短距離なのに長距離国際線機材が入る路線
1区間9,000マイルで乗るビジネスクラス弾丸旅行、次のレグは福岡-ソウル(仁川)です。機材はアシアナ航空B777-200ER。
この便は機材が比較的ランダムで、A330が入ったりB777が入ったりします。ちょっと変則的な路線ですね。今回の狙いはB777-200ER。ERというだけあって、近距離アジア線仕様ではなく長距離国際線仕様の機体です。
たまにこういう路線があります。日本で言うとANAでは伊丹-成田、JALでは中部-成田のような路線です。国際線の合間運航と言いますか、成田で機材を遊ばせておくより、その間国内線でも何でもいいから短い路線で飛ばした方が儲かる、といった観点から国内線に国際線機材が投入されるというパターンですね。(搭乗率にもよると思うんですけど…。)
アシアナ航空の福岡-ソウル(仁川)もそんな部類です。仁川でB777一機を遊ばせておくより福岡に一往復飛ばした方がいい。アシアナ航空にとって、都合の良い路線がソウル(仁川)―福岡だったんでしょう。
「中部-ソウル」という旅程を検索しているときにたまたま見つけ、前から狙っていた路線でした。こういう路線を見つけると嬉しいですよね。だってお得な料金(今回はお得なマイル)で、長距離国際線機材を体験できるんですから。
ファーストクラスがビジネスクラスとして解放されている
目的の便はOZ131便、11時30分発。54番ゲートからの搭乗です。ワクワクしますね。普通アジア路線のB777と言ったらANAですら古い機材で運航されているのに、この路線では豪華仕様のB777が投入されています。もちろんファーストクラス付きです。
僕は今回ファーストクラスに乗ります。とは言うもののこの便ではシートがファーストクラスというだけで、料金はビジネスクラス扱いです。なのでビジネスクラスで発券しても最前列のファーストクラスが指定できます。初めからそれを狙っています。
まずはビジネスクラスを通って
さぁ搭乗の時間です。L2から入ります。L2から入るメリットは搭乗時にエコミークラスの乗客が入ってこないので、出発まで落ち着いて過ごせることですね。
こちらは2Lドアから入って左側にあるビジネスクラスのゾーンです。スタッガードタイプです。僕が経験したことのある機材で言うと、例えばタイ航空A380のビジネスクラスやベトナム航空のA350がこのタイプのビジネスクラスを導入しています。
こちらはビジネスクラスの窓側。いいですねぇ。プライベート感たっぷりです。
こちらは通路側。なるべくならこちらには座りたくありません。窓にも遠いですし、通路に近いためややプライベート感に欠けるからです。
このビジネスクラスでも十分に快適でしょう。しかし最近の僕はこんなんじゃ満足できません。
憧れのファーストクラスに足を踏み入れる
それでは憧れのファーストクラスに行ってみましょう。えー!こんな風になってんの???
やや狭い通路の両側に壁がそびえ立っていました。まるで個室空間。アシアナ航空のファーストクラスはこんな風になっていたんですね。
斜め上から見てみると若干窮屈な感じはしますが、全体的に狭苦しい分、それぞれのパーソナル空間は広いです。こんな空間に腰を下ろして福岡までの1時間20分を過ごせるなんて夢みたいです。
座席の写真を撮ろうと思っても、25㎜の広角レンズでは全然入り切りません。
ファーストクラス座席大解剖
アシアナ航空B777-200ERのファーストクラス席を一挙大公開します。まずは扉から。こんな風に両側に開く仕様になっています。ちなみに、僕はあまりに興奮しすぎて、この扉を一度も閉めずに終わってしまいました。もったいないことをしたなぁと思います。扉を閉めなければ100%ファーストクラスを体験出来ていないことになります。まだまだ僕はケツが青いです。
もちろんファーストクラスって言うくらいですから、1-2-1の4アブレストです。どのシートに座ってもプライベート空間に違いはありません。
通路側の座席から窓側の僕の座席を見るとこんな感じに見えます。
窓側の僕の座席から通路を見るとこんな感じに見えます。なんだかたまりませんね。もう飛行機の中じゃないみたいです。
スクリーンは何インチあるんでしょうか?むっちゃデカいです。
そしてテレビの下のオットマンは物入れになっており、カバンがスッポリ入りました。
窓3つ分の広々空間です。いや写真に3つ写るということは窓4つ分ですね。
フルフラットにしてみましょう。最初どの角度から撮ったら全景が入るのか分からず困りました。前の座席の角から撮ってみたらなんとか全景が入りました。
これならばよく眠れそうです。ビジネスクラスに特有の足元が狭くなる感覚はないですし、肩周りも広々としており、寝返りも簡単に打てそうです。眠ってみたいですが、こんな短距離路線では到底無理ですね。
サイドにはイヤホンジャック、USBなどの差込口、電源、ペットボトルを入れられるホルダなんかがあります。
ひじ掛けを開けると液晶リモコンが入っていました。
そしてひじ掛けの上の方にはもう一つ大きな液晶パネルがあります。英語か韓国語かが選べます。
ファーストクラスの部屋の絵が現れました。ここで色んな操作を行います。
座席のリクライニングなどポジション調整はこの画面から。
ミニバーなんてのもあります。まさかまさか、ミニバーが壁の中に埋まってるんでしょうか?
