イケてる航空総合研究所

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人気沸騰中の遊覧飛行からわかる人々の飛行機旅行に対する心理2つ

まさかのフライングホヌ150倍

遊覧飛行が活況を極めていることは先回お送りした記事の通りでして、あまり喜ぶべきではないということを述べたわけですけれども、今回はその遊覧飛行に群がる人々を見てわかった2つの心理について分析してみたいと思います。

flyfromrjgg.hatenablog.com

話題性が高かった遊覧飛行としては、ANA、A380のハワイ気分を味わうフライトが挙げられますが、なんと、約330席に対して150倍の倍率だったとか。まさかANAもそこまでの倍率になるとは思わなかったでしょうね。

それだけの人が普通の旅客便に乗ってくれたらどれだけ航空会社として助かることかと思います。

ちなみに、約330人の応募人数に対して150倍ですから、ほぼ満席の国内線仕様787が150便分と言うことになります。


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ここで、787が多く運航されている羽田=那覇線で考えてみましょう。羽田=那覇線が1日10便だとすると、半月分の片道が満席になる計算です。1便平均25,000円で乗っているとすれば、25,000円×330人×150便ですので、12億円以上の売上になります。すごいことですよね。それだけの需要を通常の旅客便の収益に繋げられないのは、エアラインとしてさぞかし悔しいことでしょう。

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でも飛行機には乗りたい

話は遊覧飛行に移りますが、機内でイベントとか記念品の配布とかあるとしても、ただ単に飛行機に乗るだけですよ。それなのに定員約330人の150倍=約5万人の応募があるなんて、実は飛行機で旅行したい人がたくさんいるってことなんですよね。

ここでふと思い出してみると、飛行機の旅行ってのは、密室だし、前後左右が近いし、換気能力がすごいと言えども、「みんな怖がってるんじゃなかったか?」ってことなんですよ。

しかし、5万人もの人が遊覧飛行に殺到したということは、「人々は飛行機に乗ることを全然怖がっていない」ってことになってしまいます。あれ?って思いませんか?

航空会社は、マスク着用、消毒液の設置、機内換気能力のアピールなどで飛行機のコロナ感染に対する安全性を強くアピールしてきたわけですけど、そのアピールは無駄だったと言わんばかりに飛行機に乗りたい人が現れたということです。

この事実は、「航空旅行需要が低迷している理由は、機内でのコロナ感染が怖いというわけではない」ということを証明していると言えるでしょう。


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最近のGotoの活況ぶりを見ているとそうでもないんじゃない?と思う方、この写真を見て驚かないで下さいね。これは10月下旬の平日の羽田空港です。どう考えても航空需要は戻っていません。

あんなにも飛行機に乗りたい人がいるのに、なぜ航空需要が低迷するのか。これは乗れない理由が他にあると見るべきなんですよね。

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旅行には免罪符が必要

旅客便の需要が何故低迷するかって、それは超単純で、みんながビジネスも含め飛行機で旅行に行かなくなったからに決まってます。旅行に「行かない」と言うか「行けない」と言うかは非常に悩みますけども…。

現状、旅行に「行けない」ことはないんですよ。全然行けます。でもみんな「行けない」と思っている。「行けない」と思っている人が多いからこそ遊覧飛行が大人気になると思うんですよね。飛行機には乗りたいけど、旅行には行けない。だからせめて遊覧飛行に乗ろうと。


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遊覧飛行は到着地が出発地と同じです。旅行行ったような気分になるのに、行ったことにならない。そこがポイントだと思います。人々は「出発地=到着地」ということで免罪符がもらえると思っているんです。着陸せずに同じところに戻って来られれば、県外に出たことにもならないから問題ないだろう。人々はそう思っている気がしてならないのです。

そんなわけで遊覧飛行が流行る背景には、「飛行機に乗っても旅行に行ったことにならない」という世間体的な安心感があるんじゃないかと思うわけです。

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明るい未来と暗い未来

遊覧飛行が流行ることで判明した飛行機に対する2つの心理について、僕なりに分析してみたわけですが、まず人々が飛行機自体を怖がっているわけではない、ということは航空会社にとってプラスだと思います。飛行機に対する乗りたい需要はあると言うことですから。明るい未来が見えます。

そして、これまで採ってきた過剰なコロナ対策の見直しをしてもよいかも知れません。収益が落ちているのにも関わらずコスト高な対策を続けているわけですから、そろそろ緩和してもよいような気がしています。「対策してますアピールだけの対策」はやめてもいいんじゃないでしょうか?


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ボーディングブリッジ前に置いてあるこの怪しい液体とか。これ、アルコールじゃないですよね?何の液体ですか?

もう一つ。人々の遊覧飛行に乗れば、旅行に行ったことにならない、という保守的な心理はなかなか解消させるのは難しいと思います。

例えばGotoトラベルが全面的に中止になったりすると、なおさら難しくなるのかなぁと。Gotoが中止になれば、人々は旅行に対してよりネガティブなイメージを持ってしまうので、その心理を反転させるのはかなりの時間を要するんじゃないでしょうか?

こちらは暗い未来を暗示しているようで大きな懸念材料です。

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Gotoトラベル中止に反対

ここ1週間、バタバタっとGotoトラベル中止に関する動きがありました。一応、今のところ、Gotoトラベルの全面中止はなさそうだというのがわかってきたので、安心しているところですが、今後どんな展開になるかは予断を許しませんので、常に動向をウォッチしておいた方が良いかと思います。

Gotoトラベル中止は、「国民の命を守る」という大義名分を振りかざす一方で、「航空業界、観光業界は死ね」と言われているようで、そんな矛盾が許せません。

Gotoトラベルに反対する医師会とかが特に嫌いです。頭がいい人達なんだから、Gotoトラベルが感染拡大の原因であるエビデンス見せて欲しいです。今の時代ならデータで勝負でしょ。「旅行=悪者」と印象とかイメージとかで決めるべきではないと思います。

一般の人々もそんな「おかしいこと」に気付きつつも、大衆迎合してしまうからダメなんですよね。確固たる信念を持って行動して欲しいです。

ほんと今後、「遊覧飛行ばかりが流行らないように」と願ってやみません。遊覧飛行なんかに乗らないで、旅客便に乗って下さい。それが航空会社を助けます。お願いします。

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