イケてる航空総合研究所

ビジネスクラス搭乗記、弾丸旅行のノウハウ、マイルの使い方、貯め方、航空事故の真相などなど。

中国新幹線に乗った!ビジネスクラスはフルフラットだった!【北京南-上海虹橋】

北京から上海まで飛行機で移動しようと思いましたが、たまには鉄道の旅もよいなぁと思いましたので、中国新幹線に乗ってきました。これから中国新幹線の全てをレポートします。いいですか?かなり長いですよ。全部で写真が42枚あります。最後まで読めば確実に乗った気になります。いちいち中国まで行って乗らなくてもよくなります。「あ、もう満足だわ」って思ってもらえれば本望です。いやいや、これ読んで「オレもー」、「アタシもー」って言って乗ってもらえればもっと本望です。

中国新幹線はこんな顔

いまや中国新幹線は中国の色んなところを走っていますが、やはり北京から上海が大動脈だと言えるでしょう。中国新幹線の路線網ですが、たくさんありすぎて一言で語れません。僕自身、思い付きで乗ってますので詳しくないです。

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時間になったのでホームに降りると、ホームはとてもきれいでした。まるで日本の新幹線のホームみたいですね。中国も発展したなぁという思いを強くします。

早速先頭車に行ってみましょう。

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おおっ!なんかカッコいい。

調べると中国新幹線には色んなタイプがあるみたいで、CRH2というタイプは日本の新幹線のパクリのようです。おおっと、パクりなんて言ったら当局に怒られちゃいますね。最初は日本のを買って、その後ライセンス生産に切り替え、今では自国で作ってるみたいです。パクりじゃなくて技術移転と言うべきでした…(経緯は複雑ですので多くを語ることができません)。

ちなみにこの列車はCRH3というタイプらしくドイツ・シーメンスのヴェラロという車体がベースのようです。

中国新幹線には「和諧号」という名前が付いています。「和諧」とは「調和」という意味だそうです。


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CRH???なにそれ?はい、China Railway Highspeedの略らしいです。中国高速鉄道。略して「高鉄」なんて呼ぶそうです。

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プラットホームにはこんな風にたくさんの和諧号が停まっています。それぞれ各地へ向けて出発する列車なんですよね。東アジアなにのヨーロッパ・テイストのする北京南駅。こういう大きなターミナル駅を見ると旅情をかき立てられます。

さぁどんな高速鉄道の旅になるのでしょう。ここまで来るともう乗り遅れる心配もありませんので、僕もかなり気持ちが楽になってます。

グランクラスを超えたフルフラット

日本の新幹線で一番グレードが高いのは、東北新幹線のグランクラスですよね。フルフラットまでは行かないものの、1-2で並ぶ豪華シートは日本最上級です。

そんな中国新幹線にもグランクラスと同じ1-2配置の座席があります。


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うっそー!
飛行機のビジネスクラスみた~い!

凄いでしょ。これが中国新幹線の「ビジネスクラス」(商務座)と呼ばれるキャビンです。僕も事前調査はしており写真では見ていましたが、やはり実際に見ると違いました。入った瞬間、「おおっ、これは凄い」って思いました。


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後ろから見るとこんな感じ。シェルっぽい構造に覆われています。どう見ても飛行機のビジネスクラスです。


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こちらが僕の座席。一人掛けです。


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こちらが二人掛けの座席。


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リクライニングポジションにしてみましょう。

ここで終わりではありません。
この先があるんです。

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なんとフルフラットになります。


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まだ誰も来ないんで、2名掛けの方もフルフラットにしちゃいます。


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こちらが乗車券。ビジネスクラス(商務座)は3号車のみ。僕の座席は1Fという一番後ろの右側です。約3万円払ってます。(為替レートの関係でこの時は約3万円払っています。)


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このビジネスクラスキャビンの定員は24名です。1列に3席ありますので8列ということになります。

ねっ、中国新幹線凄いでしょ。フルフラットの車両が付いてるんですよ。これには僕も参りました。日本の新幹線負けたかも。なんてことも思いました。

1等車、2等車にも行ってみる

まだまだ出発まで時間がありますので、他の車両にも行ってみましょう。

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こちらが1等車。2-2配置ですので日本で言うグリーン車と同じです。日本の新幹線のグリーン車に比べて高級感に欠けます。ビジネスクラスがあるせいで松竹梅の「竹」クラスになってますからね。そこまでの高級感は不要ということでしょうか。


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日本の新幹線のグリーン車あまり乗らないのでよく分かりませんが、日本のグリーン車はもう少し広いですよね。シートピッチは意外と狭めです。


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こちらが2等車です。日本の新幹線の普通車と同じ2-3配置です。さすがに安いっぽい感が出てきます。ヘッドレストカバーに広告が貼ってあるところはLCCみたい。庶民感が増しますよね。2等車だと北京-上海は8,500円ですから、やっぱり庶民的です。


