イケてる航空総合研究所

ビジネスクラス搭乗記、弾丸旅行のノウハウ、マイルの使い方、貯め方、航空事故の真相などなど。

飛行機から見える景色は地理の勉強になる。

セントレア周辺の景色

2021年5月に行った中部発新千歳行きNH701便。この便では機窓がとても綺麗で、地理の教科書に乗っているような地形がいくつか見られて結構ワクワクしたのを覚えています。今回はその景色を1回分を取ってお送りします。


f:id:flyfromrjgg:20210618122609j:plain

出発ゲートは8番でした。乗客にとっては保安検査場から最も近くて便利なところです。

さて、まずはセントレアを北向きに離陸した直後の写真から行きましょう。


f:id:flyfromrjgg:20210618122614j:plain

木曽三川の河口付近。河口から入って少し奥、揖斐川と長良川に囲まれたあたりが海津町という町なんですが、その地形を「輪中(わじゅう)」と言って、周囲を堤防に囲まれた川の水面よりも低い地形です。特に愛知県の小学校では必ず習う特徴的な土地です。


f:id:flyfromrjgg:20210618122618j:plain

濃尾平野上空でどんどん高度を上げて行くわけですが、愛知県を抜けようとする頃、航空自衛隊の岐阜基地がとても綺麗に見えました。岐阜基地の南側は河原がとても広い特徴的な地形になっています。

木曽川が途中で二手に分かれて、巨大な中州ができているのがわかりますか?現在は各務原市に組み込まれていますが、かつては川島町と呼ばれていた町です。海津町といい川島町といい、かつて洪水に見舞われ、幾度となく家を失った人もいるんじゃないかと想像しますが、その土地を愛し何とか工夫して住もうとする人々の努力には頭が下がる思いがします。


f:id:flyfromrjgg:20210618122621j:plain

途中から雲が一面に張り出しまして景色は見られず…。雲には飛行機雲をたなびかせて飛ぶ自機の姿がくっきり写っていました。


f:id:flyfromrjgg:20210618122623j:plain

下は真っ白、上は真っ青。宇宙みたいな青空ですね。一旦景色はお預けです。

スポンサードリンク


北海道地方の景色

雲が切れかけてきたのは、間もなく北海道という頃。


f:id:flyfromrjgg:20210618122626j:plain

これ、津軽海峡です。手前が下北半島の北端、そして奥が函館です。少し遠いですが、函館山が陸繋島(りくけいとう)になっているのがよくわかりますね。福岡の志賀島の逆向きバージョンにも見えます。元々函館山は島でした。それが両側からの潮流が砂を運んできて、函館山に繋がる陸(砂州)ができた。これが陸繋島形成のメカニズムです。

これと同じなのが島や陸と繋がらない砂嘴(さし)と呼ばれる地形。飛行機から見つけやすい有名な砂嘴は静岡の三保の松原などです。


f:id:flyfromrjgg:20210618122630j:plain

北海道の海岸が見えてきました。苫小牧港が見えます。


f:id:flyfromrjgg:20210618122633j:plain

苫小牧港は掘り込み式の港として有名。通常なら内側に入り込んだ地形が港に適するんですが、一直線な海岸線に港を作りたい時に、そのままの地形では港ができないので人工的に水路を掘り込んで造成します。掘り込み式の港とはそのような方式で作られた港のことです。埋立地でもないのにカクカクしている地形が掘り込み式の特徴ですね。苫小牧港の他、鹿島港が有名です。


f:id:flyfromrjgg:20210618122636j:plain

間もなく着陸という頃。平たんな地形が特徴の新千歳空港周辺です。周辺には湿地も多いですね。


f:id:flyfromrjgg:20210618122641j:plain

地面の黄色いペイントは雪が降っても見えるようにという配慮です。雪国の空港の特徴です。

スポンサードリンク


新千歳空港周辺の景色

帰りは17時25分発のNH712便。温泉に入るためだけに新千歳空港に来たわけですが、約7時間を過ごしてやっと帰る時間です。贅沢ですねぇ。ポカポカに温まった体で帰りも機窓を楽むとしましょう。


