初便では何もわからない
先日のエアアジアジャパン搭乗記はお楽しみ頂けましたでしょうか?あれは初便ということで、運賃がいくらでも、多少トラブルがあろうとも、お祭り気分で楽しく乗るわけなんですけれども、やはり皆さんが気になるのは、「エアアジアジャパンってホントはどうなの?」というところでしょう。初便はとにかくイベントの色合いが濃くて、平時のそのエアラインというものを表していないんですよ。初便は別次元、乗ること自体を楽しむものなんですから。
なので、ちょっとここで頭を冷やして、エアアジアジャパンというLCCは本当に安いのかということとか、乗る時に気を付けないといけないこととか、どんなサービスがあるのかとかを解説したいと思います。
本当にエアアジアジャパンは安いのか?
2017年10月29日に満を持してセントレア(中部)に就航したエアアジアジャパンなんですが、一体どれだけ安いんですかね?エアアジアジャパンのHPを見たことがない人にはその安さが実感できないと思いますので、ここでちょっとだけANAの運賃との比較をしてみたいと思います。ということで10日後、60日後という2日でANAと運賃を比べてみます。
エアアジアの11月10日の状況です。(キャプチャーした日から10日後)
エアアジアの名古屋=札幌線はキャンペーン価格で3,300円。これが最安値だと考えて下さい。余裕で朝便、夕方便ともに最安値で買えます。これに座席指定や支払い手数料が加わるため、実質は4,000円程度だと思って下さい。
同じ日のANAはどうでしょう。10日後とあってANAの格安運賃である「旅割」は販売を終了しており、「特割」が最も安い運賃になります。どの便も3万円台。エアアジアは実質4,000円と書きましたので、10倍近い運賃格差があるということです。
この状況下では確実にエアアジアに軍配が上がります。時間を選ばなければエアアジアに乗るのが絶対にお得です。
一方、2ヶ月先の12月30日はどうでしょうか。年末年始とあって札幌(新千歳)線は込み合うことが予想されます。
12月30日はエアアジアでもさすがに料金が高くなっています。朝便が22,500円、夕方便が15,400円です。
ANAはどうかというと、2か月先とあって「旅割」が取れます。幅はあるものの22,000円~28,000円ってところです。
随分と先になると、格差は縮まり、それでもエアアジアの方が安いんですが、ANAびいきの人達は「そんなに変わらないならANAに乗るか」と思わせる程度の差になります。
この2ケースで結論付けてしまうのはやや早計ですが、大手の早期購入割引がなくなるような近い日程ではLCCが圧倒的に安く、混雑が予想される先の日程ではどっちもどっちということが言えそうです。例は示しませんでしたが、単に先の日程(混雑時期ではない)だと、そりゃもちろんLCCの方が安いです。
予約の方法
それでどうやって予約するかという話に移りたいと思います。「WEBから予約するだけです。」なんて言っちゃうと冷たいですので、注意点だけ述べたいと思います。予約画面の全ページをキャプチャーしようかとも考えましたが、人が書いた手順を見ながら予約する人はそもそもLCCには乗れないと思うので、手順は省略させて頂きたく思います。変なパック料金は無視すべき
手荷物を預ける場合の料金や座席指定料は必要ですが、その他のオプションは不要です。まず予約した時に真っ先に出てくる画面は見るに値しませんので無視しましょう。手荷物を預ける人で、機内食をどうしても食べたい人はバリューパックはお得かと思いますが…、国内線で機内食って要りますかね?しかもこれ、「既定の機内食」と書いてあるだけで何が出てくるのかうまく探せません。このセット料金は無視した方が良さそうです。
手荷物を預けるなら絶対に事前予約
LCCの特徴は手荷物を預ける料金が必要なことです。機内に持ち込めないサイズの荷物を持って行こうとしている方はご注意下さい。手荷物のプルダウンをクリックすると、
- 15kg以内:1,200円
- 20kg以内:1,400円
- 25kg以内:1,900円
- 30kg以内:2,900円
- 40kg以内:5,300円
と表示されています。恐らくほとんどの方が20kg以内で収まると思いますので、手荷物受託料金は1,400円以下と考えるのが妥当でしょう。これくらいの料金ならば払っても良さそうですね。ちなみに他社はどうかというとこのようになっています。
- ピーチ:1,200円~1,800円(路線による)/20kg以内
- ジェットスタージャパン:1,550円/15kg以内
- バニラエア:2,000円/20kg以内
- 春秋航空日本:2,250円/15kg以内
むしろエアアジアは他と比べて安い方です。
ただ他社は、手荷物受託料金と座席指定料金を合わせたセット料金を用意している場合があるので、そちらを選択すると多少安くなります。(エアアジアの場合もセット料金がありますが、機内食が付いているので比較が難しいです。)
もう一つ。
手荷物を預ける際に注意が必要なことは、予約変更をすると料金が15%アップするということ、そして事前予約なしで当日空港のカウンターで手荷物を預けると15kg以下で2,900円も取られるということです。