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でもシートピッチは1等車と同じくらいあります。

ビジネスクラスのサービスについて

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ビジネスクラスにはちゃんとスリッパが用意されています。あとは時代の先端を行く雑誌「旅游地理」、そして「人民鉄道」と呼ばれる業界新聞でしょうか?そんなものが入っています。忘れてはいけないものがゲロ袋。これを見た瞬間、「おいおい、新幹線で酔うんかい」と思い非常に不安になりました。まさかむちゃくちゃ揺れるんか?と…。


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座席のリクライニングパネル。せっかくフルフラットまで行けるのですから、壊れてないことを祈りたいです。これが壊れてたら半額くらい返してもらわないといけませんね。


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一応個人用モニタもあります。映画とかそういうエンターテイメントプログラムはありませんした。あまりにもコンテンツがショボいので、見るのを諦めました。


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出発すると、コーヒーとお菓子が出てきました。さすがビジネスクラスです。どんなマズいコーヒーだろうと思って飲んでみると、これが劇的に美味しいんです。お金払っても飲みたいと思えるコーヒーでした。クオリティには力を入れているようです。


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おやつの中身はこんな感じ。クッキーのようなスコーンのような感じでした。


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箱には「上海錦江国際飯店が作ってます」みたいなことが書いてありますね。実はよく分かりませんが一応満足です。何とかホテルと書いてあるだけで安心するパターンです。

それなりに問題点もある

自席からはこんな眺め。

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他の乗客が何しているかは隣以外わかりません。さすがビジネスクラス。レイアウトに余裕があるのか、飛行機のビジネスクラスよりもゆったりしていました。

しかーし、色々と環境的に問題が…。前の席のオヤジが出発前からイビキでうるせーんすよ。フルフラットにして寝ていると思われるのですが、それはそれは大きないびきをかいてるんです。キャビン内に響き渡る猛獣のような音。隣の奥さんが「アナタうるさいわよ」って起こせばいいんですけど、超亭主関白夫なのか自動で起きるまで奥さんのケアなしでした。

大いびきが30分以上続くと嫌になっちゃいますよね。実に不快でした。豪快に眠ることができるフルフラットも考えもんです。

ちなみに僕の隣の2席は空席。最初はラッキーと思っていたんですが、前の席から子供とお母さんが引っ越してきて子供の遊び場と化してしまいました。せっかくのビジネスクラスなのに撃沈。スマホから大音量で音出して遊んでるんですよね。おいおい、隣に客いるんだからちょっとくらい気遣えよ、と思ったところで、相手が相手なんで無理ですね。心を無にして耐え忍びました。

ま、途中で寝てくれたので助かりました。僕も子供がいますので、子供がうるさいのは仕方がないと思ってますけど、少しくらいは気を遣って欲しいんですよ。親がスマホ大音量にしてたらそれは親の責任です。

アテンダントはどうなのか

そんなこんなで、色んなハプニングをまき散らしながら新幹線は走り続けます。


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時速300kmはやっぱり速いです。外の景色はほとんどこんな感じですね。

ここで車内の温度について海外の電車でよくありがちなクーラー効き過ぎってパターンです。少し寒いと感じました。

「ビジネスクラスなんだから毛布とかあるよね?」と思ったので、たまたま通りかかったお姉さんに聞いてみました。そしたら英語が通じず、トランシーバーで連絡。「こいつ中国人じゃねぇから誰か早く来て」みたいなことを連絡すると、すぐに別のお姉さんが飛んできました。

「ブランケット」くらい理解してよって思いますけど、まだまだ期待しちゃだめですね。飛行機なら確実に通じる英語も新幹線ではダメみたいです。英語スタッフを呼んで対応するようなレベルです。ちなみに毛布はありました。僕も「毛布」くらい中国語で言えないといけないのかも知れません。

毛布持ってきてもらったついでに、「車内にレストランとかカフェテリアってないですか?」「車内の案内パンフみたいなのってないですか?」って聞いたら「ないです」で終わってしまいました。残念…。

車内散歩

5時間も乗っていると飽きてくるので散歩にでも出ましょう。荷物が心配だったので端から端まで歩くのはやめて隣の隣の車両までにしてみました。

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ここがホロ部分です。


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こんな風に通路が端っこに回ってるのがお洒落な感じです。


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ドア。どうってことありません。


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1等車は比較的落ち着いています。


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2等車は若干カオス的。この写真ではわかりませんが、結構皆さん思い思いな感じで寛いでいらっしゃいます。3人掛けの座席を向かい合わせて、膝の上に段ボールの板を置いてトランプやってるオジサンたち達がいました。さすがに日本の新幹線でトランプやってる人って見ないですよね。中国の懐の深さを感じました。


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ビジネスクラスキャビンのすぐ後ろ、4号車との境目にトイレはあります。このデコっとした膨らみがトイレのドアです。

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非常に汚い写真で申し訳ないです。これがトイレ内部です。結構汚いです。まぁ日本の鉄道のトイレも似たり寄ったりですので、特別に中国新幹線のトイレが汚いわけではありません。


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こちらは手洗い。まぁこれも世界レベルで言えば並のレベルでしょうか?

