A350初便へ選考プロセス
2019年9月1日にJALのA350が就航します。初便マニアの僕としては絶対に乗りに行きたいとやる気満々でした。そして誰も予想しなかった4月4日、JALは突如9月1日のJL317便(12時10分発)でA350を就航させると発表しました。僕は不意打ちのようなニュースに即座に反応できず、「先得」(JALの早期購入割引運賃)を逃してしまいました。自分は絶対に取れる、きっと事前に情報が流れてくるはずだ、などと非常に身勝手な考え方をしていたのです。しかし現実は冷酷でした。ニュースを知った頃には「先得」は完売。1次選考はあっさりと敗退してしまいました。
通常、国内航空券は2ヶ月前から販売開始ですが、先得などの早期購入割引(夏スケ分)は搭乗日によらず3月末から販売されています(これを上では1次選考と勝手に呼んでいます)。そして「先得」を逃すと搭乗2ヶ月前の7月1日の一般販売を待つしかありません。
これがいわゆる2次選考。1次選考を逃すとチャンスは7月1日まで巡ってきません。しかし、実は1次選考と2次選考の間に1.5次選考と呼ばれる中間の選考がありまして、JALのステータス会員の方々はこの1.5次選考に賭けることができます。しかし僕はJALではステータス会員ではありません。すなわち2次選考は相当厳しい戦いになることが予想されたのです。
そんなJALヒラ会員の僕は、1.5次選考が始まる前に何らかの手を打たねばならなりません。僕は最後の手段、つまりあの「裏技」に賭けるしかなくなりました。
なお、既にJALのA350は就航しております。初便の記事はこちらです。
国内線を発売前に押さえる裏技
先述した通り、日本国内線の一般販売は搭乗日の2ヶ月前からです。しかしそれよりも前、しかもうんと前、ほぼ1年前から国内線区間を押さえる方法が存在します。国際航空券の国内区間
として買うのです。
一度でも修行を経験したことのある方はきっと知っていると思いますが、俗に「インター発券のドメ区間」とか「インターチケットのドメ区間」、ときどき「インターのドメ」なんて大胆に略しちゃうときもありますが、要するに国際航空券を買うときに引っ付いてくる国内線区間という意味です。
例えばANAを利用して中部から成田経由でニューヨークに行きたいとすると、中部=成田=ニューヨークの「中部=成田」がインター発券のドメ区間に該当します。この「中部=成田」は国内線でありながら355日前から予約できるのです。(正確には最終区間搭乗日の355日前なのでもっと前から買えます。)
この「何日前」という数字はエアラインによって異なりますが、大体1年前から11ヶ月前と思って頂いてよいと思います。
この裏技を使えば、9月1日のJAL羽田=福岡A350初便を一般販売の7月1日を待たずして予約することができるのです。
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実は一時期忘れてました
実はこの方法、すぐに実行したわけではありません。何だか情熱が薄れていた時期がありました。しかし5月中旬、世一旅行社というソウルの旅行社からメールが来ました。(定期的にメールが来る)そのメールにはこんな風にJALのA350が9月1日から就航する旨が書かれていたのです。
あ、忘れてた!
これを見てお尻に火が付きました。「これはヤバい!今しかない!」と。僕はすぐさま行動に移りました。
インター発券の王道は海外発券
インター発券のドメ区間として「羽田=福岡」を乗る場合、色々なパターンがありますが、僕が王道だと思っているのが海外発、日本国内ストップオーバー付き日本各地行き航空券です。僕の経験ではこれが一番安くてフレキシブルに動けます。早速僕の予約した路線を紹介します。
「金浦=羽田=福岡」というルーティングです。羽田でストップオーバー(24時間以上の滞在)できる国際航空券を使っているので金浦=羽田は8月に、そしてメインの羽田=福岡は9/1に飛ぶことができます。
これがストップオーバーできない航空券だと、8/31にソウルに行き、翌日の9/1に金浦=羽田で羽田に戻りそのまま羽田=福岡の初便に乗ることになりますので、ちょっと慌ただしい旅程になってしまいます。
僕はA350初便は日帰りで、そしてソウルはお盆休みに、と分けて行きたかったので、ストップオーバーありの航空券にしました。海外発券の航空券は基本的にストップオーバーありのものが主流ですのでご安心下さい。
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日本発だと少し制約がある
このインター発券を日本発でやってもいいです。日本発だと片道運賃は高くなりますので往復の方が都合がよいと思いますが、例えば「羽田=金浦=羽田=福岡」として最終区間にJALのA350初便を入れます。ただしこれを8/31から9/1にかけてやろうとすると海外での最低滞在日数に引っ掛かったりすることがあるようです。つまり1泊の旅程だと発券できないというわけです。
1泊でこなしたい場合は、「羽田=金浦」を初便よりも早い日程で飛んで、別の航空券で日本に帰り、再び8/31に金浦に飛んで、9/1に「金浦=羽田=福岡」を使うという方法が考えられますが、それは結局「金浦=羽田=金浦」という海外発券が必要となり、何をやっているのよくかわからないことになりますので、日本発のインター発券のドメ区間は若干使いにくい面があります。
海外発券は金銭的なメリットも
