セントレアで2枚発券
今回は地方から国内ハブ空港経由で海外に行く際に、異なるアライアンス同士の乗り継ぎがスルーでできるかについて解説します。具体例として
ANA 中部=成田
デルタ航空 成田=シアトル
で示します。
「スルー乗り継ぎができる」とは「荷物がスルーできる」かつ「人間がスルーできる」という定義としましょう。以下、定義の詳細です。
荷物がスルーできる:荷物を中部から預け乗り継ぎ空港で一旦受け取る必要がないこと。
人間がスルーできる:乗り継ぎ空港のチェックインカウンターで手続きをする必要がないこと。つまり、乗り継ぎ空港で乗り継ぎ専用ゲートを通れること
結論から先に言うと、
結構グレー
です。
でも、できます。
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セントレアANAでの案内は「できる」
僕は最初、そんなの不可能だと思っていました。しかし中部でチェックインした時にもらった搭乗券は2枚。そして預けたスーツケースに貼られたタグは、「NRT SEA」(成田経由シアトル)というものでした。もちろん係員のお姉さんにも確認してみました。
荷物はシアトルまでスルーできますよね?
→はい、成田で一旦引き取って頂く必要はございません。
乗り継ぎゲートも通れますか?
→はい、デルタ航空分もチェックインしておりますので乗り継ぎゲートをお通りいただけます。
ということでした。「荷物スルー」、「人間スルー」ともに可能という回答です。
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ANA発行のデルタ搭乗券
セントレアでチェックインした時、中部=成田の搭乗券の他にこんな搭乗券をもらいました。堂々たる「デルタの搭乗券」です。「チェックイン済」と言って渡してくれました。ただし下地は完全にANAの搭乗券です。
そして堂々と「First Class F」と書いてあります。すごく変だったので、「Fってどういうことですか?僕プレエコなんですけど…。」と聞いてみたところ、ANAのクラスとデルタのクラスの記号が上手く紐づいていないとのことでした。デルタでプレエコを選ぶとFと表示されてしまうみたいです。
そんなわけで、可能とは言われたものの、何となく不安を抱えながらも成田行きのANA便に乗ったのでした。
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見事に乗り継ぎゲートを通過
成田空港に到着。最大の難関がここでした。ここを右に行くことができれば成功。左に行かなければいけないのならば失敗です。しかしあっさりと僕は右に行けました。
保安検査場のお姉さんに、先ほどのFと書いた紙を見せると「どうぞー」とGold Track(優先保安検査場)を通ることができました。多分Fと書いてあったからでしょう。この人はANAのファーストクラスだからGold Trackを通しても間違いないと判断されたのだと思います。
ただ、たとえFと書かれていなかったとしても、ちゃんとデルタの便名が印字されていますので、「これが搭乗券です」と言えば通れるでしょう。パッと見て認識はされませんが、説明をすれば通れると推測されます。何故なら僕はセントレアで「チェックイン済です」と言われてその搭乗券をもらっているのですから。疑われる余地はありません。
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チェックイン済はウソだった
と、ここまでは完璧。「なんだ、違うアライアンス同士でもスルーできるんだな」と自信を持っていたところ、搭乗口で衝撃の事実を突き付けられました。米国行きは搭乗前に1人1人に対して「他人の物を預かっていないか」などの質問が幾つかあるんですが、そこで先のANA発券のデルタ搭乗券を見せたところ、「こちらは…?弊社の搭乗券ではないですよね?」と言われました。
「アンタ、何ANAの搭乗券出してんの?」的な結構ひどい言い方だったので「そんな言い方しなくてもいいのに…。」と実は少し腹が立ちました。
「いや、僕、セントレアから乗り継いでいるんですが、これで乗れるって言われましたよ。」とこちらも対抗。相手も航空券に「DL」便名が印字されていることに気付き、急に丁寧な態度に変わりました。そして「このままお並び下さい」と。
しかし!搭乗口で「ピっ」とやってもらうとき、「お客様はチェックインされていませんので」と言われ愕然。ゲートの中に入り、そこに立ち止まってチェックインをしてもらったのでした。そして返されたのが先ほどの青いANAの搭乗券ではなく、見慣れたデルタの搭乗券でした。
なに!!!
チェックインできてなかったのか!
と初めてその時気付いたわけです。
じゃああのFと書かれた青い搭乗券は一体なんだったんでしょう?そしてセントレアで言われた「デルタ航空分もチェックインしておりますので乗り継ぎゲートをお通りいただけます。」は何だったんでしょね。
確かに乗り継ぎゲートは通れましたが、チェックインはされていなかったというわけです。この辺りは一度、旅客の専門家に聞いてみたいものです。「デルタ航空分もチェックインしてます」と言ったセントレアの係員が勘違いしているとしか思えませんが、そうするとDL便名が印字された券がなぜ出てくるかがわかりません。謎は深まるばかりです。
なお、確実にチェックインを行うためには、搭乗開始前にゲートに行ってチェックインをしてもらえばいいです。僕はチェックイン済だと思っていたので、そのまま列に並んだに過ぎません。
チェックインされていない不安があるのなら、事前にゲートに行って聞いてみればいいんです。
ターミナルが違う場合は不可
今回の案件で言えることは、異なるアライアンス同士でも荷物スルーができ、乗り継ぎゲートを通れるということなんですが、これは万能ではありませんので注意して下さい。例えば成田空港は第1ターミナルと第2ターミナルに分かれています。例えばANAからJALへ乗り継ぐ場合はターミナル移動を伴うため、今回のような乗り継ぎは絶対にできません。たまたまANAとデルタは成田空港で同じターミナルビルを使用しているから、上手く乗り継げたのでしょう。
なお、本記事は必ずしも毎回乗り継げることを保証するものではありませんのでご注意下さい。手続きが間違っている、間違っていないに関わらず、僕の一体験として書かせてもらったものです。
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