東海道山陽新幹線で例えると

北京南から上海虹橋まで最も速い列車は5時間弱で走り抜けます。途中の停車駅は2つです。

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最初の停車駅は済南西(ジーナンシー)駅。15時ちょうどに北京南を出て、済南西に着いたのが16時34分でしたので、時間的にはちょうど「品川から名古屋」くらいの感覚です。

次の駅は南京南(ナジンナン)駅。北京を出てから4時間12分でした。一つ前の済南西からの所要時間は2時間38分です。時間的には「名古屋から広島」くらいまでノンストップの感覚ですね。さらに南京南から上海虹橋まで1時間弱走ります。

ちなみに北京から上海までは1,300km程度です。東海道山陽新幹線で言うと、東京―博多間の約1,100kmより少しと長いくらいです。だだし所要時間は5時間ですので、東京-博多の最速列車とさほど変わりはありません。その辺の感覚、大体掴んでいただけたでしょうか。


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走っていると時々街に出くわします。日本みたいに、だんだん街になっていくような感じではなく突然街が現れる感じです。何にもないところにいきなり高層マンションが建ち始めます。自然発生的な街ではなく、人工的な街、そしてものすごく貧しそうな村の横を、時速300km/hの新幹線が走って行く様は、中国のアンバランスな成長を象徴しているようでした。

乗り心地について

さて、ここで中国新幹線の乗り心地についてですが、はっきり言って日本の新幹線と差はありません。さすが日本をはじめとする各国からの技術移転。「300km/hくらい出すと揺れるかな?」と思いきやそんなにことはありませんでした。430km/hの速度が出る上海リニアはかなり揺れますが、この新幹線の300km/h台は揺れが少ないです。

一度衝突事故を起こしていますので何となく危ないイメージのある中国新幹線ですが、僕が乗った限り、危なっかしさはまったく感じませんでした。加減速が激しいとか、浮いた感じがするとか、異常に傾くとか、そんなことは一切ありません。非常に安定した走りでした。


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最高時速は350km/hらしいですが、僕が見た中での最高時速は306km/hでした。設計速度よりも速度を落として運行してるようです。もちろん全区間300km/hというわけはなく、途中、250km/hや270km/hに減速する区間もありました。

トンネルはあまりないのですが、途中、シューという音とともに耳がツンとすることがありました。安定感は抜群でしたが、それだけは不快でした。坂の上り下りで微妙に高度が変わってたんですかね?

タダでお弁当がもらえます

ビジネスクラスではお食事が出ます。しかし過度な期待は禁物です。


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期待して待っていた結果がこれでした。


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中身は「ほか弁」以下のクオリティに見えます。


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一応スープももらえます。インスタントです。


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日本でもおなじみの卵スープですね。

お弁当のサービスは北京を出発した3時間後の18時頃でした。見た目は悪いですけど、むちゃくちゃまずくはありませんでした。ハッキリ言うと「まぁこのクオリティならば可」くらいのレベルですね。

ご飯は質の悪~い感じです。牛肉は甘辛で美味しかったです。キャベツは薄塩味で美味しかったです。ミックスベジタブルは鶏肉入りであんまりです。スープは何故か味が薄いです。

上海に到着

定刻19時56分着のところ、23分遅れの20時19分に上海虹橋駅に到着しました。

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上海虹橋駅も非常にキレイな駅でした。


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上海虹橋には空港もあり、新幹線も通っている非常に便利な駅です。もちろん地下鉄も通っていますので、市内へ向かうのも便利です。全ての交通インフラが集合したような駅です。

中国新幹線(北京-上海)まとめ

北京-上海は飛行機で2時間強の区間ですので、それを最速5時間弱で走るのはなかなか優秀です。値段の面で言うと、北京-上海間はエコノミークラスの最安値が1万円程度ですで、新幹線の2等席が8,500円と言うのはほぼ同じと言ってもいいでしょう。手続きが面倒ではなく、シートベルトをする必要もなく、電子機器の使用制限がない点で新幹線の方が勝っていると言えるかも知れません。

乗り心地も非常に良かったですし、2011年の衝突事故以来、死亡事故はないようです。それを聞くと、安全面でも特に問題はなさそうですね。

いやー、本当に中国新幹線のビジネスクラス良かったです。新幹線でフルフラットは予想以上の快適さでした。これで3万円は安いです。

皆様も是非是非中国新幹線に乗ってみて下さい。飛行機よりうんと快適です。なんてオレが言っていいのかよ。

おしまい。


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