イケてる航空総合研究所

ビジネスクラス搭乗記、弾丸旅行のノウハウ、マイルの使い方、貯め方、航空事故の真相などなど。

円安を止められない日銀と過剰なコロナ対策をやめられない日本。

何故インフレになるのか

今回の話題は円安とコロナ。

なんですが、ひとまずインフレの話題から行きましょう。少し長くなりますが、お付き合い下さい。円安の前に最近のインフレについて解説した後、本題に入りたいと思います。

いやはや、最近物価が上がりましたよね。給料は上がらないのにモノの値段だけが上がっていくと実質貧乏になったことと同じになりますよね。これはゆゆしき事態です。

インフレしている原因は大きく3つと考えてよいと思います。色々と個別の要因もあるかと思いますが、大枠を語る上では以下の3つが主因と言えるでしょう。

  • 供給不足
  • 原油高
  • 円安 ← これが本題

もちろん、僕は経済に関しては素人なので、あまり自信満々に語ることができません。ただ、大筋こんな感じだという説明を以下でさせてもらいます。

供給不足で何が起きるか

供給不足が起こるのは、コロナによる感染者だの濃厚接触者だのロックダウン(特に中国)で工場や輸送、港湾などの稼働率が下がるから。(もちろん純粋に需要が増えても供給不足は起こります。)

例えば旅客便のカーゴスペースも航空輸送の一部を担っているわけですから、国境をまたぐ人の移動、すなわち国際線の旅客便が減れば、運べるモノの量が減り、供給不足が起こるわけです。なお、海上、陸上輸送は旅客便とは関係ありませんが、コロナで人手不足が起きれば輸送が滞りますので、結局供給不足に陥ります。

供給不足は価格のバランスを崩します。欲しい人が多いのにモノが不足している場合は、取り合いになるので当然値段が上がります。コロナ初期にマスクが不足したとき、メルカリで高値で売られていたのはそのためです。

(僕はマスクを高値で売る行為は絶対的に悪いとは思いません。それが市場原理だからです。マスクに高値を付けるなという人は、原油の値段を釣り上げているディーラーに「高値で買うな」と文句を言うべきでしょう。マスクよりもよっぽど広範囲の生活に影響しますから。)

原油高で何が起きるか

次に原油高。

何故、原油が上がるかというと、特に最近ではロシア、ウクライナ情勢が主因です。世界情勢の不安は一般的に原油高を引き起こしやすいです。ロシアは産油国ですから、「原油の供給が滞るのではないか?」という不安が生じると、原油を買っておこうとする動きが出て価格が上がります。供給不足と同じ原理です。欲しい人が増えれば価格は上がります。

原油はあらゆる燃料になります(あらゆるプラスチック製品の原料にもなります)。従って原油高は輸送コスト増に直に繋がります。また発電やその他の目的で熱を作り出すためにも多く使われますので、原油由来の電気、熱を必要とする全ての産業コストが上がります

また原油はあらゆる資源や食料(商品/コモディティ)の指標になっている面もありますので、品物は何でも安いうちに買って高く売ってやれとうヤツがいると、他の資源も食料も上がっていきます。いわゆる「投機」と言うやつです。「投資」ではなく「投機」。単に儲けを目的とする取引のことを指します。原油は、ウクライナ情勢というよりも過剰な「投機」(上がるから買う)で上がっている面も否めません。

スポンサードリンク


円安で何が起きるか

最後に円安ですが、円安は輸入物価の上昇につながります。

1ドル100円、1ドル200円では1ドル200円の方が円安です。「200円の方が高いじゃないか」と言う方はドルの値段を見ているからです。円を基準にして考えればわかりますかね?

1ドル=100円は100円=1ドル
1ドル=200円は100円=0.5ドル。

ドルを持っている人から見たら100円を0.5ドルで買えるのですから後者の方が円安です。円が半額で大安売りされているわけです。

同じ1ドルのモノを買うにも円安の方が多くの円を必要とします。円安は輸入品の価格に直接効いてくるわけです。日本は食料自給率も低く、国土も小さいため輸入に頼る面が非常に大きいです。小麦なんて8割9割が輸入なわけでして、そりゃパンもうどんも値上がりしますわね…。

原油はドルで取引するので原油高と円安は日本人にとってダブルパンチです。元々上がった原油を、円安で高くなったドルで買うんですから…。

ちなみに何故円安になるかは後で解説します。(本題なのに後ろです。)

供給不足で値が上がり、原油高で輸送、発電、発熱全てのコストが上乗せされ、さらに日本に限っては円安で仕入れ値そのものが上がるというトリプルパンチでひどいインフレ状態になっているわけです。

こんな風にインフレが起きています。

もう一つ、円安になると海外で買えるものが減ります。今アメリカに行くと、モノが死ぬほど高く感じるはずです。これも実質我々が貧乏になったことと同じなんですよね。国内でもインフレ、海外に行くともっとインフレを感じるはずです。

スポンサードリンク


インフレを抑えるには

インフレを抑えるためにはどうするか。通常は金利を上げます。インフレはモノの需要が高い(モノを欲しい人が多い)ときに起きます。つまり景気のいいとき、お金の回りがいいときです。そんなときは金利を上げてお金を借りにくくして(=返すのが大変になるようにして)お金の流れを抑えます。

