イケてる航空総合研究所

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エコノミークラスのシートピッチなんていちいち気にすんな【エコノミークラスを快適にするシート選びのコツ】

そう言えばシートピッチを気にしたことがない

前回のQ400の記事を書いていて、ふと思ったことがありました。僕ってシートピッチが何インチとか、あんまり気にしたことがないなぁと。

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このシートピッチって広くないか?って話題でして…。

僕は「エコノミークラスの標準的なシートピッチっていくつですか?」と聞かれても答えられません。「エコノミークラスに乗らないからじゃ~ん、チョー嫌味~!」って話じゃなくてですね、「航空マニア」を公言するくらいならシートピッチくらい知っておけよって話です。

(「シートピット」とは「シートの前後の間隔」のことを指しまして、インチで表すのが一般的です。日本人には分かりやすくセンチで表示されていることがありますが、あくまでもインチをセンチ換算して四捨五入しているだけなので、インチで表した方がより正確です。1インチ=2.5センチです。)

「ビジネスクラス症候群」とか言っている僕だって、国内線の場合はアップグレードポイントがなければ普通席に座りますし、長距離国際線だってエコノミークラスに乗らざるを得ないときだってあります。2年くらい前まではデルタのエコノミークラスにはよく乗っていました。

でもシートピッチの数字を全く知らないんですよ。いつも感覚的に「狭いなぁ」「広いなぁ」と思っているだけです。

調べてみるとフルサービスキャリアの国内線普通席のシートピッチは31インチで、国際線エコノミークラスのシートピッチは34インチだということがわかりました(1インチ=約2.5㎝)。しかし、数字(値)を聞いてもピンと来ません。数字を聞いて思うのは「へぇー国際線はやっぱり広くしてあるんだぁ」くらいです。

シートピッチを気にしても仕方ない

ここで質問。

シートピッチが1インチでも広いエアラインを選ぶべきでしょうか?

確かに数字だけ見れば快適です。

エアライン選びにシートピッチを気にする人はいます。でも僕は、

シートピッチなんて超ナンセンス!

だと思っています。

僕は生まれてこの方、シートピッチの数字(値)が航空会社の選択に繋がったことは一度もありません。(日本の国内線ではシートピッチが広いスターフライヤーがいいと思うことはありますが、あくまでも時間が合えば乗るのであり、シートピッチで決めているわけではありません。)

それでも一応調べてみた

シートピッチを気にしたことがないと言いつつ、調べて分かったことを一応書いておきますね。

ANAもJALもシートピッチって基本的に同じなんです。

  • 国際線エコノミークラス:34インチ
  • 国際線プレミアムエコノミークラス:38インチ
  • 国内線普通席:31インチ
  • JALクラスJ::38インチ
  • JALファーストクラス:51インチ
  • ANAプレミアムクラス:50インチ

といった感じです。ちなみに、

  • 国内LCC:29インチ

です。国内のフルサービスキャリアとLCCのシートピッチの差は2インチみたいです。

31インチとか、29インチとか言っても感覚がわからないと思いますので、写真を載せておきます。普通席の雰囲気はこんな感じです。

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ANAの737。シートピッチは31インチです。


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こちらはLCCピーチ。シートピッチは29インチです。LCCはさすがに狭く感じますね。

ちなみに例外もありまして、スターフライヤーは他のエアラインと一線を画しており、国内線最大の34インチというシートピッチを誇っています。

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ANAの737より広いですよね。

と、まぁ数字の話をしてきたわけですけれども、僕が声を大にして言いたいのは、、、

数字を気にしても実質意味ないっスよ。

ってことです。よく飛行機に乗られる方は既に意味がお分かりかも知れません。

シートピッチよりも快適性を左右する要素とは

シートピッチを気にしても仕方がない理由を述べたいと思います。それは、座席の快適性はシートピッチだけでは決まらないからです。シートピッチよりも大きく快適性を左右する要素があります。

数字だけを気にしている人は飛行機に乗る頻度が少ない人だと思います。またはよ、く乗るけれども機内での快適性を求めて試行錯誤をしたことがない人です。経験がないので数字でしか判断できないんですね。

以下、座席選びが快適性に大きく寄与する長距離の国際線に限って話をします。飛行時間が短い国内線は「結局どこでも同じ」に近いので議論の対象からは外します。

1.通路側か窓側か中央か

窓側か通路側のどちらが快適かというのはいつも議論になるところで、これは人それぞれの好みが分かれるところです。

まず、通路側、窓側、中央席のどこが一番足元が広く感じるかと言ったら通路側じゃないでしょうか?通路側なら通路に少し足がはみ出ても問題ありませんので、数字以上の足元のスペースがあります。一方、一番狭いと感じるところはもちろん中央席ですよね。中央席が好きと言う人は聞いたことがありません。

ちなみに窓側については、足元は狭いですが、壁にもたれられるとか、窓の外が眺められて開放的とか、そういう別次元の快適さがあります。僕は長距離国際線では窓側も好きです。

