まさかの欠航だった
2022年元旦、中部発新千歳行きに乗ろうとセントレアに向かった僕は、新千歳空港の雪の情報など知る由もなく、ただただこれから始まる旅行に胸を踊らせるだけでした。メールで「天候調査のお知らせ」を受信していたのですが、全く気にも留めていませんでした。チェックインでもワーストリターン(最悪引き返し)のアナウンスを受けましたが、「まぁ行けるだろう」という妙な自信があり、新千歳の状況を調べることすらしていませんでした。何なんでしょうね?あの自信。他のことに気を取られて「何とかなるわ」くらいしか思わないんですよね。
飛行機の定刻は12時5分、しかし「12時30分に再度天候調査を行い決断をする」とゲート前で言われ、それでも「まぁ何とかなるだろう」と余裕綽々の僕なのでした。
結果、欠航。
中部=新千歳の前便、前々便が上空待機の末に戻ってきていることすら知らず、「やべぇ欠航しちまった」とそこで初めて事の重大性を知る僕なのでした。子供がいるとなかなか冷静に考える時間が取れませんよね。兄弟喧嘩、腹減った、暑い、疲れた、などなど何だかんだ世話が掛かってとにかく気が散ります。
というのは言い訳でして、どんな事情があろうが、やはり現地の天候や欠航した場合にどうするかくらいは考えておく必要があると思いました。はい。
ということで、今回は色々といい経験をしたので欠航時のノウハウを書いておこうと思います。欠航時に何を考えるべきか、どう動くべきかをまとめまてみました。
スポンサードリンク
目的地の天気を見る
ひとまずは現状把握から始めましょう。今はNOTAM(ノータム:航空従事者向け空港や航路の情報)やMETER(メター:飛行場実況気象)など専門的な情報を見ずとも、Twitterで「新千歳 天候」、「新千歳 欠航」などと入れればすぐに情報が取れます。また、Flight Radar24(フライトレーダー)で目的地の状況はすぐにわかります。上空で旋回する飛行機がたくさんいればそれだけで「滑走路クローズかな?」と推測することもできます。
少なくとも今、到着空港がどうなっているかくらいは欠航が決まる前に調査しましょう。ポイントはTwitterとFlight Radarです。
次は欠航したときに備え、次便に振り替えるのか、少し待つのか、はたまた翌日の便にするのか、作戦を考えるための情報を収集しましょう。空港の天気予報を見たり、雨雲レーダーなどを見たりすることで数時間後の空港の天気を予測することができると思います。また、少し専門的になりますが、ある程度詳しい方であればTAF(タフ:飛行場予報)を見るのが一番正確でしょう。(予報に正確性なんてないんですが…)
NOTAMはこちら↓
AIS JAPAN - Japan Aeronautical Information Service Center
(登録が必要です)
METER/TAFはこちら↓
日本の空港の天気 (METAR, TAF)
そんなことすらしなかった僕は一体何だったのか、今となってはとても反省しています。事前に天候を調べ、作戦を考えることくらいすべきだと思います。
スポンサードリンク
欠航が決まったらすぐに動く
欠航が決まったらどうなるか。実は記憶にある中で欠航の経験がない僕は、その手続きを一切知りませんでした。セントレアではそのままゲートを通って到着導線に入るんですよね。ゲートを何の提示もなく通ってそのままボーディングブリッジの方に歩いて行きます。そしてボーディングブリッジでUターン。到着したときみたいに2階に入り、動く歩道に沿って手荷物受取所まで歩きます。そしてそこで手荷物を受け取って、出発ロビーのチェックインカウンターに行きます。そして、
この手荷物受取が肝
です。
ここで荷物引き取りを誰かに託すことができるかが分かれ道になります。これができば早く欠航の手続きができます。それだけ便の選択肢が増えるということです。また、早ければ早いほど手続きの列に並ぶ時間が短くなることもメリットです。
複数人いる場合は、欠航の手続きをする人と荷物を取ってくる人を分けましょう。「僕が手続きに行くから、君は荷物をお願い」と。一人の場合は基本的に無理ですが、考えれば裏技があることがわかります。大っぴらには書けないのでご想像にお任せします。(欠航の手続き時に、欠航便の受託手荷物を取ってきたか聞かれますのでご注意を。)
そして、これは目的地の天候次第ですが、
- 欠航や引き返しの可能性があるが次の便に乗る
- 天候回復まで待ってもっと遅い便に乗る
- 翌日の便に振り替える
