:flyfromrjgg:20190901150620j:plain

そして約束した時間きっかりの11時半。今度は眼鏡をして、ちゃんと原稿を持った植木会長が再度登壇しました。A350の特徴は山のようにあるが、2つだけ言うとすれば以下であるというお話をされました。

  • 世界一の静寂性
  • 機外カメラを搭載していること

なるほど、確かに最近のエアバス機の特徴ですね。A380にも共通するところがありますが、特にA350は静かですし、機外を写すカメラはホント見ていて飽きません。カメラは後から紹介します。


f:id:flyfromrjgg:20190901150624j:plain

続いて、初便を担当する2名の機長(実際は3名)がA350の安全性について強調。そして訓練段階から(在来機とは)仕組みが違うというお話をされていました。


f:id:flyfromrjgg:20190901150627j:plain

最後は整備士の方が登壇。機体がなかったため、初就航させたカタール航空を尋ねてドーハまで行ってきたと言うお話をされていました。


f:id:flyfromrjgg:20190901150632j:plain

セレモニーが終わったゲート前はこの人だかり。マニアな男たちの熱気がムンムンでたまらんでした。

新車の匂いがする機内

いよいよ搭乗ですが、優先搭乗が多過ぎて僕が乗れたのは本当に最後の方。


f:id:flyfromrjgg:20190901150636j:plain

ゲート前では記念品が配られます。


f:id:flyfromrjgg:20190901150639j:plain

何故かこんなところで渋滞が。


f:id:flyfromrjgg:20190901150643j:plain

と思ったらここで横断幕が登場。こりゃ出発が遅れますねー。意外とJALって初便を遅らせないノウハウを持っていないのかな?と思てしまいました。



f:id:flyfromrjgg:20190901150646j:plain


さぁ、ピカピカの機内に入りましょう。JALのA350の座席数は3クラス制の合計369席。ファーストクラスが12席(2-2-2)、クラスJが94席(2-4-2)、普通席が263席(3-3-3)となっています。

機内に入るとすごくいい匂い。新しい機材、新車の匂いがしました。ゲート前のむさくるしい男の匂いとは全く違い、デキる男の香りです。


f:id:flyfromrjgg:20190901150648j:plain

こちら、クラスJのシート。へー!こんなに落ち着いたシートなんですねぇ。ファーストクラスに座れる人も羨ましいですが、クラスJでも羨ましいです。

クラスJの特徴は進化したシートとレッグレストって感じでしょうか?昔からシートピッチが広くて国際線のプレエコ的な存在でしたけど、ますますプレエコ感が増した感じです。

僕はヒラのJMB会員とあってクラスJなんて到底無理な人なのでした。


f:id:flyfromrjgg:20190901150652j:plain

こちらが普通席。上下方向に調整可能なヘッドレストが付いています。意外とこれって重要なんですよね。自分の好きな位置に持って来て、カックンカックンを防いでくれるスグレモノです。もうシートは完全に国際線仕様ですね。


f:id:flyfromrjgg:20190901150655j:plain

こちらは一番後ろの列です。

快適新シート・新装備

僕の座席は57G。


f:id:flyfromrjgg:20190901150705j:plain

普通席は10インチのモニターを搭載しています。かなり大きく感じます。


f:id:flyfromrjgg:20190901150707j:plain

安全のしおりにはA350-900の文字が。


f:id:flyfromrjgg:20190901150717j:plain

テーブル上には電源コンセントが付いており、カップホルダーが別にあり、テーブルを出さなくても飲み物を置くことが可能です。

ただ、このコンセントの位置は曲者らしく、Aviation Wireによると、ちょうどモニターの裏に当たるため、モニターが見やすい角度まで開かないという問題があるようです。


f:id:flyfromrjgg:20190901150719j:plain

USB端子やイヤホンジャックはモニター下に。


f:id:flyfromrjgg:20190901150724j:plain

テーブルは折り畳み式で広げれば普通に大きなテーブルになります。


f:id:flyfromrjgg:20190901150730j:plain

足元には空のポケットが3つ。手間にスマホやコンパクトカメラ等が入る小さなポケットが2つ。そして奥にはノートPCが入る大きなポケットがあります。機内誌や安全のしおりはモニター下に入っているため、ここが空なのが素晴らしいところです。スマホとPCを入れても足元広々でした。