シートピッチが同じでも「中央席」と「それ以外」では快適度に圧倒的な差があります。それだけでもシートピッチの数字だけじゃないことがわかります。

2.薄型シートで膝まわり広々タイプか

同じシートでもシートのタイプによって快適性は若干異なります。最近は膝まわりを広くしたシートがありますので、シートピッチが同じでも、広く感じることがあります。機内誌などを詰め込むスペースを上に設けて足元を広くした座席です。


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ANAのトリプルセブンの座席です。随分とスリムで膝まわりもスッキリしています。このシートは767にも737にも導入されています。


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こちらが恐らく国内最古と言われるA320のシートです。neoではなく従来型A320のシートです。シート自体も分厚くて膝まわりも狭い感じがします。上のスリムシートとは広さが違いますよね。

つまり、同じシートピッチでも膝まわりの広さによって感じる広さに大きな違いが出るんですよね。シートピッチが1~2インチ狭くても、薄型で膝まわり広々のシートなら救われますよね。

3.隣に人が来るかどうか

実はこれが僕が思う「快適さを左右する最大の要素」です。

隣に人が来るかどうかが非常に重要なんですよ。3人掛けなら中央席に人が来るかどうか、2人掛けならと単純に隣に人が来るかどうか。これが一番大事なんです。来なければ天国、来れば地獄です。

ヨーロッパに行くと737やA320のような単通路機で、3人掛け座席の真ん中席を空けて(アサインしないようにして)ビジネスクラスと称している機材を見掛けます。日本でもANAの737が中部-台北線などの一部国際線の737で同じことをやっていました。(日本では人気がなかったのか、すぐに廃止されました。)

「3人掛け普通席の真ん中を空けるビジネスクラス」という存在が「隣がいないことの重要性」を最もよく表していると思います。隣の空席を保証するだけでビジネスクラスにできちゃうんですから。

隣がいないと、LCCでもかなり快適です。29インチとか31インチとか、そういう議論はどこかに吹っ飛んでしまいます。足を斜めに伸ばすことができるからです。ひじ掛けも両側が使えますので、快適度は体感で2倍くらいにアップします。

逆に言うと、足元の広いスターフライヤーでも、国際線のプレエコでも、隣がいるとシートピッチなど忘れてしまうくらい快適度が落ちます。人が快適と思うパーソナルスペース(他者からの距離)も侵されますので、気持ちの上での緊張度が高まります。

4.隣の人がどんな人か

隣がどんな人かも重要ですよ。極端な話、隣におすもうさんが来たらどうです?それは勘弁して欲しいって思いませんか?足や腕が自分のスペースにはみ出してくるんですよ。そんなの僕は耐えられません。その他タバコ臭い人や、汗臭い人が隣に来た場合も別の次元で耐えられません。シートピッチどころの騒ぎじゃないです。

逆のパターン、綺麗なお姉さんがきたらどうでしょう。僕なんかデッドヘッド(非番)のCAさんが隣に来たら困ります。なんだかソワソワしてしまいます。鼻くそほじれないとか、真面目な本読まないといけないとか、何となく緊張しますよね。

なんて思ってるのは僕だけ?ですかね?

と言ったように、「隣が来るか」にプラスして「隣にどんな人が来るか」というのも快適性を左右する重要な要素なんです。


これまでに述べた以下の項目によって快適性が大きく変化するわけですね。

  • 座席の属性
  • シートのタイプ
  • 隣が来るか
  • 隣に誰が来るか

これらはシートピッチよりも大きな要素です。これだけのことを考えないと、総合的な快適度は測れないということです。

プレエコ地獄に気付いてますか?

これまで色々とシートピッチ以外の面について解説してきましたが、それでもシートピッチにこだわる人がいます。だからナンセンスだって言ってるじゃないですか!ここでシートピッチにこだわり過ぎると陥る罠をお教えします。

その罠はプレミアムエコノミー(プレエコ)にあります。

プレエコと言ってもエアラインによってはシートピッチが広いだけだったり、列の座席数が1席少なかったり(1席の幅が広い)して、差はありますが、エコノミークラスよりはシートピッチや横幅が広いので、数字の上では快適なことになっています。(サービスが)異なることもありますので、一概には言えないですが、ここではシートのみに注目したいと思います。)

プレエコって満席になりやすいんです。みんなが「シートピッチが広いことはいいことだ」と信じているからです。普通のエコノミーはガラガラでもプレエコっていつも満席なんですよね。

ちょっと古い機材になりますが、日本から撤退してしまったヴァージンアトランティック航空のプレエコです。

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A340の2-3-2の配置で、エコノミークラスよりも1席少ない配置になっています。この便ではプレエコは満席でした。

一方で後ろのエコノミークラスはというと、

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一瞬満席にも見えますが、隣が空席の座席が結構あることに気付かれますか?