予約変更をするケースというのは少ないと思いますが、手荷物の事前予約を忘れて当日空港でお金を払って預けるというパターンは有り得ますので注意して下さい。事前予約の倍以上の料金を取られるのはさすがにたまりませんよね。
しかも事前予約なしでる預ける場合で15kgを超えると、1kgあたり1,400円の追加ですので、仮に40kg預けると、2,900円+25×1,400円=37,900円になります。自分は4,000円程度で乗っているのに、荷物は4万円近く掛かるという超VIPの御手荷物様になってしまいますので、事前予約なしで預けるのだけは避けたいものです。
また事前予約していても、空港で予約した重量を超えた場合には注意が必要です。その場合も1kgの超過で1,400円を取られますので、ご注意ください。15kgに収まりそうだったのに空港で測ったら16kgだったら、事前予約の1,200に1kg超過の1,400円が必要になりますから、これはショックがデカいです。
手荷物を預けるときは必ず事前予約を行い、超過しないように注意して下さい。
さて、上の画面にも現れていましたが、座席指定については次節にて解説します。機内食についても後ほど解説しますのでお待ち下さい。また、機内リラックスアイテムは短い国内線では絶対に不要だと思いますので無視して下さい。
座席指定料金が必要です
LCCで重要なオプション料金は手荷物受託料金と座席指定料金です。この2つを攻略すればLCCを攻略したと言っても過言ではありません。フルサービスキャリアとは違ってLCCでは座席を指定するのにお金が必要です。座席を指定しないで乗ると、チェックイン時に自動的に割り当てられます。空いている便ならそれもアリですが、2人以上で旅行するときや、混雑している場合は確実に指定したいところです。
こちらがとある便の座席指定画面です、これでどの席がいくらかがわかるかと思います。
特にLCCはシートピッチが狭いですので、最前列や非常口席を指定するのもいいと思います。最前列や非常口席はホットシートと呼ばれ、900円で指定ができます。一番安い席は400円ですので「プラス500円」と考えるのが正しい理解です。他のエアラインでは、もっと高いところがありますので、プラス500円で足元の広い席に座れるのは個人的にはかなりお得かだと思っています。ちなみにエアアジアの900円は他のLCCと比べても安いです。
ちなみに他社の最前列(または非常口席)の座席指定料金はこうなっています。(いずれも日本国内線の料金)
- ピーチ:1,300円
- ジェットスタージャパン:1,190円
- バニラエア:1,000円
- 春秋航空日本:1,000円
支払いにも手数料が必要です
もう一度載せますが、予約する最初に値段が出ますよね。これの画面↑です。
ここまで読み進めて頂ければ、「この表示はウソだ!」とわかると思います。あとから追加、追加で取られるのがLCCの料金システムです。手荷物を預けるとか、座席を指定するとかで、表示価格よりも1,000円~2,000円くらい高くなる覚悟で臨んで下さい。
ちなみに就航前に5円運賃というものが出ましたが、5円運賃を選んだとしても実質は715円でした。何故ならセントレアの空港使用料が310円、クレジットカード決済の手数料が400円必要だからです。(セントレアの空港使用料310円は表示運賃に含まれています)
はい、LCCではクレジット決済するにも手数料が必要なんです。ほとんどの人がクレジット決済をすると思われますが、その場合は400円の手数料を払わなければいけません。コンビニ決済だと500円掛かります。料金が掛からない方法はなくて、一番安い決済方法が銀聯カードによる決済で150円です。
最後の最後まで追加料金を取られるなんてセコい感じがしますけど、それがLCCというものだと諦めて支払いましょう。トータルでは圧倒的にANAやJALよりも安いんですから。
というところまでが予約の方法です。
WEBチェックインがベストなのか
続いてWEBチェックインの方法を解説します。飛行機に乗るためにはチェックインが必要です。最近ではチェックインカウンターに寄らずにチェックインをするという方法が主流です。LCCでもそれは同じで、WEBチェックインというのができます。(フルサービスキャリアではそもそもチェックインという操作自体が不要ですが…。)
しかしエアアジアジャパンでは、WEBチェックインにどれだけメリットがあるのかよくわかりません。WEBチェックインでは荷物を預けるかとか、旅行保険に入るかとか、レンタカーはどうかとか色々聞かれて面倒なんですよ。
(旅行保険に入るかどうかのオプション画面)
(旅行保険の画面の下に出るレンタカーの予約画面)
ただ一つWEBチェックインのメリットを言うと、チェックインカウンターに寄る必要がないことです。チェックインの締め切りは搭乗時刻の30分前なので、本当にギリギリに空港に着いて荷物を預けずに飛行機に乗りたいという人には便利です。そういう人だけ使ってもらえればいいんじゃないかと思います。
WEBチェックインをするとこういう紙が出ます。当日空港チェックインをするときに出てくる紙と内容は全く同じです。
ただ、エアアジア側としては、実はWEBチェックインはやって欲しくないということが初便に乗ってわかりました。チェックイン機からはミシン目の入った紙が出るため、それを使ってくれた方が搭乗時にちぎるのがラクで便利らしいんです。でもそれは航空会社側の都合ですので、皆さんの都合に合わせてWEBチェックインかカウンターでのチェックインかを選択して下さいね。
