イケてる航空総合研究所

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ボンバルディアCシリーズとは一体どんな飛行機なのか。

トランプ大統領に300%の関税を課されそうになる

今回はCシリーズについて搭乗記で書けなかった部分を書きたいと思います。

ボンバルディアの新型機Cシリーズって、なんとなくマイナーで僕らにとってあまり馴染みのない飛行機だと思うんですが、このことを言えば少しはピンと来るでしょうか?

2017年末、デルタが導入予定のCシリーズ導入に対し、トランプ大統領が300%の関税を課すとして一時期話題になったカナダ製の旅客機のことです。あれ?ピンと来ませんかね?一時期新聞やネットニュースで話題になっていましたけれども…。

トランプ大統領の発言は、カナダ政府が不正な補助金を支給して、デルタ航空に安過ぎる価格で販売しようとしていることに対する制裁と言われています。結局、トランプさんは負けちゃいましたけど、それくらいカナダはCシリーズを売るために必死になっているということですよね。(ボーイングが訴え、その後ボーイングは敗訴)

また、それ以前にはエアバスがCシリーズ事業に対して50%を超える出資を行うという決定を行ったことも話題になりましたね。トランプ大統領に気を遣ってかエアバスが作ったアラバマ工場でCシリーズを製造するという話も出ていました。

さぁ行ってみましょう、ボンバルディアCシリーズとはどんな飛行機なのか…。

ボンバルディアCシリーズとは

何となく不穏な空気が流れるボンバルディアの新型旅客機Cシリーズですが、Cシリーズとは一体何者かと言うと、これまでリージョナル機であるCRJやダッシュエイト(DHC-8)しか作ってこなかったボンバルディアが、カナダの航空機産業の威信をかけ、もう少し大きな飛行機を作ろうとニッチマーケットに挑戦した旅客機なんです。

Cシリーズと言うからにはシリーズものの飛行機で、CS100とCS300という2機種が存在します。CS100は110人クラス、CS300は130人クラスの機体です(以前はCS110、CS130と呼ばれていた)。シートピッチを29インチくらいまで詰めてLCCのようなハイデンシティ(高密度)仕様にすると、CS100は135人、CS300は160人まで乗せることができます。


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基本形のCS100(Bombardier Webページより)。


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ストレッチ型のCS300(Bombardier Webページより)。

CS100に関しては競合機がいません。CS300は737-600/700やA318に競合しますが、次世代の機体になると、737MAX7くらいしかいません。何度も言いますが、Cシリーズは100席~130席という乗客数の空白地帯に挑もうとした機体なのです。

小型機らしからぬ航続性能

Cシリーズで特筆すべき点はその航続性能。低燃費のエンジン(PW1500G)を採用しているため、同サイズの旅客機、(と言っても競合機がいないのが売りなんですが)、ほぼ同サイズの737-700と比べると、2~3割航続距離が長いです。(737-700のデータにはばらつきがあるため一概には言えませんが…。)


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こちらが香港を中心とした航続距離です(Bombardier Webページより)。図の境界線が3,300マイル(海里)=6,112kmの距離を表しています。

飛行時間が3~4時間の東京やソウルは軽くカバーしており、大体7時間程度の都市までカバーできます。ナローボディ機でここまでの航続距離を持つと、これまで直行便の開設が難しかった低需要の中距離国際線にも飛ばせることになります。ちなみに日本からシンガポールは余裕で飛べます。

これはちょうど、中型旅客機である787が、747や777などの大型旅客機でないと飛ばせなかった都市間を結べるようになったのと同じです。787の登場により、300人程度の旅客機では採算が合わなかった路線にも参入できるようになりました。200人以下の旅客機で長距離路線が飛ばせるようになったのです。

同じようなことがCシリーズの登場により起こるわけです。737やA320ですら大き過ぎる低需要の中距離路線を開設できるようになるわけです。Cシリーズの持つポテンシャルって大きいですよね。

大型機同等のアビオニクス

その他、Cシリーズで特筆すべき特徴はアビオニクス(航空電子機器)でしょうか?ボンバルディアの旅客機として初のサイドスティックを使用し、HUD(Head Up Display)やFMS(Flight Management System)、EFB(Electronic Flight Bag)、CPDLC(Controller Pilot Data Link Communications/テキストメッセージで航空管制などが可能なシステム)も標準的に装備しています。


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Cシリーズのコックピット(Bombardier Webページより)。

Cシリーズは大型機と同等のアビオニクスを搭載していると言ってよいでしょう。もちろん、737MAXやA320neoと比べても全く遜色ない装備を持っていますので、見劣りすることなく勝負することが可能です。

静寂性と環境性能

なお、アビオニクス以外にも、低騒音のギヤードターボファンエンジンを採用しており、離着陸の音が静かだとか、NOxや二酸化炭素などの排出ガスが非常に少ないという対環境性能もCシリーズの売りになっています。ただエンジンの信頼性は今一歩という感じで、革新的なギヤードターボファンも色々と苦労があるようです。

売れないのは新興ならでは理由か?

ここまでの解説でおわかり頂ける通り、Cシリーズはかなりイケてる旅客機な気がしているのですが、発注数は360機程度。旅客機は300機~400機程度では元が取れないと言われていますので、このままだと赤字に陥ってしまう恐れがあるでしょう。

同等クラスの737-700(単体)が1,000機以上、一つ下のクラスのEMB190/195も1,000機以上売れていますから、その中間の機体としてのCシリーズはちょっと発注数がついてきていない気がします。これから伸びるのかも知れませんが、発注のペースは鈍いです。

Cシリーズは二ッチを狙い、そこそこ需要があるゾーンとは言え、どうしても737やA320の方が断然売れている飛行機のため、乗務員の確保や後方支援体制(整備や部品調達)の点では適いません。皆さんも、これまで軽自動車しか作ってこなかった会社の普通車を買うより、少しサイズが大きくてもよく売れているメーカーの普通車を買った方がなんとなく安心できませんか?欲しくても買えない側の心理も何となくわかる気がします。

でも、ホントいい飛行機なのに非常に残念な気がしますね。2-3配置や大きな窓は絶対的に快適ですし、燃費性能や航続距離の長さは目を見張るものがあります。例えばLCCの大手が購入するとかして、皆が安心て買える状態になり、もっともっと世界の空を飛んでほしいですね。

一度乗ると好きになってしまう性格なので、何だかCシリーズをひいきにしてしまう僕なのでした…。

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