イケてる航空総合研究所

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9.11アメリカ同時多発テロでは何故あの便、あの機種が選ばれたのか。

今も忘れない9.11テロ事件

今日は米国同時多発テロが起きた日。ニュースで見た光景は今でも忘れることができません。最初、テロだなんて思いもしませんでした。たまたま起きた単なる操縦ミスだと思ったのです。

しかしCNNが出すテロップに“second plane hits… ”という字幕が出た瞬間、「これは意図的なものだ」と確信し、「えらいことが起きた!」と心臓がドキドキしたのを覚えています。確か日本時間で22時頃の事でした。

なぜあの便が選ばれたのか

これは語り尽くされていることかも知れませんが、航空ファンの立場から何故あの便が選ばれたのか改めて解説したいと思います。(Wikipediaにも書いてあることですので、今さら解説する必要はないかも知れません…。)

まず、何がどこに突っ込んだのか、整理します。

世界貿易センター北棟

  • 便名:アメリカン航空11便
  • 発地:ボストン
  • 行先:ロサンゼルス
  • 機材:B767-200ER


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(Wikipediaより)

世界貿易センター南棟

  • 便名:ユナイテッド航空175便
  • 発地:ボストン
  • 行先:ロサンゼルス
  • 機材:B767-200ER


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(Wikipediaより)

国防総省(ペンタゴン)

  • 便名:アメリカン航空77便
  • 発地:ワシントンD.C.(ダレス)
  • 行先:ロサンゼルス
  • 機材:B757-200


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(Wikipediaより)

ピッツバーグ郊外に墜落

乗客が奪還しましたが墜落。標的は国会議事堂またはホワイトハウスだったと言われています。

  • 便名:ユナイテッド航空93便
  • 発地:ニューヨーク(ニューアーク)
  • 行先:サンフランシスコ
  • 機材:B757-200


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(Wikipediaより)

これで4機全てです。

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全て東海岸発、西海岸行きの国内線

ここで共通点が見出せます。全ての便が米国東海岸を発って西海岸に向かう国内線だったと言うことです。まず国際線はパスポートが必要なため、怪しいヤツは出国審査で弾かれてしまいます。従って国内線が選ばれました。


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(Wikipediaより)

標的が東海岸と言うこともあるため、出発地が東海岸ということは当然ですが、目的地が西海岸の都市であるのは、米国内線(本土内)として最も多く燃料を搭載している便だからです。燃料が多ければ延焼被害を最大化させられます。

767と757のコックピットは共通

もう一つ767と757が選ばれた理由は、両機種のコックピットは基本的に共通だからです。どちらか一方を操縦できれば片方は簡単に操縦できます。

通常の航空機は離陸後すぐにオートパイロット(自動操縦)を入れますので、航空機を奪う際にはオートパイロットの知識が必要となります。標的を発見するにも標的に接近するのもオートパイロットがあれば「高度制御を含めた経路追従の確実性」が増しますので、オートパイロットの知識は絶対に必要だったのでしょう。どちらか一方のマニュアルがあれば両方を操縦できるという点で、767と757が最適であると判断されたものだと推測します。

当時、いや今でもアメリカの国内線で主力機として飛んでいる機体でコックピットが共通の機体は767と757しかありません。エアバス機ではほとんど全ての機種に操縦の共通性があると言われていますが、国内線を飛んでいる機体は主にA320ファミリーです。767や757に比べたら小さいですよね。

テロの実行犯は被害を最大化させられるよう、路線を絞り、機種を絞っていたんです。航空ファンの目線からしてもかなり綿密に計画を練っていたことが窺えます。

空の安全は実は確保されていなかった

とうことで、よく知られた話かも知れませんが、9.11では何故あの4便が選ばれたのかについて、今さらながらに解説しました。ここで少し空の安全について考えてみたいと思います。


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(ある年の9.11、米国のとある消防署にて。半旗が掲げられている。)

あの日から世界は一変してしまいました。飛行機に乗るのにとても時間が掛るようになりました。

液体物の検査や持ち込み制限はテロ後にできた規則の一つです。あの検査があるおかげで僕は一度、頼まれた化粧品(5,000円程度)を台北に捨ててきたことがあります。テロで亡くなった方からしたらかすり傷にも満たない事件かも知れませんが、「テロさえなければ…」と悔しい気持ちになりました。

米国では靴まで脱がされて、全身スキャンをさせられますよね(米国以外でも同様の検査がある国があります)。また米国に入国する際にはTSAロックのスーツケースでないと、スーツケースを破壊される可能性があります。米国に入国するのは本当に億劫です。

というように、テロ後にはとても厳しくなり、攻める隙が全くなくなったと言える安全対策ですが、あのテロはそれ以前に存在した「安全の隙」を突いてきました。「航空機は無差別大量殺人の手段になる」ということを実証してしまったのです。

その結果が現在の保安検査の厳しさに繋がっています。「航空機を設計する側」、そして「運航する側」の基準は元々厳しいのですが、「乗る側」の基準がこれまで厳しくなかったとするのならば、あのテロは我々にそれを教えてくれたのかも知れません。もちろん、「乗る側」が悪いなんてことは絶対に思いたくなく、悪いのはテロの実行犯なのですが、「乗る側」の安全確保ができてやっと本当の意味で空の安全が確保されたのかも知れません。そのために払った犠牲は大きすぎたと思いますが…。

過去最悪のテロ事件を振り返り、空の安全を考え直すきっかけになってくれればと思います。


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