改めてA330neo
今回はデルタ航空のA330n-900neoについて解説します。従来型A330との違い、そしてA350との違いなんかを中心に。A330neoに乗るのは往路に次いでこれで2回目、往路ではキャビンとしてはそんなに従来型A330ともA350とも変わらない印象を受けましたが、実際どうなんでしょう。2回乗れば何となく掴めるかなぁと。
A330neoはこんなやつ。見た目は以外は断然フツーの旅客機ですよね。
顔をドアップにしてみると、「A350よりも格好いいかも」とは思います。A350はパンダみたいなフニャフニャ感がありますが、A330neoはキリっとした凛々しさがあります。
エンジンはロールスロイスのTrent 7000という新しいヤツ。エンジンを変えるだけで前モデルよりも15%くらい燃費がアップしたみたいです。飛行機は世代が変わるごとに大体20%ずつくらい燃費がUPして行っていますが、燃費向上はエンジンの寄与が一番大きいんです。
つまり飛行機の形状を変えることによる燃費向上には限界が来ていて、翼型、特にウィングレットの形状を変えたところで2~3パーセントくらいしか燃費向上は期待できません。それよりも直接燃料を食う所、つまりエンジンで燃費向上するのが一番なんですよね。当たり前と言えば当たり前です。
ちなみにA350はTrent XWBというエンジンを使っていまして、それも燃費のいいエンジンです。
キャパはA350のやや下
至近距離でA330neoを眺めた後は、ラウンジに上がって落ち着きましょう。ハンガー前に767が見えますが、A330は767よりもワンサイズ大きいです。
ANAの787-8が目の前を横切りました。A330-900neoと787-8ではキャパシティにかなり差があり、A330-900neoの281席に対して、ANAの787-8は184席です。実は100席も違うんですよね。
787とA330って同じサイズの飛行機かと思いきや、A330の方がだいぶデカいんですよね。A330-900neoの方が胴体が長いということです。(ビジネスクラスの座席数にもよります。)
今度はJALの787が前を通過。JALはプレエコなしの186席です。ANAとほとんど変わりません。
ここでA350の座席数ですが、デルタのA350は306席でA330-900neoの281席とさほど変わりません。A330-900neoはA350のやや下のサイズということになります。
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A330neoのプレミアムセレクト
往路ではあまり紹介できなかったA330-900neoの機内を紹介します。搭乗時刻のかなり前からゲートにスタンバイ。
いざ、機内へ。機内入り口にはDELTAの文字がありました。
プレミアムセレクトことプレエコはNo.2ドアのすぐ後ろから4列の設定があります。2-3-2ですので、7×4=28席となります。
ちなみに天井のストウェッジは上からパタンと閉める従来型のもので、あんまり最新型機っぽくありません。A350の天井はもう少し丸みを帯びていて、取っ手を引くと「だら~ん」っと下がってくるヤツです。そんなA350のストウェッジ形状はキャビンを広々と見せてくれるため、それがA330neoにフィードバックされていないのは少し残念な気がしました。
キャビン全体の観点からはA350の方がいいかもしれません。A350は787同様に機内の気圧を高く保つようにしており、体が疲れにくいと言われています。
最前列はやはりかなり広々。エアラインごとに最前列のスペースは違いますが、A350もA330も最前列は十分過ぎるくらい広いです。
基本的にはA350から導入されたプレミアムセレクトのシートを踏襲しています。見た目は同じです。シートピッチは38インチ。プレエコとしては標準的な値です。
A350とA330の最大の違いはシートの違いではなく、横の席数の違い。A350は真ん中列が4席ありますが、A330neoの真ん中列は1席少なくて3席になっています。
言ってみれば767のエコノミークラスのような感じです。2-3-2は中央席になる確率が1/7となる最も快適な座席配置となります。
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エコノミークラスは2-4-2
そしてプレミアムセレクトのシートの後ろからはエコノミークラスが続くわけですが、A330neoのエコノミークラスの座席は2-4-2の配置で、こちらもA350よりも横が1席少ない仕様になっています。胴体が変わらないので当たり前ですがA330従来型と同じです。前から7列はコンフォートプラスと言って、横幅は同じものの、シートピッチが少し広い席。昔ならそれを「プレエコ」と呼んでいました。
こちらがコンフォートプラスで、シートピッチは34インチとなります。34インチと言えば、ANA、JALの国際線エコノミークラスのシートピッチと同じ。コンフォートプラスで34インチと言うことは、普通のエコノミークラスはもっと狭いと言うこと。つまりデルタのエコノミークラスはANAやJALのエコノミークラスよりも狭いんです!
ここまでA330とA350を比べるとシート自体に大きな違いはなく、座席数の横の数が1席違うだけです。ただ、A350の3-3-3と、A330neoの2-4-2では窓側に座る人の心理的負担が違います。3-3-3の窓側の人の通路へのアクセスは非常に悪いですので、その点A330の2-4-2の方が心理的には楽かな?と思います。
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プレミアムセレクト詳細
続いてプレミアムセレクトの細かい部分の説明に移ります。ここはA330neoだろうが、A350だろうがあまり変わらないところです。乗り込むとたくさんのものが座席に置いてあります。アメニティキット、ヘッドホン、スリッパ、毛布、枕です。
シートポケットはスッキリしていて使いやすいです。スマホや本がモニタの下にスッポリ入ります。以前の機体ではこのスペースがなくて、全てのモノを機内誌が入っているポケットに入れないといけませんでしたので、シートの進化ってすごいですよね。
サイドにはポケットがあり、リクライニングやフットレストを動かすレバー、そしてペットボトルホルダーがあります。
電源もちゃんと完備。長い間同じノートPCを使っているとバッテリの持ちが非常に悪くなりますので電源は必ず必要です。
ちなみにこちらは最前列のコンセント。最前列のみコンセントはポケットの中に用意されています。これ、なかなか気付きません。
テーブルは安定性が悪いと思いがちな方持ちテーブル、反対側に支えはありませんが、結構しっかり平らになって満足です。
A350もそうでしたが、この座席のいいところは座席のひじ掛けが下がること。こちらはノーマル状態。
レバーを引くと下がるんです。これであぐらがかけますし、隣の人がトイレに立ちたい時は足を横に投げ出せます。この機能は本当に便利です。
プレミアムセレクトはこんな風に少し余裕がある感じです。ここに一度でも座ってしまうとエコノミーには戻れません。
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A330neo V.S. A350
途中、機内食等のお話は機材とはあまり関係がないですので、成田まですっ飛ばし、最後にA330neoとA350のどっちがいいか考えてみましょう。プレミアムセレクトに乗っていますので、その観点から見るとA330neoとA350との差は2-3-2、エコノミーが2-4-2で横の席数が1席少なく快適なことです。
それならばA330neoはいいのかと言うと、まぁそうなんですが、、、
隣にいるA350のがいいなぁとも思います。やはりA350は機内が広く感じますし、エンジン音も小さいですし、キャビンの気圧も高いです。
プレミアムセレクトの体験だけで言うと、そんなに変わらない気がしますので、同じ最新型機でもエンジンを取り換えただけの機体より、ブランニューな機体の方がいい。そう思っちゃう自分がいました…。
A330neoもいい線行ってますけどね。ん~、なかなか難しい選択です。
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