また聞くところによると、WEBチェックインができなかったという人が結構いたようです。まだまだシステム的に上手く行っていない部分があるんでしょうね。上手くいかないと出発前にイライラするだけですので、総合的に考えるとWEBチェックインは面倒なだけかも知れません。
機内食は買うべきか
予約の仕方のところで、後ほど説明すると言って飛ばした機内食についてですが、もう一度聞きますけど、2時間弱の国内線で機内食とか要ります?同じお金を払うなら空港で食べませんか?と、国内線では実質ほとんど見向きもされない機内食かと思いますが、一応紹介しておきましょう。
こちらのSantanというのがメニューになります。Santanとはマレー語で「ココナッツミルク」の意味だそうで、それが今となってはエアアジアの機内ミールを指すのだそうです。
こちらプリオーダーのページです。とりあえずメインの機内食メニューを列挙しておくと
- ナシレマ:750円
- タイ風チキングリーンカレー:750円
- きしボナーラ:750円
- 飛騨牛コロッケのベーグルバーガー:600円
- REDパンケーキ:600円
事前にWEBでオーダーしておくと割引で買えます。750円のメニューは元々850円のところを100円引き、600円のメニューは元々650円のところを50円引きです。絶対に食べたいと思う方は、予約の時にオーダーしておいて下さいね。
さて。これがエアアジアジャパンの看板メニュー4品です。東南アジア風なのが2種、ナシレマとタイ風チキングリーンカレーです。そして拠点名古屋のご当地メニューがきしボナーラ(きしめん+カルボナーラ)、そして岐阜のご当地メニュー飛騨牛コロッケのベーグルバーガーです。オリジナリティが出ているところが旧エアアジアジャパンと違うところです。旧エアアジアジャパンは洋食と和食みたいに分かれているだけで、地域の特色が全く出ていませんでした。
もう一つ隠れた看板メニューがREDパンケーキ。事前予約しておけばベーグルと同じ600円で買えます。その他はカップ麺やスープおやつなどなど。それなりの値段がするので、あえて機内で買わなくてもいいかな?って思っちゃいますよね。
飲み物はソフトドリンクが200円、アルコールが400円です。この値段設定は比較的良心的だと思います。
というラインナップになっているわけなんですが、とりあえず国内線では、機内食やその他の食べ物を買う必要はないと断言します。話のタネに食べてみようと思って買うのはアリですが、実際「きしボナーラ」を食べてみて、「もう次はいいかな?」と思いました。本当に買って欲しかったらエアアジア側ももう少し質のいいものを出さないといけませんね。ボリュームも大事です。
ただ、エアアジアジャパンが国際線に進出するようになったら話は変わるかも知れません。さすがに4時間くらい乗っていると、食事が出たらいいなぁと思いますからね。その時のために、今から全部のメニューを食べておいて、当たりのメニューを発掘しておくのもアリかと思いました。
機内販売は買わないにせよ好感が持てる
食事の他にもエアアジアのグッズや化粧品なども売られています。こちらがエアアジアのグッズ。キャップは格好いいとは思いますが、「DJ」というロゴがイケてないです。エアアジアジャパンの2レターだと言っても「???」となり、なんで「Disc Jockey」なんだよ!勘違いされること間違いなしです。
化粧品はノエビアグループのものが売られています。左側がリップ。そして、右側が豆乳イソフラボンのセット(洗顔、化粧水、乳液)です。
最後は地元常滑市のキャラクター「トコタン」グッズです。
と、機内販売は以上です。機内食と同じくこちらでも、地元の商品が出ていていいですね。買うか買わまいかは別として、ちょっと地元に根差してるぞ感が好感度をアップさせるんですよ。
ということで、新生エアアジアジャパンとしての成長を感じた機内食&機内販売メニューでした。
まとめ
ということで、あれこれエアアジアジャパンの乗り方について解説してきましたけれどもまずは、搭乗する時期と予約する時期の両面から、他のフルサービスキャリアとの運賃差を把握しておくことが必要です。時期によってはLCCとフルサービスキャリアが同じ値段ということもあり得ますので、そういう時期にエアアジアジャパンに乗ってはいけません。もう一つは何をするにも料金が要るということです。何を選ぶかは、アナタ次第。というか、最初はどうしたらいいのか悩んでしまいますが、大体相場は決まっていまして、手荷物受託料金と座席指定料の2つが主に払うべき追加料金です。その他は機内販売を含め無視しても構わないでしょう。機内食はブログネタにするくらいで、積極的には食べないと思います。
LCCは最初だけハードルが高いですが、料金の仕組みと選び方の相場がわかってしまえば楽勝です。今ならまだまだエアアジアジャパンの認知度が低く、安い運賃で放置されている状況なので、LCCで旅行をしたことがない人も、是非とも格安で札幌に旅行に行ってみて下さい。意外と快適に旅行ができるはずですよ。
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