僕の予約した片道旅程「金浦=羽田=福岡」ではビジネスクラス570,000ウォン(諸税別)でした。JALのビジネスクラスで金浦=羽田に乗り、続いて羽田=福岡のA350初便に乗れるなんて超お得ですよね。今となっては羽田=福岡の初便なんて、ボッタクリ価格の普通運賃しか残ってないわけですから。上記の通り普通運賃で普通席が取れたとしても4万円強が必要です。それプラスたったの2万円で金浦=羽田のビジネスクラスが付いてくるんですから、もうこれは大バーゲンセール以外の何物でもないわけです。
ちなみにエコノミークラスの最安値は420,000ウォン(諸税別)でした。エコノミークラスならば羽田=福岡の普通運賃と全く変わらない値段でソウル片道が付いてくる計算になります。
いかに海外発券がお得か、しかも片道でもお得かがお分かり頂けるかと思います。
もちろん往復で取るともっとお得です。僕の旅程にソウルへの復路便を付けると、金浦=羽田=福岡=羽田=金浦となります。この場合の往復運賃はビジネスクラス770,000ウォン、エコノミークラス620,000ウォンでした。
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ビジネスクラス、エコノミークラスともに20万ウォンの追加で往復旅程にできるのなら、A350初便の前後にソウル往復の旅程を組める方は、往復で買ったらよいと思います。
僕はいつも時間がない人なので、やむなく片道にしましたが、往復の方が圧倒的にお得です。でも片道でも往復の料金よりも安いのがいいところですよね。日本発の航空券を買う場合って、片道旅程は往復旅程よりも高くなることがありますから…。
キャンセル待ちもできる
ちなみに7月1日以前のJALのHPではA350初便は空席待ちも入れられない状態でした。先得は席数限定の航空券のため、全部売れてしまったら空席待ちを受け付けられません。こんなときインター発券のドメ区間は威力を発揮するのです。そもそもJALステータス会員の予約開始が6月中旬ですので、それよりも前にインター発券のドメ区間として予約を入れれば普通に空席があるのでは?と思っていましたが、さすがに空席はありませんでした。しかし先得のような特殊な運賃ではないため、空席待ちが入れられました。
僕が予約した時点での空席待ちメモがこれ↓です。
JALに問い合わせたところ、クラスJは5名の空席待ち、普通席は15名の空席待ちと言われました。同じ事をやっている人がもっといると思ったので、意外に少なくて驚きました。
これならば行けるんじゃない?
ちょっとだけ希望が見えました。
ちなみに空席待ちは普通席とクラスJの両方でできました。すごく不思議な感じですが、旅行社経由ではそれが普通なんでしょうか?とにかく2つの枠で空席待ちができれば、勝率は2倍。非常にありがたいですね。
先行予約の前日に確保
そして6月17日、翌日にステータス会員の先行予約を控え、一歩先に僕の普通席の予約が取れました。こんな感じです。普通席が取れてクラスJは相変わらず空席待ち状態。
先行予約開始の前日に取れたというのは一つの教訓になりそうです。そのタイミングで何らかの座席調整が行われるんでしょうね。とりあえず空席待ちをなくしてから先行予約に移行するのかも知れません。
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A350初便ゲットの教訓は
このA350初便ゲットで得た教訓をまとめますと、- インター発券を利用すれば一般販売よりも前に予約できる。
- 割引運賃で空席待ちができなくてもインター発券なら空席待ちができる。
- 空席待ちの状態から予約が取れるタイミングは先行予約の直前。
と言ったところでしょうかね。とにかくステータス会員じゃないからと言って諦めてはいけませんよ。ほら、これを読んで下さい。
(月刊エアライン2019年3月号 いけてるこうくうの「初便にこだわる」抜粋)
またそれかよっ!
って感じですが、はい、今回は脳をフル回転させて取りました。ANAのA380初便の場合は「毎日空席待ちをするような情熱」なんてことを言ったかも知れませんが、今回はちょっと違って作戦ありの勝利でした。
裏技を広めるな、か?
こういう記事を書くと、この方法を既に知っていた方々から「(一部の人しか知らない)裏技を広めるな」と批判を食らうことがあります。世の中にはインター発券とか海外発券というテクを知らない人もいますので、ポピュラーになってしまうと競争率が上がるため嫌なんですよね。と思われる方、多分大丈夫です。ここに書いたからと言って、それを実行できる人は限られます。恐らく皆さんそこまでできません。ある方法を100人に教えてもそれを実行できる人はほんの一握り。まさにデキる人だけなんですよ。
インター発券や海外発券はやはりちょっと面倒ですから、なかなか行動まで至らない人が多いのです。要は情熱なんですよ。大半の人は「そんな面倒な方法なら乗るのやめるわ」と言って諦めてくれますので…。
あと情報は発信した人に集まって来るという性質があります。裏技でも何でも、もったいぶらずに公開することで逆に知らない情報を集めることができるんです。僕だって競争率が上がるのは嫌ですが、それ以上にメリットがあると思うから公開するんです。
まぁ、コメント欄を閉じてしまっては仕方がないかも知れませんけどね。何かあればTwitterでコメントを下さると助かります。
と言うわけで、なかなか取れない国内線をゲットするための裏技をご紹介しました。
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