そしてA350の特徴は地上走行開始から到着までWiFiが使えること。


f:id:flyfromrjgg:20190901150733j:plain

しおりにもちゃんと書いてあります。しかしWiFiを繋ごうと思っても一向に繋がらず…。途中で諦めて大人しくしてました(泣)。どうやら不具合があったらしく、到着後にお詫びのアナウンスが入りました。


f:id:flyfromrjgg:20190901150736j:plain

でもこれがあればWiFiが繋がらなくても我慢できます。植木会長も言っていた機外カメラです。

スポンサードリンク


機外カメラにくぎ付け

機外カメラは下から前を写したものと尾翼から写したものの2種類の画像が楽しめます。


f:id:flyfromrjgg:20190901150741j:plain

こちらプッシュバック中の下からの画像です。特に窓側以外に座った場合、これは本当にいいですね。窓の外を見たい気持ちがかなり紛れます。


f:id:flyfromrjgg:20190901150745j:plain

僕も含めみんなこの画像にくぎ付けです。恐らくこれを見させて乗客を黙らせる作戦です。植木会長が首謀者かも知れません(笑)。


f:id:flyfromrjgg:20190901150748j:plain

橋を渡ってRWY05へ。


f:id:flyfromrjgg:20190901150755j:plain

そして離陸ポジション。


f:id:flyfromrjgg:20190901150758j:plain

ついにJALのA350初便が離陸しました。そう言えば拍手がなかったような…。


f:id:flyfromrjgg:20190901150802j:plain

尾翼カメラからだと鳥が舞い上がる感じです。

いやーA350って本当に静かですね。離陸時のゴーってのがほとんど感じられません。巡航時はそれなりに風切り音がするのですが、降下を初めて速度が落ちると再びすごく静かになります。

出発前に9割が終了

初便とは、出発する前までが初便らしく、乗ってしまえば実はあんまり大したことはありません。出発前に9割が終了する感じですね(笑)。


f:id:flyfromrjgg:20190901150806j:plain

ビューを色々と変えてみたり。


f:id:flyfromrjgg:20190901150809j:plain

ルートをチェックしてみたり、くらいしかやることがなかったりします(笑)。

ここで機長から放送が入ります。「この便は369名、満席のお客様を…」と。そしてA350のことを「安全装備、環境性能、快適な客室が特徴」と紹介しました。このA350の初便では何度も何度も「安全、安全」と聞きました。御巣鷹山の事故があったという背景、そして最近では飲酒問題等もあり、JALは特に安全が課題ですもんね。

スポンサードリンク


キャビンを歩いてみる

ベルトサイン消灯後は少しキャビンを歩いてみました。


f:id:flyfromrjgg:20190901150823j:plain

機内最後方から。初便では結構皆さんウロウロされますが、そんなにゴチャゴチャすることなく過ぎて行きました。


f:id:flyfromrjgg:20190901150827j:plain

ナンバー3ドアの部分、真ん中席の後ろにこんな空間がありまして、左右の行き来ができるようになっています。


f:id:flyfromrjgg:20190901150831j:plain

その通路、真ん中からのビューです。


f:id:flyfromrjgg:20190901150812j:plain

こちら機内最後尾にあるギャレイ。かなり広めですね。


f:id:flyfromrjgg:20190901150815j:plain

そしてトイレ。ピカピカで気持ちいです。


f:id:flyfromrjgg:20190901150819j:plain

木目調で落ち付いています。


f:id:flyfromrjgg:20190901150833j:plain

巡航高度は40,000ft。


f:id:flyfromrjgg:20190901150837j:plain

キャビンサービスが始まりましたが、なかなか進まない感じでした。初便のクルーって嫌だろうなーなんて思いながら…。


f:id:flyfromrjgg:20190901150841j:plain

JALはドリンクメニューを見せてくれるのでオーダーがしやすいです。そんな僕は飲み物をパス。写真整理で手一杯でした(汗)。

途中でやめても続きから

ここで一つA350のWiFiサービスの特徴を。

機内のWiFiで観た映画などのコンテンツは、国内線ではなかなか全部観切れないので、途中で終了した場合は、次回続きから再開できるようになっています。


f:id:flyfromrjgg:20190901150848j:plain

途中で番組をやめようとすると、こんなメッセージが出ますので、それをスマホなどで撮っておきます。


f:id:flyfromrjgg:20190901150851j:plain

そして「続きから再生」というメニューを選んで。


f:id:flyfromrjgg:20190901150855j:plain

先ほどのコードを入れると続きから再生が行われます。このコード実は仕掛けがありまして、某有名サイトの編集長がすれ違いざまに「あのコード、気付きました?」なんて言うものだから、少し触ってみるとあら不思議。適切に入れると色んな番組が途中から観られちゃいます。恐らく上3ケタが「分(mmm)」で下5ケタが「番組コード」です。例えば番組コード01028の25分目からの再生だと、02501028となります。