f:id:flyfromrjgg:20210618122647j:plain

帰りの便も737でした。南から北へと離陸します。


f:id:flyfromrjgg:20210618122651j:plain

北風時は北向きに上がり右旋回で新千歳空港を捻り込む上昇を見せてくれるので右窓側は必須です。


f:id:flyfromrjgg:20210618122654j:plain

新千歳空港と千歳基地。ここには計4本の滑走路があります。手前が新千歳空港、奥が千歳基地です。

新千歳空港と「新」が付くのは、その昔、千歳基地が千歳空港だったから。新しく隣に滑走路を作って軍民共用空港から民専用の空港にしたのが新千歳空港の成り立ちです。

そして今のJR南千歳駅がJR千歳空港駅でした。空港ターミナルから駅まで長い長い屋内通路があり、飛行機を降りるとその通路をてくてく歩いてJRに乗り換えたものです。冬にホームに降りると雪が積もっていて、とても旅情を覚えました。


f:id:flyfromrjgg:20210618122657j:plain

支笏湖に反射する太陽がとても綺麗。支笏湖は水質が良く透明度が非常に高い湖です。調べてみると支笏湖は次に出てくる洞爺湖と同じくカルデラ湖なんですね。空から見ると周りを山に囲まれていていかにもカルデラっぽいな地形です。

なお、支笏湖の東側は温泉街になっていて、お気に入りの宿「水の謌」があります。詳細は以下の記事をご覧下さい。

flyfromrjgg.hatenablog.com

支笏湖温泉は少しマイナーな気がしていますが、空港から最も近い温泉なので、とても便利です。


f:id:flyfromrjgg:20210618122702j:plain

少しし進むと洞爺湖が見えてきます。先にも書きましたが、この地形はとてもわかりやすいカルデラ湖。真ん中に島があるのが「ミニ阿蘇」って感じですね。

スポンサードリンク


中部地方の景色

帰りのフライトも終盤戦に入りました。


f:id:flyfromrjgg:20210618122705j:plain

日本でも急峻な山々が連なる北アルプス(飛騨山脈)を左手に見ながら降下します。地形にも浸食のされ方で、人間の年齢のような呼び名がありまして、飛騨山脈は最も脂の乗った壮年期の地形です。

幼年、壮年、老年とありまして、幼年はグランドキャニオンのような川の流れによって一部だけが切り取られたような地形、そして壮年になると全体的に浸食されて、飛騨山脈のような急峻な地形になります。そして老年になると全体的に削られて緩やかな山地になっていきます。そして初めに戻ってやり直しという感じです。まるで仏教の輪廻転生みたいですね。


f:id:flyfromrjgg:20210618122707j:plain

やがて日の入りを迎えました。空はこの時間が一番美しいです。


f:id:flyfromrjgg:20210618122711j:plain

再び木曽三川。画面中央の揖斐川と長良川に挟まれたところが最初に書いた海津町です。田植えの時期とあって、河口付近には無数の田んぼがあります。川のなのか土地なのかわからないのがこの辺りの地形の特徴です。


f:id:flyfromrjgg:20210618122714j:plain

木曽川と長良川の間にあるのがナガシマ。遊園地と海水プールがあります。

面白過ぎる景色

中部=新千歳を単純往復しただけなのに、色々と思い白い地形に出会えるものです。どれもこれも学校の社会(地理)の授業や、サイエンス系の雑誌、テレビ番組で聞いたことのある話かと思います。

飛行機から下を眺めていると、「あ、あれが学校で習ったxxxだ」みたいな発見が本当に多いです。僕は地理の授業が特に好きだったのでなおさら。

地形というのはある程度の高さから見ないと全体を俯瞰できません。そういう意味で飛行機というのは地形を見る上では最もふさわしい乗り物と言えます。僕が仮に社会の先生だったら、上空から写真を撮りまくって生徒に見せるだろうなぁなんて想像しちゃいました。

飛行機の座席に関し、通路側が好きな人もいますが、通路側に座ってしまうともったいない気がしてなりません。満席の3人掛け窓側は確かに僕も敬遠したいところですけど、トイレに行く必要のない所要時間の路線ならば、窓側に座らないという選択肢はないです。

何と言っても空からの景色は格別ですから。

スポンサードリンク


flyfromrjgg.hatenablog.com

flyfromrjgg.hatenablog.com

flyfromrjgg.hatenablog.com

flyfromrjgg.hatenablog.com

flyfromrjgg.hatenablog.com

flyfromrjgg.hatenablog.com

ブログの内容は個人としての発言であり所属する組織・団体とは一切関係がありません。