プレエコは快適だと信じられているので満席になりやすいんです。すると快適性が損なわれ、普通のエコノミークラスの方が快適という状況が起こってしまうんですよ。

快適性の逆転現象

ですね。

もちろんエコノミークラスも満席のときはプレエコはありがたいです。しかし、満席ではないエコノミークラスと満席のプレエコを比べると、シートピッチの狭いエコノミーの方が快適な場合も多くあるのです。

皮肉なことです。

シートピッチが広いプレエコが絶対的に快適とは言えないんですよね。

非常口席は本当に快適なのか

エコノミークラスで勝ち席といえば非常口席です。僕も非常口席が好きな一人です。非常口席なら窓側に座っても誰もまたがず通路に出られますし、足元は無限に広いですし。いいことづくめです。

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(デルタ航空A330の非常口席)

しかし以下のような問題もあります。

人気なので隣が必ず来る
テーブルを横から出す必要があり面倒
シートモニタを下から引っ張り出す必要がある
窓側なのに窓がないことがある
脱出用スライドが足を伸ばす邪魔をすることがある

などです。

一つ一つ解説しましょう。

非常口席は足元が広くて快適ですので、皆が狙ってきます。国際線では3人掛けの真ん中席であっても、非常口席には必ず誰かが来ます。そういうもんです。(国内線には当てはまりません。)

また前の座席がないため、テーブルを横から引き出さないといけないのが面倒です。一旦引き出すとしまいにくいですし、しまうときに大きな音がしますので、夜のフライトの時は非常に気を遣います。また、一旦テーブルを出すとテーブルをしまうのも一苦労なので、通路に出やすいにも関わらず、トイレのタイミングを気にしてしまいます。

さらにモニターを見たいときには前の座席が存在しないので、下からモニターの付いたアームを引っ張り出す必要があります。これが面倒なんです。モニタを取り出すと座席を立ちにくくなるので、先述のテーブルと同じで一旦モニタアームを下に曲げないことには席を出られないこともあります。

前の座席がないことで、装備が自分のシートに集中してしまうんですよね。


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しかも窓がないこともあって、窓側を取ったのに外が見られないこともあり、「そんなはずなかった…。」と嘆くことにもなります。


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デルタの747などは窓側に座ると脱出用スライドが足を伸ばす邪魔をして意外と窮屈です。

非常口席は確かに快適なんですが、意外にも快適性を阻害する要因があります。非常口席とは言え、残念な非常口席もありますので、

事前調査が必要です。

理想の座席選びってとっても苦労するんですよね。

理想はエコノミーフルフラット

エコノミークラスが究極に快適になるのは、エコノミーフルフラットにできる場合です。エコノミーフルフラットとは、一列丸ごと占領してベッドにしてしまう方式を指します。


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こちらはデルタ航空A330の真ん中席です。4席が並んでいます。空席が多い便では、一列丸ごと空席なんて場合も珍しくはありません。それを狙って図々しく1列丸ごと占領してしまうんですよ。

これほど快適なエコノミークラスはありません。若干横幅が狭くて寝にくいところはあるんですが、座りながら寝るのとは大違いで非常に快適です。

もちろん競争率が激しいので勇気を持ってベルトサインが消えると同時に占拠してしまいましょう。我が物顔をして堂々とやって下さいね。CAさんに怒られることはありません。やったもん勝ちの世界です。

こんな時も前の方法コンフォートプラス(プレエコ)は混雑しています。エコノミークラスでは真ん中の4席を丸ごと使い、エコノミーフルフラットにして快適に過ごしている人がいるのに、プレエコでは皆さんみっちり座って、いかにも快適そうな顔をして過ごしています。

井の中蛙だなぁと思います。

後ろを見てきてごらん?

って言ってあげたいです。

シートピッチが3~4インチ(8~10㎝)も違うというのに、狭い方のエコノミークラスの方が快適なことなんていくらでもあるんですよ。

快適性はシートピッチではなくて空席率が重要

なんです。

シートピッチなんて「エコノミーもプレエコも満席でどうしても隣が来てしまうという場合にやっと評価の対象になる」くらいなもんです。

直前までシートマップをチェックせよ

一度座席を指定しまったらもう二度とシートマップを見ないという方。それはいけませんん。僕は直前までシートマップとにらめっこです。非常口席を取り損ねても直前になって浮いてくることもありますし、空席がたくさんある場合はエコノミーフルフラットが狙えそうな場所に移動することもできます。

エコノミークラスを快適に過ごすためにシートマップは常にモニターし、とことん快適性を追求して下さい。

まとめ

長々と述べましたが。シートピッチだけでは絶対に快適性は測れません。シートのタイプや空席率から来る他の要素と組みあわせて初めて快適性が測れるのです。これだけは声を大にして言っておきたいです。

シートピッチだけに注目してエアラインを選ぶのはナンセンスです。シートピッチ以外の条件が全て同じ場合にやっと、シートピッチが広い方が快適だと言えるだけの話です。シートピッチが広いことはおまけ的な要素として考え、それ以外に快適性を求める方がより快適に過ごせます。

座席なんてどこでも同じ、じゃありませんので、是非是非シートマップとお友達になって、快適な座席を研究してみて下さい。エコノミークラスの旅がうんと快適になりますよ。


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