住宅なんかがいい例です。住宅の値段が上がるのは、金利が低いためたくさん借り入れて買う人が多いから。ここで金利を上げてやると、借り入れる人が少なくなるので、値上がりが抑えられます。基本的にはこうやって景気の過熱(インフレ)を抑えます。米国では金利上昇により、住宅の販売数がぐっと減りました。

逆に景気が悪くてもインフレが起こる時があり、それをスタグフレーションと呼びますが、そんなときでも金利を上げることがあります。不景気なのに金利を上げるともっと不景気になってしまう気がしますが、インフレ=モノの値段が上がる=その国の通貨の価値が下がる、ということなので、価値のある魅力的な通貨にするために金利を上げるなどはよくあることです(通貨防衛と言います)。他より儲かる通貨として外に向けてアピールするためです。

例えば、金利0.001%の日本円預金と、金利3%の米ドル預金があったとしたら、どちらの方が魅力的でしょうか?為替変動リスクがなければ誰もが後者を選びますよね。

いずれにせよ、インフレ時には金利を上げるというのが一般的な手法です。ただ、あくまでも教科書的なやり方でして、必ずしもそれがよいとは限りませんが…。

スポンサードリンク



何故円安が進むのか

この金利が重要で、円安が進むのは日本が自国の金利を上げられないことが原因とされています。日本はここ20年間ほぼゼロ金利政策を取っています。金利を0近辺に誘導することで、お金を借りやすくして景気拡大を狙う政策です。(マイナス金利含む)

ただ、日本は不景気であろうが好景気であろうがこのゼロ金利が定着してしまい、金利を上げたら景気が悪くなってしまうんじゃないか、とか国債の利払いが大変になるとか、そんなことが心配で上げたくても上げられないジレンマに陥っています。しかも日銀は2%程度のインフレを目標としていました。さらに日銀は円安を頼りに物価を上げようとしていた側面もあります。日銀が待っていた未来が本当に来てしまったんです。

今後も日銀は金利を上げないと思います。何故なら給料が上がらないからです。金利を上げてしまうと景気が悪くなり、ますます給料が上がらなくなるからです。だから、いつまで経っても金利を上げられないんですよ。(ここで言う金利は政策金利と言い、中央銀行が一般の銀行に貸し付ける際の金利を指します。)

金利を上げたくて上げられない。または上げる必要もない。世界の金融市場が正常化して行っても、すなわち世界各国が金利を上げ始めても日本だけはゼロ金利維持を宣言せざるを得ないのです。

このゼロ金利の維持で円安が加速していると言われています。何故なら先にも書いた通り金利の高い通貨の方が魅力的だからです。金利の高い通貨は買われるんですよ。円とドルでドルの方が金利が高いなら、そちらを買いますよね。

また、低金利の通貨は借りるのに好都合なので、円で借りてドルを買う。こうしてドルが高くなっていくのです。

このように、利上げを始めた米国と利上げできない日本というとても分かりやすい構図が、円売りドル買いを促して円安になっていると言われています。

スポンサードリンク


コロナを終わらせられない理由

この円安とコロナの継続がすごく関係していると思うんですよね。やめたくてもやめられない。状況が変わってももっともらしい理由をつけて現状維持をすると思うんです。

低金利を維持すると円安となりますが、円安を止めようとして金利を上げるとこれまでの政策を否定することになってしまうんですよ。景気浮揚のためずっとゼロ金利を維持し、多少のインフレを目標としていたため、今さら急に翻って「ゼロ金利はよくない」とか「インフレは悪だ」とか言えないわけですよ。

この辺りが日本人に最も不得意なことだと思います。現状維持バイアスが強く、なかなか前言を撤回できない。「これまではxxxだったが、これからはyyyという理由でこうする」と宣言するだけだと思うんですが、それがなかなかできないんですよね。簡単に言うとメンツ論ですよね。日本人はとてもメンツを大事にします。

コロナも同じ。これまで2類相当で維持していた。それに基づき企業や自治体へのお願いをしていた、水際対策もほぼ鎖国を維持してきた。でもだんだんと状況が変わってきた。欧米は次々にコロナ対策を撤廃。なのに日本で未だにコロナを致死率が数十%ある感染症と同じ扱いとして強い感染対策を敷くことを正当化しています。でも、これまで頑張ってきた対策を否定することになるからできないんですよ。こちらもメンツ論でしかないです。

日本のコロナ対策ってまるで日銀のゼロ金利政策と同じなんですよ。欧米が利上げをするのに日本だけがゼロ金利を維持。円安(だけではないですが)で生活が苦しくなろうとしていても何の政策変更もできない。ここまで似ていると「これが日本人の気質なんだろうなぁ」と思わざるを得ません。

ここでは日銀の政策だけに注目をしていますが、気付かないところで日本だけに見られる特殊な事情はたくさんあると思います。意味がないのにひたすら続けていることって身近にたくさんありますよね。コロナ対策をやめられないのは今に始まったことではなく、日本の病理なんですよね。

こうやって日本は世界から取り残されていくわけです。コロナ対策も見直し機運が高まっていますが、日銀の事例と対比させて考えると、なかなか前に進めないでしょうね。

いつまでこの円安、そしていつまでコロナ騒動が続くのやら。もう日本が大嫌いです。

スポンサードリンク


flyfromrjgg.hatenablog.com

flyfromrjgg.hatenablog.com

flyfromrjgg.hatenablog.com

flyfromrjgg.hatenablog.com

flyfromrjgg.hatenablog.com

ブログの内容は個人としての発言であり所属する組織・団体とは一切関係がありません。