色んな選択肢が考えられます。
欠航時の対応は基本的に客が選べます。全ての変更を手数料なしでやってもらえます。どの便も先着順ですので、作戦があればとにかく早く動いた方がいいです。欠航になった便の乗客が後から流れてきてどんどん席が埋っていきますので。ただ、欠航が続出して既にカウンターが大混雑ということもあり得ますので、そんなときは諦めるしかないですが…。
ちなみに、一度振り替えをしても、何らかの事情で便を変更したいとか、やっぱり払い戻ししたいなどという時も対応してくれます。遅くなればなるほど選択肢は減ってきますが、再度変更はできますので、情報不足で迷う時もとりあえずその時点のベストを選択し、後から変更するという動き方でも構いません。
スポンサードリンク
宿泊費、交通費、食費は自分持ち
これ、めっちゃ重要です。天候理由で欠航した場合、例えば宿泊が必要になっても、一旦家に帰る交通費が必要になっても、食事代が必要になっても、航空会社は一切負担してくれません。欠航ではなく、出発空港に戻ってきたり、違う空港に臨時着陸(ダイバート)した時も同じです。航空会社の責任は唯一、乗客を目的地に送り届けることなので、目的地に届けるための交通費は出してくれますが、再出発が翌日になる場合の交通費や宿泊費などは全て個人持ちです。時間が空いてしまって何か食べるときも航空会社は一切関知してくれません。
はっきり言って塩対応です。
振り替えや代替交通手段の手配を親身にやってくれるのを見て、勘違いして「泊り賃も出せ」なんてヤクザなことを言ってはいけません。それは約款に書いてあり、航空会社は約款通りに運用しているだけです。
雪のシーズンや台風シーズンに旅行をするときはそれなりにリスクを覚悟した方がよいということですよね。天候理由は誰の責任も問えないんですよ。強いて言うならば自己責任です。
例えば車で遠出して、渋滞に巻き込まれて3時間到着が遅延したって誰のせいにもできないですし、余計にかかった費用誰が負担してくれるわけでもないですよね。天候理由の欠航はそれと同じなんです。
絶対にキレてはいけない
追加で言っておくと、前述のとおり天候理由で欠航した場合は不可抗力ですのでカウンターで怒鳴り散らしてはいけません。航空会社は全く悪くありません。反対に、機材整備等、自社都合で欠航した場合はゴネ得です。交通費、宿泊費などなど全部出してくれるはずです。やりすぎはかわいそうですが、上手に交渉を進めてよい条件を引き出せたらいいですね。天候理由と異なり自社都合の場合は交渉したもん勝ちです。
また、自社都合で欠航する場合は他社便への振り替えが可能とのこと。例えばANAが欠航した場合はJALにも乗れたりします(天候理由の場合は自社便のみへの変更が基本)。ただ、LCCの場合は自社便のみへの変更が可能だそうです。こんな時はやはりLCCではなくフルサービスキャリアが頼りになりますよね。
スポンサードリンク
振替便を予約しておく方法もあり
欠航がほぼ確実視され、しかも後便が混雑している場合、一つ事前にできることがあります。それは振り替えようと思っている便の予約を先に取っておくことです。絶対に乗りたい便があれば、事前に押さえておきましょう。これで欠航してもヤキモキせず列に並ぶことができます。予約するだけでは支払いは求められません。ただし、予約しただけでは座席指定はできません。小さいお子さんを連れている場合は席が離れてしまうと困ってしまいますよね。
そんなんときは思い切って支払いをしてしまいましょう。予想通り欠航したら全額払い戻して予約している便に振り替えが可能です。払戻手数料は不要です。しかし予想外に欠航しなかった場合は440円/人の払戻手数料がかかりますのでご注意下さい。とは言え、それらは保険料と考えれば安いもんだと思います。
まとめ
ここまで色々と欠航時にすべきことを話してきましたが、まとめると、- 現状把握と欠航時の作戦立案のため目的地の天候を調べる
- 欠航便の振り替えは先着順のため早く動く
- 欠航したら手荷物組と手続き組に分かれる
- 欠航が決まる前に振替便を予約しておく
というところでしょうかね。あとは、天候理由の欠航と自社都合の欠航では、宿泊費や交通費の扱いが異なることを覚えておけばよいでしょう。
細かいことを言い出すとまだまだ言いたいことはたくさんありますが、大まかにはこんなところかと思います。今年は大雪の日が多く、えらく欠航便が多い気がしていますが、それだけ困っている人が多いということですよね。
どなたかそんな方々のお役に立てれば嬉しいです。
スポンサードリンク