最新機材では色々と進化しているんですねぇ。素晴らしいです。

楽し過ぎるアプローチ

はや、降下の時間。忙しいのでホントに時間が過ぎるのが早いです。


f:id:flyfromrjgg:20190901153559j:plain

尾翼カメラからだと降下中のスポイラ(スピードブレーキ)の動きもよく見えます。


f:id:flyfromrjgg:20190901153614j:plain

海ノ中道が見えてきました。このコースだとRWY16ですね。


f:id:flyfromrjgg:20190901153619j:plain

機体下のカメラからの画像もいい。これ、アプローチ中にどっちを見るか非常に迷います。


f:id:flyfromrjgg:20190901153622j:plain

こっちもいいし。


f:id:flyfromrjgg:20190901153645j:plain

こっちもいい。


f:id:flyfromrjgg:20190901153647j:plain

ランディングする瞬間はこっちかな?


f:id:flyfromrjgg:20190901153650j:plain

いや、こっちも捨てがたい。


f:id:flyfromrjgg:20190901153716j:plain

なんてやってたら着陸してしまいました。着陸後スラストリバーサ(逆噴射)はしなかった気がしますが、わざとですかね?静寂性をうたってる以上できなかった???その辺りは、よくわかりません。

後から教えてもらった話によると、どうやらスラストリバーサはしていたようです。北側から降りるRWY16の場合は、ターミナルビルが北側にある都合上、早く止まりたいはずです。だからスラストリバーサをしないのはおかしいんです。僕もおや?って思いましたから。

実際はスラストリバーサはしていた。しかし気付かないくらい静かだった。いやー、植木会長も絶賛するA350の静寂性ってすごいなと思いました。


f:id:flyfromrjgg:20190901153719j:plain

というわけで到着。


f:id:flyfromrjgg:20190901153722j:plain

スポットは7番に入りました。

記念品をお見せします

初便と言えば記念品、これを目当てに乗っている人は多いと思います。


f:id:flyfromrjgg:20190901153726j:plain

すいません、テーブルの上に載せきれず、ごちゃごちゃになってしまいました。ネームタグやステッカー、そして搭乗記念証です。


f:id:flyfromrjgg:20190901153729j:plain

搭乗記念証とステッカーだけ載せてみました。色んなステッカーがあっていいです。マニア心をくすぐりますねぇ。


f:id:flyfromrjgg:20190901153741j:plain

そして降機時にも記念品をもらいました。折ったらすごい鶴になる折り紙です。

スポンサードリンク


ファーストクラスは見られず

今回は普通席に座ったため、搭乗時にファーストクラスは全く見られませんでした。なので降機時にナンバー1ドアから降りて、写真を撮ろうと思いましたがこの通り。


f:id:flyfromrjgg:20190901153734j:plain

お客さんのスマホが間に挟まってしまったようで、いきなり整備の人が乗り込んできてゴチャゴチャになっていました。

というわけでファーストクラスはまた実際に乗ってレポートしたいと思います。

国内線にA350という贅沢

というわけでJALのA350初便搭乗記をお送りしてきましたが、このA350、本当はかなりのロングレンジャー(長距離を飛べる飛行機)で、通常であれば北米線や欧州線くらいの長距離国際線を飛ぶのに最もふさわしい飛行機なんですよ。しかし今回は国内線への投入です。導入当初の慣らし運転ではなく、機内仕様を見ても分かる通り国内線専用です。羽田=福岡線を皮切りに、新千歳、那覇にも今年度(2019年度)中にも投入される予定です。

何故積極的に国内線かと言うと、A350-900は777-200の代替機という位置付けだからなんですよね。


f:id:flyfromrjgg:20190901103252j:plain

こちらがその777-200。

初期の777-200が20年選手になりつつあるので、リプレイスが必要。そこでA350に目を付けたというわけなんです。なんだかA350の性能の良さ(燃費や航続距離)を犠牲にしているようでもったいない気がしますが、日本ではよくあるパターンです。

日本という国はジャンボ(747)が国内線に飛ぶような国だったじゃないですか。ANAだって国内線に787をバンバン飛ばしていますよね。日本は長距離路線用の機材でも国内線に飛ばすお国柄なのです。

日本と言う少々特殊なマーケットがA350を国内線に投入させた。日本の国内線でこんなに素晴らしい機体に乗れるって贅沢なことですよね。今回JALのA350に乗って「あー日本に住んでいて良かったなー」と思いました。普通に考えればこの機体は国際線用の機材ですから。

いやー素晴らしく快適な飛行機でした。A350自体は何度も乗っていますが、植木会長の言う通り静寂性は世界一ですね。スラストリバーサに気付かないくらい静かでした。こんなにいい飛行機だったっけ?と改めて思い直す僕なのでした。

スポンサードリンク


flyfromrjgg.hatenablog.com

flyfromrjgg.hatenablog.com

flyfromrjgg.hatenablog.com

flyfromrjgg.hatenablog.com

flyfromrjgg.hatenablog.com

flyfromrjgg.hatenablog.com

flyfromrjgg.hatenablog.com

ブログの内容は個人としての発言であり所属する組織・団体とは一切関係がありません。