UPを押すと出てきました。電動で下からボックスが上がってきました。でも残念ながら中は空。さすがにこの路線でミニバーサービスはないようです。でも欧米線ではきっとここにお酒が入っているんでしょうね。なかなかのもんです。
いやはや、世の中にはもっとすごいファーストクラスがあるので、アシアナ航空の旧式ファーストクラスで興奮してちゃダメなんですが、それでもこれだけの空間と機能があれば大したもんですよ。十分に満足できちゃいます。
ちなみに僕が写真を撮っていたら、CAさんにすごく冷たーい顔をされました。「うわーマニアが乗ってきたよ」みたいな感じですね。僕もあんまりコミュニケーション取らずにやってたのがいけなかったんですが、「飛行機好きなのね?」ともう少し優しい顔をしてくれても良かったと思います。残念…。
実質55分のフライト
はい、興奮冷めやらぬ中、タキシーを開始しました。隣にはタイ航空のA330がいました。
そしてRWY34から離陸。南から北へ向けて離陸したので、仁川まではそのまま北上するのみです。
この便の所要時間は時刻表上で1時間20分。実際の飛行時間は55分です。短すぎます。
機内食はお弁当レベル
ビジネスクラスですから当然機内食も出ます。しかし豪華フルコースとはいかず、出てきたのはお弁当のようなご飯でした。そしてワカメスープが付きます。
引いて撮ると、ちょっと間抜けです。こんな大きなテーブルにこれだけのご飯。でも文句を言っちゃいけません。
CAさんは大忙しというか、乗客が全然いないので大したことはないんですが、「早く食べ終われ、早く食べ終われ」みたいなオーラを出しながら通路を行ったり来たりされるのがちょっと嫌でした。いや、ホント、すごく頻繁にCAさんが通路を通るんですよ。ファーストクラスのキャビンには僕しかいないため、何となく監視されているような気さえしました。
ちなみにお食事サービス中のビジネスクラスのキャビンはこんな感じ。ファーストクラスには乗客はいませんでしたが、ビジネスクラスは半分くらい埋まっている感じでした。
あっと言う間に終わってしまった
大して寛ぐ間もなく飛行は終盤戦に入ります。飛行中はあんまり外を見ていませんでした。雲ばっかりでしたし…。
そしてすぐにアプローチ体制に…。
INCHEONの文字を見ながら滑走路に滑り込みます。よく見るとエンジンの中が緑色してますね。これ、エンジンが新しい証拠です。機体はそれなりに古いはずですので、エンジンだけを新しくしたことがわかります。
短い短いフライトを終えて、ターミナルビルに着くと隣にはB747-400がいました。この角度からウィングレットを入れて撮るとカッコいいですねぇ。このB747-400にもファーストクラスが付いています。シートマップを見るに個室タイプのファーストクラスのはずです。B747にも乗らないといけませんね。
そんなわけで1時間20分の短いファーストクラス体験は終了。サービスはビジネスクラスですが、シートだけは本物のファーストクラスです。ファーストクラスに乗ってみたいけど、ちょっと肩肘が張ると思ってしまう方には、福岡-ソウル(仁川)のような短距離路線で肩慣らしをしてみるといいと思います。
だけどやっぱりサービスもシートもファーストクラスを体験してみたいですよねー。「次こそは本物のファーストクラスに乗るぞ!」と思いながらもズルズルと体験版だけを繰り返している僕でした…。
つづく。